第41話 妹の作戦 その3
「……ふ~ん。後は小鞠ちゃん次第か……」
「でも、兄ちゃんは優しいしか、本当に取り柄が無いからな…」
虹心は『ふ~ん』の後、小声で何かを言ったが聞き取れなかった。
その後も雑談を続けて、小鞠ちゃんの家に到着する。
『ピンポーン♪』
虹心は小鞠ちゃんの
「はい!」
「こんにちは、兄さん。虹心ちゃん!」
「直ぐに向かいますね!!」
「小鞠ちゃん! こんにちは!!」
「待ってるよ!!」
虹心は慣れた感じで、インターホーン越しに陽気な声で話している。
話しをを終えた虹心に、俺は話し掛ける。
「虹心。小鞠ちゃんの家、凄いね!」
「カメラ付きインターホンだよ!!」
俺が虹心に少しはしゃぎ声で言うと、虹心は小馬鹿にした口調で言ってくる。
「……兄ちゃんは、何時の時代の人?」
「兄ちゃんの時の流れは、数年前で止まったままなの??」
「えっ!?」
「小鞠ちゃんの家が、流行の先端なんだろ!?」
「俺の家や親友の家なんか、こんなの付いて無いよ!!」
俺は虹心に驚きながら言う。
「それは……兄ちゃんの友達の家がそうで有って、私の友達の家でも、カメラ付きインターホンが付いて居る家は多いよ!!」
虹心は穏やかな表情で言う。
「はっ!?」
「俺と虹心。二歳しか年が違わないのに、何でそんなに変わってくるの!?」
俺が少し強めの口調で言うと、虹心も少し怒った表情で言い始める。
「そんなの私に聞かれても、分かんないよ!!」
「けど、兄ちゃんの付き合っている友達のレベルと、私の付き合っている友達のレベルが違うかも知れないね…?」
「俺の場合は……貧○系が多くて、虹心の場合は金○ち系の親友が多いこと!?」
俺がそう言うと、虹心は表情を険しくさせながら言う!!
「兄ちゃん……今の時代は、そう言うことはタブー!」
「謎の組織の手によって、この作品がある日いきなり消されるよ!!」
「……すまん、虹心」
「これ以上は言わない方が良いな…///」
俺は虹心に謝ると、虹心も困った表情で言う。
「そうしてよ…」
「フィクションでも、フィクションと捉えない人も多いのだから!」
俺と虹心はその話は止めて、無言でしばらく待っていると……
「お待たせしました~~♪」
玄関から、元気な声で小鞠ちゃんが出て来たが……、この前有った時と殆ど変わらない格好で有った。
虹心と同じ様に小鞠ちゃんも、普段着でプリンモールに行くようだ。
「じゃあ、行こうか小鞠ちゃん!」
「はい!」
「では、よろしくお願いします!」
「兄さん、小鞠ちゃん!!」
虹心が陽気な声で声を掛けると、小鞠ちゃんは嬉しそうに俺と虹心に向けて“ぺこり”と頭を下げる。
本当に妹にしたいぐらいだ!!
今日の小鞠ちゃんの格好は、白系サマーセーターの上に、桃色系ワンピース風の服を着て、靴下は虹心と同じ様にオーバーニーソックスで有った。
俺たち三人は、虹心の考え出した作戦を実行するためにプリンモールへ向かった!
ここ(小鞠ちゃん宅)からプリンモールに行くには、最寄り駅まで徒歩で向かい、駅からプリンモール直通バスが出ているのでバスで向かう。
直通バス以外に路線バス等も有るが、俺たちの場合は駅からの直通バスの方が便利で有った。
俺たち三人で、最終打ち合わせをしながらプリンモールに向かった!
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