第124話 無意味な情報?

 虹心が有る程度、おやつを食べ終えた所で、俺に向けて和やかな表情で言い始める。


「さて、では……私から話しをしようか、兄ちゃん!」


「そうだな……俺の話しの前に、虹心の方から聞こうか!」


 俺は穏やかな表情で虹心に言う。

 虹心は和やかな表情で話し始める。


「じゃあ、私から話すね!!」

「まぁ……大きな収穫では無いけど、同級生の子から聞いた情報だと、卓球クラブ内でも二村さんは、どちらかと言えば浮いている存在なんだって!!」


「シングルは問題無いけどダブルスを組む人は、ほぼ固定の感じだし、後輩からは男女共にしたわれているけど、同級生や先輩の特に、女子からの受けは悪いみたい!」

「私が聞いた同級生の子は女子だけど、その子も凄く二村さんを好きでは無いみたい……」


 最後の文章は、困った微笑みで話す虹心。

 卓球クラブ内でも二村さんの存在は、クラス内とほぼ変わらない訳か……

 虹心は表情を和やかな表情に戻して、言葉を続ける。


「でも、クラブ内で二村さんは出来る方で有るらしいから、顧問やクラブ長さんからの受けは良いらしいよ!!」

「個人戦なら、結構良い線行っているんだって!!」

「……私が知り得た情報はこれ位かな。兄ちゃん!!」


「……情報、ありがとう。虹心!!」

「卓球クラブ内でも、二村さんの立ち位置は変わらないが、卓球は上手の方なんだ!!」


 俺は穏やかな表情で虹心に言うと、虹心は和やかな表情で返事を始める。


「見たいだよ。兄ちゃん!!」

「素質は有るらしいって、クラブ長さんが言っているのを、その子は聞いたこと有るんだって!!」


「ふ~ん…。素質が有るか……」

「でも、その割に卓球が上手の、噂話は流れていないのだよな……」


 二村さんが卓球上手と言う話しは、今初めて虹心から聞いたし、伊藤さんや二村さんもそんな事は、一度も口にはしていない?

 二村さんが恥ずかしいから口にしないのか、それとも何か別の理由でも有るのだろうか??


「兄ちゃん!」

「二村さんが卓球上手でも、それはクラブ活動内で有って、地区大会や県大会で実績を残さないと噂話は広がらないよ……」

「けど、卓球は“部”でなく“クラブ”だから、連盟主催の公認試合には出られないのでは無いかな?」


 虹心は少し困った表情で言う。


「成るほどな……アマチュア大会ならエントリーは出来るけど、学校同士で対抗する試合には参加資格が無い訳か……」

「学園も……野球部やバスケットボール部の応援はしているが、卓球クラブは名前すら出て来ないからな……」


 俺は理解した表情で虹心に言う。

 言われてみれば、卓球は“部”では無い。

 それに、葉月学園が区分する、“部”と“クラブ”の違いが、俺の中では良く理解出来ない?


 将棋はクラブの割に、公認試合に積極的参加しているし、演劇部は部だけど、メインは文化祭で有って、公認の地区大会には参加をせず、後は小規模の演目を、夏と冬の時期に1回ずつ開催するぐらいで有る。


 演劇部が公認の地区大会に参加しないのは、高等部・中等部合同だから、参加出来ないと虹心から聞いた覚えが有る。

 虹心は穏やかな表情で言い始める。


「まぁ、それに兄ちゃん!」

「二村さんは卓球が上手かも知れないけど、上を目指してはいないので無いかな?」

「あくまでスポーツでは無く、趣味の一環で活動しているような!」


「趣味の一環か……」

「それも、そうかも知れないな…。卓球クラブだし!」


 虹心に落ち着いた口調で、俺は言い終えると、虹心は和やかな表情で聞いて来る。


「さぁ、兄ちゃん!」

「私の情報はこれで終わりだから、今度は兄ちゃんの状況を教えて!」

「かなり悪いのは、さっきの兄ちゃんの表情を見れば分かったけど、どれぐらい悪いの?」


 虹心は、俺の状況を知りたがっていた。

 俺は困った表情をしながら、虹心に話し始める。


「……簡単に言えば、状況は最悪だよ。虹心!」

「二村さんは松田と距離を急激に縮めて居るし、伊藤さんも俺に協力をすると言った割に、距離を縮めさせない様にしている……」


「二村さんを失うのは仕方ないにしても、今の状況では伊藤さんと、これ以上の進展は難しい状態だよ……」


「…………」


 俺が虹心に話し終えると、虹心は澄ました表情に変わっていた?

 今までの虹心だったら、笑顔や和やかな表情の時が多かったのに??

 虹心の予想と、俺の現実が食い違っていたか???

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