第235話 弟の務め その1 

(兄が虹心から誘惑を受けた時……兄が虹心を襲わなかったのは、まだ虹心の体が成長しきっていない時期だったから、兄の生殖本能が目覚め無かっただけかも知れない!?)


(けど……兄がもし、ロ○やペ○系統だったら、虹心は兄の手に依って世界デビューされていたかも知れない!!)


 俺は、兄が虹心から誘惑を受けた時のことを妄想している。

 兄が大学生(仮)で、虹心が小学生の高学年相当の姿で、誘惑を受けている場面を……


(兄が普通の性癖で良かった…!)

(もし、そうで無かったら今頃、三國家一家は離散しているだろう!)


 俺は心の中で、勝手に纏める。兄が真面まとなな人で良かった!

 兄は虹心への性的興味に持たないで、終わらす事が出来たが、俺の場合はかなり虹心を求めているし、虹心も我慢しているのだろう?


 母親や兄の介入が入る前に、この関係を終わらせるか、それとも敢えて公言をするべきだろうか……

 俺はそんな事を思いながら、兄との会話を終えた。


 ……


 リビングに三人兄妹で寛いでいるが、やはり虹心は、兄へ積極的な会話をしていない。

 虹心は一度怒らすと根を持つ妹で有るから、まだ冷やし中華の件で怒っているのかも知れない!?


 テレビ番組は、バラエティー番組からドラマ番組に変わって、兄と虹心はテレビドラマを見続けるが、俺には興味が無いドラマなので、俺はどうしようかと迷い始める……


(このまま、興味が無いドラマを見ているぐらいなら、自室に戻った方が良いよな?)

(だが、今晩の兄と虹心は少し仲が悪い……でも、俺が此処に居ても、この問題は兄と虹心の問題で有る…)


「兄貴、虹心!」

「俺は一足先に、部屋に戻るよ!!」

「じゃあ、お休み!!」


 俺は自室に戻ることを決め、兄と虹心に穏やかな表情で言う。


「そっか! お休み。武蔵!!」


「兄ちゃん! お休み~~!!」


 兄と虹心から、陽気な口調で就寝挨拶を貰った後、俺はリビングを出て、台所で麦茶を飲んでから自室に戻る。

 ここから先、リビングには兄と虹心だけに成るが、冷やし中華のことを蒸し返すことは無いだろう……多分。


 ……


 自室に戻った俺は、家族の前ではプレイしにくい、スマートフォンのアプリゲームをする。

 成人指定のゲームでは無いが、かなりギリギリを攻めてくれたので(!!)、思春期学生には持って来いのアプリゲームで有る!!


 俺は先ほどのことは忘れて、少しお色気の有るアプリゲームを楽しんだ!


 ☆


「ふぅ~~。大分進めたな!」

「明日も、何時も通りの時刻に起きないと行けないから、今日は此処までだ!!」


 俺は一人喋りをしながら、アプリゲームを切り上げる。

 スマートフォンに表示されている時刻を見ると、23時40分で有った。


 ゲームに夢中へ成っていて、兄や虹心が自室に戻って来て居るかは分からないが、時刻的に家族団らんは、この家での場合はお開きに成っている時間だ。


(トイレに行ってから寝るか!)

(けど、虹心のことが少し気に成るな…!)


(虹心は根に持つタイプだし、特に料理関連は自信に溢れている!!)

たまには俺から、虹心の部屋に訪問して見るか……あくまで、弟の務めとして!!)


 俺は虹心の部屋に行くことを決め、自室から出るが先ず、トイレを済ませてからにする。

 トイレは一階に有るがトイレに向かう時、台所やリビングの明かりは消えていた。


(予想通り、団らんの時間は終わっているな!)

(虹心はまだ、起きていると思うが……)


 トイレを済ませた俺は、そのまま二階に上がり、虹心の部屋に向かう。

 虹心の部屋のドアは閉まっているので、先ずはノックから始まる。


(もしかしたら、寝ているかも知れないから、軽くノックするか……)


『コン、コン、―――♪』


 俺は、軽く部屋のドアをノックするが声は出さない。

 もしかしたら寝ている虹心を、態々わざわざ起こすほど重要な要件では無い。


『だれ~~?』

『感じ的に……兄ちゃん~?』


 虹心はノックの仕方で、俺だと判断する!?

 だが冷静に考えれば、兄が虹心の部屋に来ることは先ず無い!


 虹心が起きていることが分かったので、俺は部屋の中に居る虹心に、小声で声を掛けた。

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