第116話 妹の提案?

 妄想を終えた俺は、悩んだ表情で虹心に話し始める。


「……流石に、男子全員がいくさに参加はしないが、拳の世界は1回での勝敗で、勝負は着かないのだよ!(汗)」

「本当に完膚かんぷ無きまで相手を叩き潰すか、相手の軍門にくだらない限り…」


「要するに……兄ちゃんは、極力暴力沙汰は避けたいで良いんだね!」


 虹心は穏やかな表情で言う。


「そう、そう。そういう事だよ!」

「虹心!!」


 俺は理解してくれた表情で虹心に言うと、虹心は和やかな表情で言う。


「なら……私から、二村さんに話しをしてみようか!」


「えっ!?」

「虹心が!??」


 俺は驚いた表情で虹心に言うが、虹心は表情を変えずに言葉を続ける。


「私も二村さんとは面識が有るし、兄ちゃんが松田さん達を刺激したくなければ、私が出るしか無いじゃん!♪」


「二村さんのクラブは、卓球クラブでしょ!」

「卓球クラブは高等部・中等部合同の筈だし、私のクラス内でも、卓球クラブの子が居るから話しが付けやすいし!」


 虹心は、思った事をペラペラしゃべる性格だ。

 多分、思い付きで言っているだろうが、話しの筋は通っている感じがする。


「虹心は本当に、交友関係が広いんだな……」

「顔つきも並以上の割には…、苛めの話も聞かないし……」


 俺が少し驚いた表情で言い終えると、虹心は不思議そうな表情をして、俺に聞いてくる。


「苛め…?」


「だって……美少女は、苛められるのが定番だろ!?」

「現に伊藤さんも二村さんも、過去に苛められた経験が有る…」


 俺は『しんみり』した表情で言ったのに、虹心は和やかな表情で言い始める!


「あ~~。苛めね!」

「私も、男子たちから好意的に良く見られているけど、最初から同級生は対象外と言い切っているからね♪」


「それで…DQN系女子達は納得するのか?」

「虹心……」


「DQN系…?」

「なに、それ、兄ちゃん??」


 虹心は“きょとん”とした表情で言う。

 虹心の世代に成ると『DQN』の言葉はもう、使われないのか??


「あぁ、不良系女子の事だよ!」


 俺は虹心に説明する口調で言うと、虹心は満面な笑顔で言い始める!


「うーん……たまに言われる事は有るけど、私は興味が無いと言い切るからね!」

「現に私が好きな人は、兄ちゃんだし❤」


「うっ!//////」


(妹のくせに、可愛い笑顔しやがって!!//////)


 これが義理の妹なら、俺は間違いなく抱きしめているが……虹心は実の妹で有る。

 禁断の兄妹愛は流石に不味い……

 俺は平静をよそおいながら、虹心に不満そうな表情で言い始める。


「……虹心が、最初に好きだったのは兄の航平だろ!」

「兄に彼女が出来たから、俺にシフトしただけで有って……」


 だけど、虹心は笑顔で言う!


「細かい事は気にしない。兄ちゃん!♪」

「私は兄ちゃんと言うより、年上の人がタイプだと思う!」

「同級生の男子も、格好いいと感じる時が有るけど、子どもっぽい時も有るんだよね!」


(虹心も年齢で言ったら、まだ子どもだろ!)

(体と心だけ大人ぶって……)


「そういう事で、私は苛めも受けてないし、嫌がらせも受けてないよ!」

「心配してくれてありがとう、兄ちゃん!♪」


「!!……///」


 虹心の笑顔で、俺の胸は弾む!?

 まさか……本当に、虹心を意識し始めている!?


 虹心が好きだから、伊藤さんに興味を感じた!?

 もし、虹心が義理の妹だったら、俺は虹心を冗談抜きで襲い掛かっているだろう!?

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