第194話 じゃれ合う二人!?

「ねえ、兄ちゃん。教えて!!♪」


 嬉しそうな笑顔で聞いてくる虹心!!

 別に正直に答えても良いが、虹心はどう反応するのだろうか??


「例えば……体操服の姿だったり、後はアイドルの格好をしていたりとか……」


「ふうん……兄ちゃんはやっぱり、オタクだね♪」

「体操服を求めているから、定番のスク水も求めていそうだね!!♪」


「!!//////」


 顔を、にやつけさせながら言う虹心。

 そして、スク水(スクール水着)の言葉で反応してしまう俺!//////


 学園生なら、体操服姿は年がら年中見られるが、スク水姿は一学期のごく一時期しか見られないし、スク水姿を拝めるのも学園内だけで有る!!

 俺が反応したので、虹心は笑顔に成って言う。


「兄ちゃんは、そっち系に興味が有るのか!♪」

「関係も深まる事だし、近い内に着て上げようかな♪」

「スクール水着を!!」


「にっ、虹心!///」

「これは例えで有って、決して求めている訳では無いから!!///」


 俺は焦った表情で言う。

 冗談で虹心は言っていると思うが、冗談では無かったら、俺はスク水姿の虹心を襲ってしまう!!


「遠慮なんかしなくても良いよ♪」

「兄妹だから、問題ないでしょ!!」


 本当に、嬉しそうな笑顔で言う虹心!?

 プールに入る訳でも無く、虹心の部屋や俺の部屋で、虹心がスク水姿なのを母親に見られたら、弁解のしようが無い!!///


(内心は嬉しいが……いや、スク水だけは流石に不味い!)

(絶対に、虹心を襲ってしまう!!///)


「さて、兄ちゃんをからかうのは此処までして、普段着に着替えるか!」

「一旦、着替えてくるね。兄ちゃん♪」


 虹心は和やかな表情で言い終えると、そのまま俺の部屋から出て行く。

 これで終わりでは無く、着替えに行くと言っているのだから、着替え終わったら戻って来るのだろう……


「俺も着替えるか……」


 俺は学園制服姿から、普段着に着替えながら考える……


(虹心とは、おかしな関係に成ってしまうが、これで良いのだろうか?)

(兄妹愛の延長と言えばそう成るが、普通の兄妹愛なら此処までの事はしない)


 兄妹の中でも『好き❤』や『私を見て!』の言葉を、使う時も有るかも知れないが、告白まではしてこない。


(虹心はきっと、ボランティア気分で俺と関係を深めるつもりだろうが、変な方向に進まないと良いがな……)


 虹心と関係を深めると言っても、今の段階で十分深い。

 今までは、虹心と二人で行動をする時が殆ど無かったが、これからはそれが増えるのだろう。


(そうすると……兄の代わりに、何処か連れて行けとか言うのか!?)

(けど、虹心自身が俺に、ファッションセンスは無いと言い切ったからな!!)


 俺は兄と比べれば、ファッションセンスが無いのは自覚しているし、流行にも疎い。

 そんな中で、虹心と出掛けると成れば、何処へ行くのだろうか??

 俺はそんな事を思いながら、普段着へ着替えた。


 ……


 普段着に着替え終えた虹心は、本当に部屋に戻ってきて、愛の会話と言うよりしばらくは雑談を楽しむ。

 雑談と言っても普段からしているから、極端に会話が弾む訳では無い。


 俺はその時に、小鞠ちゃんの事を改めて聞いたが虹心は『もう、そんな事は良いでしょ!』、『今は私だけを見て。兄ちゃん♪』と、煙に巻かれてしまう。

 だが、小鞠ちゃんが園芸クラブの男子と関係を深めたからこそ、虹心は俺との関係を深める事を選択したのだろう!?


 俺の部屋での雑談後は、場所を台所に移動して、おやつタイムをしながら虹心と過ごすが、関係を深めるからと言って極端に深まることは無い。

 虹心とおやつを食べながら雑談をして、時間は流れていく……


 俺は虹心と、恋人関係に近い関係に成った訳だが、只それだけで有る。

 虹心とは性行為は絶対に出来ないし、それをしたら近親相姦に成ってしまう。

 虹心だって、近親者の子どもを身籠もりたくは無いだろう……


 俺一人の寂しい夏休みから、虹心と思いで作りをする(!?)、夏休みに成りそうだが、果たしてどう成るのだろうか?

 俺は駄目人間では有るが『虹心を女性として見ては行けない!』と、心に強く言い聞かせた……

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