第1章 妹の幼なじみ
第2話 落ちこぼれ
……
『ピピピピ~~~♪』
「んっ……」
『ピッ…♪』
俺は寝ぼけ眼で、目覚まし時計を止める。
今の時刻は朝の6時55分…。今日は平日で学園が有る日だ。
まだ、眠たいが起きなければ成らない。
「ふぁ~~~」
「まだ、少し眠たいな…」
「でも、二度寝したら……誰も起こしてくれないし…」
俺は嫌々ベッドから起き上がり、洗面所に行って顔を洗う。
顔を洗って、その時に鏡で表情を見るが、今日もイケメン顔で有る!←俺の中では!!
俺は顔の運動も兼ねて色々な、顔の表情をさせていると……
「……きもッ!」
「!!」
吐き捨てる口調を言う方向に、俺は顔を向けると、妹の虹心がほぼ真後ろに立って居た。
虹心の姿は既に学園制服姿で有り、身だしなみのチェックに来たのだろう。
「兄ちゃん……顔洗い終わったのでしょ!?」
「……早く、変わってよ!」
虹心は睨むように不機嫌そうな口調で言う。
俺にはこんな言葉を使う虹心だが、兄の
却って猫なで声で兄の名前を呼ぶ!?
そっちの方が“キモい”のですけど!!
「何……ジッとしているのよ…!」
「早くどいてよ!!」
虹心は再び、怒りを含ませた不満声で言うので、俺は無言で洗面台から離れる。
つい最近までは、こんな関係では無かったのに……どうして、こう成ってしまったのだろう。
俺は洗面所から台所に行くと、台所のテーブルには朝食の用意がされていた。
定番のご飯と味噌汁と漬物。今朝の朝食は母親が作った感じだ。
テーブル上にはもう、俺の食事しか残っていないので、兄や虹心は朝食を終えたのだろう……
俺は朝食時、特に母親と話すこと無く食べ終えて自室に戻り、学園制服に着替えて学園に向かう。
今日も面白いことが起きない、学園生活の一日が始まる。
……
…
・
学園の1日は、本当に良い事や悪い事も起きずに過ぎて行く。
時間に成ったら授業を受けて、昼食の時間には購買に行って、パンを買って一人で食べて、終業チャイムが鳴ったら、寄り道をしたがる親友は俺には居ないので、途中までは親友と一緒に帰るが、その後は一人で自宅に戻る。
ちなみに自宅から学園までは徒歩通学で有る。
有る一定以上の通学距離に成ると自転車通学が出来るが、俺と虹心の場合はその距離で無いため徒歩通学で有る。
虹心が俺と同じ学園に入園してから、かなりの時が経っているが、一緒に通学することは殆ど無いし、ここ最近は全く無く成ってしまった。
俺は虹心に嫌われる事をした覚えが無いが、有る時期から一気に距離を開けられた!?
何度かその理由を虹心に聞いたが、虹心が理由を話す事は無かった。
(学園内もパッとせず、家でも居心地が良いとは言えない…)
母親も仕事をしているし、母親も自分の趣味が有るため、俺たち兄妹に干渉してくることは殆ど無い。
兄の航平と虹心は、趣味や考え方が良く似ている気がするが、俺は少し思考が違うようだ。
その為、兄妹の関係も良好とは言いにくかった。
(俺って、普通の人間だとずっと思っていたが、実は落ちこぼれだったのかな…?)
俺自身でも認めたくは無いが、学園・自宅でも俺を頼ったり、好意を持ってくれている人は居ない。
母親ですら俺に対して、余り関心を示さなく成ってしまった。
兄や虹心には気を掛けるが、俺は空気扱いされている時が多く成って来ている。
『此処で、焦っては行けない!』と、俺は自分に言い聞かせて自宅に戻った。
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