第248話 喫茶店でのティタイム その1

「さて!」

「どのケーキを食べようかな~~♪」

「この喫茶店は、オーソドックスなケーキが中心だから、王道を狙おうかな~~♪」


 虹心は陽気な口調で言いながら、メニュー表を立てて見ている。

 真優美さんお店のケーキは、俺も食べたことが有るが、美味しかった記憶が有る。

 確か……ミルフィーユを食べたっけ?


 只、あの時はみずから注文した訳では無く、真優美さんからの好意で貰ったケーキで有るが……

 食べたいケーキが決まったらしい虹心は、メニュー表を見ながら、俺の方に目線を合わせて和やかな表情で言い始める。


「兄ちゃん!」

「私は、苺のショートケーキとチョコレートケーキね!!」


「……苺ショートケーキとチョコレートケーキね!」

「本当……二個食べるんだな! まぁ、いいや…」

「なら、注文するか!」


 俺は穏やかな表情で言い終えた後、テーブル横に置いて有る、呼び鈴を手で取ろうとした所、虹心は笑顔で声を掛けてくる。


「兄ちゃんは、何か頼まないの?♪」

「折角来たんだから、アフタヌーンティーを楽しまないと!♪」

「ケーキ以外にも、クッキーとか有るらしいよ!!♪」


(アフタヌーンティーって……本来の意味と違うぞ!)

(だが、此処は余計なことを言わないでおこう!!)

(虹心も、本来の意味は知って言って居るはずだから!??)


「……クッキーか」

「クッキーなら……ケーキより甘くないし、アイスコーヒーにも合うだろうから、クッキーでも頼むか……」


 俺は独り言を言うように、虹心に澄ました表情で言う。

 虹心は表情を変えずに、言葉を続ける。


「じゃあ、兄ちゃんはクッキーだね!」

「それで、兄ちゃん!!」


「クッキーも何種類か有るけど、どれを頼む!♪」

「プレーン・チョコチップ・ハーブと有るよ!!♪」


「ほう……ハーブクッキーも有るのか!」

「真優美さんはハーブに凝っているからな……なら、ハーブクッキーにするか!!」


 俺は一人で、納得した表情で言う。

 真優美さんはハーブティーにこだわりが有るから、クッキーもハーブクッキーを用意して有るのだろう。

 その前に、このクッキーはお手製なのだろうか?


「じゃあ、兄ちゃん!」

「頼む物も決まったし、真優美さんを呼んで!♪」


 笑顔で言う虹心。

 俺は今度こそ呼び鈴を手で持って、呼び鈴を鳴らす。


『チリーン、チリーン、チリーン♪』


 高音域のベル音色が、店内に鳴り響く。

 意外に響くんだな……


「…はーい!」

「今、うかがいまーす!!」


 呼び鈴を聞いた真優美さんは反応して、陽気声が返ってくる。

 真優美さんはレジで、お客さんのレジ対応をしていたが、ベルの音色だけで呼んだ人が分かるのだろうか??


 だが、レジ作業を終えた真優美さんは迷うこと無く、俺たちのテーブルにやって来る!

 流石、店長さん兼スタッフで有る。

 俺たちの座席に到着した真優美さんは、営業スマイルで話し掛けてくる。


「お待たせしました!」

「じゃあ、食後のドリンクを用意するね!!」


 真優美さんの言葉の後。俺は真優美さんに穏やかな表情で話し掛ける。


「真優美さん!」

「追加の注文良いですか!!」


「……えぇ、良いわよ!」

「三國君!!」


「では、真優美さん!」

「苺のショートショート、チョコレートケーキ、ハーブクッキーをそれぞれ1つずつお願いします!!」


「えっと……苺、チョコ、ハーブクッキーを1つずつね!」

「はい。注文受け付けました!!」


 俺は穏やかな表情で、注文を真優美さんに言って、真優美さんは笑顔で対応する。

 だけど、もうすぐお店の休憩時間に入る時間だけど、本当に大丈夫かな?

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