第239話 喫茶店に行く兄妹 その1
……
夏休みも、後一週間ぐらいで終わりを迎える。
夏休みが終われば当然、二学期が始まる……
三國家にはお盆が関係ないので、お盆時期も、夏休み普段通りの生活を過ごす。
母親の仕事はお盆が関係ないので、何時も通りで有り、父も帰って来ないが、来月帰って来る予定で有る。
只、兄の場合は企業にお盆休みが有って、その時期の兄は彼女と旅行に出掛けていた。
虹心はそれを凄く羨んでいたけど、兄のデート旅行に妹が加わる訳には行かない!!
俺がアルバイトをしていれば、俺の金で虹心を近場に連れて行けることも出来るけど、
それも、割り勘で有るから、全くダメダメ
律儀な兄は、俺や虹心に個別の旅行土産を渡してくれた!
旅行定番の土産で有るが、貰えると何故か嬉しい!?
後は家族で食べる、観光地箱菓子も幾つか買って来ていた。
……
夏休みも後本当に……数日で、終わろうとしているとある日。
俺は久しぶりに、真優美さんのお店(喫茶店)に行くことにした。
今回は、真優美さんへの紹介も兼ねて虹心を連れて行く。
その為、食事代ぐらいは俺の小遣いから
俺が真優美さんのお店に行ったのは、七月の頃に一回行ったきりで有る。
本当は、その時以降から通い続ける気満々で有ったが、虹心と急激に関係を深めたので、真優美さんのお店へ行く機会を自然と失ってしまっていた!!///
俺はその時。真優美さんの連絡先を教えて貰ったが、教えて貰ったで終わってしまっている。
伊藤さんには振られた以降、伊藤さんから連絡は全く来ないし、夏休みに入ってしまったので、二村さん絡みの連絡や相談もしようがない……
俺は虹心ほど、学年ネットワークを持っていないので、伊藤さんや二村さんの状況が、今どう成っているかは”さっぱり”分からない!!
時々、級友の高岡から他愛も無いSNSが来るが、本当に他愛が無い内容なので、情報の価値は無かった……
☆
「それで、兄ちゃん!」
「今日は全部。兄ちゃんの
笑顔で俺に聞いてくる虹心。
今から虹心と二人で、自宅から真優美さんのお店に向かう。
「喫茶店の料金は全部俺が出すけど、交通費だけは個別清算だぞ…///」
俺は困った表情で虹心に言う。
此処まで来れば交通費も出すべき何だろうが、電車の往復料金も意外にする!
俺たちが住んでいる町に国鉄路線は無く、私鉄路線しか通っていないので、私鉄鉄道会社は強気な運賃設定をしている!?
「……交通費は自腹か…!」
「まぁ……仕方ないか!!」
渋々の表情で言う虹心。
虹心も、この町を通っている私鉄路線の運賃を知っている。
真優美さんのお店が有る場所は、電車を数区間乗らなければ成らないので、初乗り運賃内では収まらない。
「その分……喫茶店で、たらふく食べて・飲んで、満喫してやろう!!」
「兄ちゃんのお金だから!!♪」
虹心は不敵な笑みを浮かばせながら言う!?
喫茶店だから、ファミレスの様な豪華料理は無いと思うが……
「じゃあ、行くか。虹心!!」
「世間のランチタイムをずらした時間に行くから、虹心のことも紹介出来るはずだ!」
俺は穏やかな表情で虹心に言う。
虹心を真優美さんのお店に連れて行くのは初めて有るが、事前予習はさせて有る。
『へぇ~~。兄ちゃんは各方面の女性に、モテ期が訪れていたのだね!』
『けど……真優美さんは、兄ちゃんを対象外で見ている!!』
『兄ちゃんは本当に、私以外の異性と縁が深まらないね……///』
俺がお店と、真優美さんの関係を持てたことを虹心に話した時、虹心は驚いた表情と哀れんだ表情で言っていた!!
「今晩はお母さんが夜勤だし、お兄ちゃんも残業だから、晩ご飯の時間を遅くしても問題は無いからね!!」
「私も、真優美さんに会うのが楽しみ!!」
和やかな表情で言う虹心。
俺と虹心は二人で、真優美さんのお店が有る場所に向かい始めた。
真優美さんが虹心を見た時、どんな反応を示すだろうか?
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