第34話 俺をモテさせる方法!? その4

 俺が少し不満そうな表情をしていると、虹心が俺に向けて穏やかな表情で話し始める。


「兄ちゃんが不満そうなのも分かるけど、その日は確かお母さんやお兄ちゃんも、夜は家に居るからね!」

「週末だし、その夜は家族の団らんを過ごさなくては!!」


「まぁ……そうだが!」


 俺は諦めた口調で、虹心に返事をする。

 虹心は、母さんや兄の勤務予定を把握している。

 母さんや兄の勤務シフト表は、冷蔵庫の扉に貼り付けて有るが、俺は“まじまじ”と見た事は無い。


 人の予定なんか見ても、人の予定で有る。

 だが、虹心はそれを見る。

 虹心はそれだけ、母さんや兄が好きなんだろう。


「その晩はどうしようか、小鞠ちゃん?」

「私と小鞠ちゃんのお疲れ会も兼ねたいし、泊まって行かない?」


「良いの! 虹心ちゃん!!」

「じゃあ……その日は、虹心ちゃんの家で夜を過ごそうかな!!」


 俺の作戦ついでに、虹心は笑顔で小鞠ちゃんお泊まり会に誘い、小鞠ちゃんも微笑みながら虹心の誘いを受け入れる。

 これで、粗方の話しは終わっただろう……


(折角……二人が俺のことを“兄”でも好いてくれて居るなら、少しばかりは楽しんでも良いよな…///)


 兄妹愛の延長だったが、俺は虹心とキスを交わした。

 それに俺を、虹心は押し倒そうとした。

 だが、今の虹心は心の繋がりを求めているだけで有る。


 小鞠ちゃんも俺を兄として見ているのだから、小鞠ちゃんとも兄妹(風)の、禁断の愛を楽しんでも良いはずだ?

 明日は平日だから小鞠ちゃんは泊まって行けないし、晩ご飯を食べていく話も聞いてない。


 三人で居られる時間も、後少しで有る。

 俺は……虹心と小鞠ちゃんとの、男女の触れ合いを急激に求めていた!!


 今ここで俺は、動かなければ行けない感じがした。

 俺は虹心と小鞠ちゃんに向けて、お願いをするように言い始める。


「ねぇ、虹心。小鞠ちゃん!」


「なに、兄ちゃん?」


「兄さん、どうしましたか?」


 虹心と小鞠ちゃんは、澄ました表情で返事をする。

 俺は少し早口に成りながら、虹心と小鞠ちゃんに向けて誘惑の言葉を言う?


「虹心は兄妹でも、俺には好意が有るのだよな?///」


「小鞠ちゃんも、俺のことは兄さんとして好きなんだよね!?」


「……兄ちゃん、急にどうしたの?」

「もしかして……私たちのこと求めているの??」


 虹心は困ったジト目表情に成って、尋ねるように聞いてきた。

 勘の良い虹心は、俺の考えを見抜いていた!!


「兄さんとしては好きですが…、それ以上のことを私は望んでいません///」

「けど、どうしてもと言うのでしたら…//////」


 小鞠ちゃんは、恥ずかしそうな表情で断りの言葉を言っているが、興味が有る素振りを見せる。


「虹心。小鞠ちゃん!!//////」

「少しでも良いから、俺とエッチなこと……いっ、いや…では無く、今後の為にも少し練習をしないか!//////」


「ほっ、ほら、さっき虹心が言っていた、両手に花の練習をしよう!//////」

「虹心のベッドを、少し使わせて貰って!!//////」


「はぁ~~~」


「!!/////////」


 虹心嫌みかと言うほど、大きなため息をついて、小鞠ちゃんは顔を赤くしたまま固まっている!


「遂に兄ちゃんは……私たちに手を出す、決断をしてしまいましたか!///」


 虹心は呆れながらの表情と口調で言うが、困った笑顔に変わり、口調も優しく成って言葉を続ける。


「けど、私も昨日……兄ちゃんを、焚き付けてしまったからね!///」

「兄ちゃんは異性に対する免疫が全く無いはずだから、妹がフォローする必要性も有りそうだね///」


 俺のお願いを、虹心が受け入れてくれる!!

 兄妹でもキスをしてしまったら、躊躇ためらいは感じても、次の事は自然と本能が求めるよな。

 俺や虹心も、新しい命を作ることが出来る年齢なのだから//////


 虹心は受け入れてくれたが、小鞠ちゃんはどうだろうか?

 俺の誘いを受けてくれるのだろうか??

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