第9話 小鞠と交流を深める

「……美味しいから仕方ないだろう。虹心!」

「夜食に食うカップ麺は最高なんだよ!!」


 俺は虹心に、少し強めの口調で言う。

 虹心もカップ麺を食べるが、俺ほど好きで無さそうだし、虹心の場合はまだ若いのもう健康に気遣っていた!?


「はい、はい…。塩分過多で死ぬ時は、家で無く外で死んでね!!」

「その方が色々と楽だから!!」


「!!」


 虹心は呆れ口調で言っているが、俺はこれでも兄だぞ。虹心!!

 今日の虹心は、何時もより毒舌が強力すぎる!!!

 小鞠ちゃんが俺に気が有ったことが、そんなに不満か虹心!?


「……」


 虹心の暴言に対して母親は、俺と虹心の方に顔を向けるが言葉を出す事は無く、直ぐにまな板の方に顔を戻す。

 母親は暴言の注意を虹心にしない。母親もそう感じているの!?


 これ以上言っても泥沼に成るだけなので、俺はコンビニのレジ袋を持って、怒りを押し殺しながら自室に戻る。

 あの後、虹心が追加の悪口を言っていたら、俺はぶち切れていたかも知れない……

 だが、賢い虹心はそれ以上の発言をしなかった。


 部屋に戻りカップ麺を、カップ麺専用プラケースの中にしまう。

 俺は成長期(!?)だから時々、寝る前に小腹が空く時も有る。

 その時に食べたり、休日の昼食時に食べる事も有る。


 我が家の休日時の昼食は、基本各自取る事に成っている。

 母親、虹心の負担軽減のためで有る。


(虹心のことは……まぁ、ひとまず置いておいて)

(晩ご飯と入浴を終えた後に、小鞠ちゃんに連絡を入れてみよう!)

(小鞠ちゃんも、きっと心待ちにしているだろう!?)


 小鞠ちゃんを思いながら、先ほどのことはとっと忘れて、俺は晩ご飯までの時間を適当に潰すことにした。


 ☆


 母親・俺・虹心の三人で晩ご飯を食べた後は、お風呂に入ってから自室に戻る。

 兄の食事は用意されているから、兄は本当に残業なんだろう。

 そんな話しはどうでも良いか!


 いよいよ、小鞠ちゃんと初連絡を取る時間で有る!!

 俺はスマートフォンを手に持つが……


(…電話かRail、どちらでしようかな?)

(初めの内は、Railの方が絶対気楽だよな!!)


 小鞠ちゃん初連絡はRailでする事に決め、Railアプリを立ち上げ、小鞠ちゃんを選択してメッセージを打ち始める……


『こんばんは★小鞠ちゃん!』

『連絡交換、ありがとう(*^o^*)』


 俺は絵文字を駆使して、メッセージを打ち込んでいく。

 絵文字を入れた方が、リア充力が高いと思っているからだ!?


(挨拶文はこれ良いだろう!)


『送信』ボタンをタップして、初Railメッセージを小鞠ちゃんに送る。

 俺はしばらくスマートフォンの画面を見ているが、“既読”の表示は直ぐは付かない……


(小鞠ちゃん……親友が多そうな感じに見えないから、常にスマートフォンを側に置いていないかも知れないな…)


 俺にも学園の親友は居るが、その親友たちと毎日メッセージの遣り取りはしない。

 それに俺の親友は女子のように、会話での繋がりを深めては居ない。硬派連中ばかりだからだ!?

 俺はメッセージのことは諦めて、スマートフォンアプリのパズルゲームをプレイし始めていると……


『ピロン♪』


『武蔵さん、こんばんは(*^▽^*)』

『連絡、嬉しいです❤』


 スマートフォンの画面上に、小鞠ちゃんからのメッセージが表示された。


「やった! 小鞠ちゃんから来た~~♪」


 俺は直ぐにパズルゲームを中断して、小鞠ちゃんに次のメッセージを送る!


『俺も、小鞠ちゃんとRailが出来て嬉しいよ♪』

『早速、聞きたいことが有るのだけど、小鞠ちゃんは何か趣味は有るの?』


 俺はさっき連絡先を交換した時に、小鞠ちゃんの趣味を聞き損ねたため、この場で聞いて見る事にする。

 俺が先ほどのメッセージを送信すると、数分後に小鞠ちゃんからの返信が返ってくる。


『私の趣味ですか?』

『私の趣味は、お花を育てる事です✿』

『家の庭のお花管理は、私がしているのですよ♪』


 小鞠ちゃんから意外なメッセージが返ってきた。


(小鞠ちゃん……ガーデニングが趣味なのか!)

(まだ……学園生なのに渋いな…)


 俺は心の中で呟きながら、次のメッセージを打ち込み始めた……

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