第193話 発展する兄妹愛!?

「虹心はそんなに、俺と関係を深めたいのか?」

「俺は今の関係が、一番バランスが取れていると思うのだがな?」


 俺は少し呆れた表情で虹心に言う。

 虹心は俺の惨めを見て、虹心の母性本能がくすぐられて行動していると、俺は感じるからだ。

 虹心は困った微笑みの表情で、俺の問いに答え始める。


「深めたいと言えば、本当だよ!」

「兄ちゃんは不細工でも無いし、デブでも無い!!」

「成績も優秀では無いけど、落ちこぼれでは無い!!!」


「兄ちゃんが普通に学園生活をしていれば、伊藤さんほどの相手は無理でも、そこそこの人を彼女に出来たと思う!!」

「兄ちゃんがどうして無理に、春を求めたかは私の中では理解しがたいけど、それをしなかったら今とは違う、学園生活を送れていると思う!!」


「…………」


(普通の兄妹が、此処まで相手を思う家も少ないだろうな…)

(虹心は本当に、俺へ好意を見せてくれている)


(このまま関係を深めて、虹心は今まで通りガードをして来るだろうし(!?)、俺も家から追い出されるのは嫌だから、虹心に性を求めたり、処理をさせたりはしない筈だ!?)


 俺は、断わる気でいた虹心の気持ちを、受け入れるべきか迷い始める。

 虹心には親友の小鞠ちゃんが居るが、小鞠ちゃんも園芸クラブの男子と関係を本当に深めたら、今まで通りの付き合いは出来なく成るだろう。

 当然、親友も大事で有るが彼氏や彼女の方が、もっと大事に成ってしまう!///


 小鞠ちゃん以外にも親友の名前を聞く虹心で有るが、三國家に招いて遊ぶ程の親友は本当に小鞠ちゃんだけで有る。後の親友は名前を聞くだけで有る。

 母親の勤務シフト関係で、虹心は家事を自発的に行っているから、俺のように気軽に遊びに行ったり、休日はフルに満喫出来る訳では無い。


(今は虹心と居ても楽しいと感じるし、虹心と恋人やデートごっこをするのも悪くないか…)

(去年のこの時期は、冷戦の真っ只中だったし……)


 俺は心の中で、虹心と関係を発展させることを決める。

 俺はこのまま寂しい夏休みを送るより、虹心と仲良くなった方が有益だと感じたからだ。


 虹心の方も、俺と関係を深める何かのメリットが有るのだろう?

 俺は少し恥ずかしそうな表情で、虹心に言い始める。


「虹心…///」

「虹心が良ければ……兄妹だけど、関係を深めようか!///」


「でっ、でも、性に関する事は無しだぞ!!///」

「母さんに兄にバレたら、俺の人生はどうなるか分からないから!!///(汗)」


「兄ちゃん……性に関する発言は普通、私がする者何ですが……」


 俺の言葉で、“ジト目”表情に成って言う虹心。

 正真正銘、俺はヘタレで有る!!


 成人漫画の世界のように、血の繋がった兄妹でも平気で性行為をして、青春や大人の関係を面白おかしくえがいている漫画も有るが、現実はそんな生易なまやさしい物では無いはずだ!!←武蔵は何故、それを知っている!?

 現実世界で、それを行っているのを両親に知られ、真面な家の両親で有るなら、男性側に非常に大きな罰やペナルティーが与えられるだろう……


「まぁ、良いっか!!」

「私も、兄ちゃんと性行為までは考えていないし、求められてもこっちが困る!///」

「なら、今日からもっと仲良くなろう!! 兄ちゃん!❤」


 和やかな表情で言う虹心。

 言葉の後、虹心は俺へ抱き付きにでも来るのかなと思うが、虹心はその表情で言葉を続ける。


「じゃあ、兄ちゃん!」

「これからはもっと、私を大事にしてね!!❤」

「じゃないと、兄ちゃんの料理だけに意地悪をするかも知れないから♪」


「!!」


 虹心はさり気なく、俺を脅しを掛けてくる!!

 肉無しカレーを以前食べさせられた事は有るが、料理に意地悪されるのだけは勘弁して欲しい!///


「あ~~あ。折角着替えずに制服姿で、兄ちゃんへ愛の告白をしたのに、兄ちゃんは何時も通りだったな!!」


 関係を深められる事が出来て安心したのか、愚痴を言うような表情で言う虹心。


「……流石に、見慣れた姿で胸はときめかないよ…」

「これが、別の格好で有れば別だが……」


「んっ…?」

「別の格好なら、兄ちゃんはときめいたの!?」

「ちなみに、何が良かったの?」


 俺のうっかり発言で、興味を持ってしまう虹心!?

 余計な事を言わなければ良かった!!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る