第117話 心配の種!?

「それで、どうする。兄ちゃん…」

「明日当たりでも、私が二村さんに聞きに行こうか?」


 虹心は和やかな表情で言う。

 虹心は早速考えたプランを実行したい感じだが、俺は今、伊藤さんと共同作戦を実行している。


「虹心!」

「気持ちは嬉しいが……伊藤さんからは一応、二村さんの出方を注視しようと話しは付いているんだ」


 俺は困った表情で言うが、虹心は和やかな表情で言う。


「兄ちゃん!」

相手ふたむらの出方を見る訳ね!!」


「そう!」

「虹心が自発的に動いても良いけど、一度、伊藤さんと打ち合わせをしてからの方が良いと思う」


「伊藤さんが絡んでいるなら、その方が良いかもね!」

「兄ちゃん!!」


「……だよな。虹心」

「明日の放課後、また伊藤さんと相談してみるよ!」

「それで、伊藤さんから了解を貰えたら、虹心にお願いをするよ!!」


 俺は最後、穏やかな表情で言い終えると、虹心は何かを理解した表情で話し始める。


「ふむ、ふむ」

「兄ちゃんは、伊藤さんを本気で意識し始めている…」


「じゃあ、兄ちゃん。明日の夜にまた教えて!」

「私は、クラス内に居る卓球クラブの子に、さり気なく二村さんの事を聞いてみるよ!」


「すまんな、虹心。俺のために……」


「兄ちゃんの恋の成就じょうじゅのためなら、喜んで協力するよ!」

「伊藤さんと恋人関係に成れば、小鞠ちゃんも諦めるはずだし!」


 虹心が笑顔で言う中、俺は忘れていた事を思い出す!

 虹心が言い終えた後、俺は気付いた表情で虹心に話し始める。


「そう言えば……小鞠ちゃんも居たな…!?」

「虹心。小鞠ちゃんに、何か変化は有ったか?」


 俺の今の“モテ期”は、同級生から下級生まで広がっている!

 虹心の幼なじみで有る、小鞠ちゃんも俺に好意を示していたのだが……虹心は和やかな表情で言い始める。


「小鞠ちゃん!?」

「別に……何時も通りだよ!」


「小鞠ちゃんは口の割に、本気で兄ちゃんを好きそうでは無いから、私に根掘り葉掘りは聞いてこないし、一時的な嫉妬だと思う!」

「それに、兄ちゃんの方に小鞠ちゃんから、連絡は入っていないでしょ!!」


「確かに……最近、小鞠ちゃんからの連絡は無いな……」

「俺も、あの時以降プリンモールからは二村さんを意識してしまったし、俺が好きと言う割には、何も連絡は来ていない…?」


 俺は落ち着いた口調で言う。

 小鞠ちゃんが勝手に諦めてくれたなら、それも仕方ないか!?

 虹心は和やかな表情で、言葉を続ける。


「まぁ、そう言う事だよ。兄ちゃん!」

「あの時は、小鞠ちゃんが勝手に二村さんへライバル心を見せたけど、小鞠ちゃんが兄ちゃんの事が本当に好きなら、もっと兄ちゃんにアプローチを仕掛けるからね♪」


(嫉妬か…。なら、安心して良いのか…?)

(でも、そう言われると、何故か寂しい感じもする!?)


「小鞠ちゃんも、小鞠ちゃん成りに自己分析をしているから、勝てない相手には勝負は挑んで来ないと思うよ!」

「その辺りは、私も今度改めて聞いてみるよ。兄ちゃん!」


(その発言だと、本当に二村さんは、小鞠ちゃんの中では格下扱いに成るのだが…!)


「その辺も頼むよ! 虹心!!」

「小鞠ちゃんが俺をまだ意識していたら、三つ巴に発展するかも知れないからな!///」


 俺は少し頬を染めて、困った表情で言う。

 三つ巴で済めば良いが!??


「……まぁ、話しはそんな所かな。虹心…?」


 大体の事は話しをしたし、明日もお互い学園が有る。

 そろそろ、切り上げるべきかなと思うと、虹心が嬉しそうな表情で話し掛ける。


「けど、兄ちゃん!」

「思いっきり、青春を謳歌しているね!!」

「今までの、オタク気味の兄ちゃんとは大違いだよ!♪」


「妹としても、兄ちゃんに青春が来て嬉しいよ♪」


 俺の中で話しは終わったかと感じたが、虹心の中では、まだ続くようで有った……

 虹心も基本、おしゃべり好きで有る。

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