第102話 厳しい現実!?

 問題無く学園に到着して俺は教室に入るが、教室内の人気ひとけで有った。

 二村さんの席には荷物がまだ置かれてないので、まだ来ていない感じだ。


(少し、早く来すぎたな…)


 クラス内で気軽に話せる高岡たち(根暗系)もまだ来ていないので、俺は自席でスマートフォンを触りながら時間を潰す。

 俺が教室に入ってから、5分位で二村さんが教室に入って来た!


 目線が有ったクラスメイトたちに、二村さんは陽気な笑顔で朝の挨拶をしている。

 俺は直ぐに席を立ち、二村さんに笑顔で声を掛けに行く!


「二村さん。おはよう!!」


「……おはよう」


 だが、二村さんは俺に、澄ました表情と素っ気ない口調で言う!

 さっきのクラスメイトたちとは大違いだ!?

 だが、俺はひるまずに笑顔で言葉を続ける。


「二村さん!」

「昨夜、Rail送ったんだけど……二村さん気付かなかった…?」


「……」


 俺はそう言ったのに、二村さんは何故か無視をしてくれる?

 自席に居る二村さんは黙々と、カバンから教科書類を取り出している。

 俺は状況が不味いなと感じつつ、落ち着いた口調で二村さんに再度声掛けをする。


「二村さん……。聞いている…?」


「……私より、亜紀と仲良くすれば?」

「その方が、お似合いだよ…」


 二村さんは澄ました表情と冷めた口調で俺に言うと、カバンを乱雑に机へ置いて、俺から逃げるように教室から出て行ってしまった!?


(……凄く、根に持たれているな…!)

(これは、完全にゲームセットか!!)


 俺の失言は、想像以上の大被害をもたらしていた。

 これでは二村さんとの関係修復は、絶望的かも知れない。


 けど、俺と二村さんはまだ、正式な恋人関係では無い。

 お互い好意は示したが、一方的に“焼きもち”を焼かれてもこっちが困る。(汗)

 まだ、その状態だから、俺が伊藤さんと二人きりの勉強会をしても、本来は問題は無いはずだ!


 でも、二村さんはそれが気に入らないらしく、怒ってしまった。

 それプラス。俺が二村さんの過去を、伊藤さん経由で知ってしまった事も含まれていると思うが……


(これはまた、伊藤さんを頼らないと行けないな!)

(一人では完全に無理ゲーだ!!)


 俺のクラス内で、二村さんと仲が良い女子が居るなら、その女子に頼る道も有るが、これが居るようで居ない。

 伊藤さんが言っていた通り、二村さんとこのクラスの女子たちは、表面上の付き合いしかしていない。


 別にクラスメイト何だから、それで問題は無いが、それを親友とは言えない。

 俺にも悪い部分も有るが、俺だって知る気で二村さんの過去を知った訳では無いし、二村さんを当て馬にするつもりで、伊藤さんに逢いには行っていない。


(どうして、二村さんはその辺が分からないのだろうか?)

(まさかと思うが、俺が伊藤さんに興味が有るのを見抜かれていたか…!?)


 下手な謝り方をすれば、却って状況が悪化するだけだし、時間での解決も……其処までの時間を許してはくれないだろう。

 松田や中田がこれを察知して、一気に攻勢を仕掛ける可能性も有る!!


(無いとは言い切れないのが厄介だ!)

(関係を修復させるなら、早急に行わないと!!)


(今日の昼休憩時…。再度、伊藤さんに接触して見るか…!)

(これは、俺一人の力では絶対に無理だ…)


 俺一人での、二村さん関係修復は断念して、再び伊藤さんに頼ってみることを決める。

 俺に同級生の女性親友は、伊藤さんしかいない。

 伊藤さんも嫌がるかも知れないが、これしか道と方法が無かった。


 ……


 午前中の授業が過ぎていく……

 授業と授業合間の休憩時間。


 今日も、松田が二村さんに“ちょっかい”を掛けているが、昨日と比べて二村さんは、松田と仲良く会話を楽しんでいる感じがした!?

 俺と会話をしているような笑顔が、二村さんから度々出ていた!!


(俺が余計な事を言ってしまった所為で、二村さんが松田を意識し始めたな…)


 二村さんが俺を見限って、本当に松田や中田と関係を深めるかは分からないが、今の状況で俺は動きようが無い。


 それをしたら、俺は松田と対立してしまうからだ!

 岡谷君も、俺に後方支援はしないと宣言されているので、俺一人でこの対立問題を解決は出来ない。


 松田の後ろには、キッドや信濃たちの仲間が居るからだ。

 男の世界は、何だかんだで最後は力や暴力で有る。

 力が強いおすが、優秀なめすを手にするので有る……

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