45. 技術革新要素

 世界はいくつもの技術革新を経て豊かになってきた。

 このページでは、そのような要素をダイジェストで紹介する。

 順番は地球で出現したものとは前後する可能性があるのでご注意いただきたい。


 異世界では神が実在したりするため、サルから進化したりせず、人間として初めから存在して、文化もある程度天使などから受け継いでいる可能性もある。

 また魔法・魔術的な技術が存在すると、それに特定の技術が使われて発展したり、地球では存在する技術の発展を阻害したりする。


◆言語の始まり

 サルから進化したとして、人間はいつから言語を使用したかは定かではない。

 しかし文字がなくても文化はあったので、それなりの言葉を太古から話していたのは間違いないだろう。

 文字まではいかなくても、特定の記号などを古代の壁画などに見ることができる。


◆原始時代・狩猟生活・石器時代

 はるか昔、原始時代は狩りと採取により生活をしていた。

 この時代の最初の発明品は「火おこし」そして「槍」だろう。

 火おこしは、火打石によるものではなく、木の棒を回転させたりして摩擦熱を利用したものが利用された。

 槍は木の棒を単にとがらせたものか、先端に黒曜石などの矢じりのようなものを装着している。

 「弓矢」の原型もかなり古くから使用されていたらしい。

 細長い石を木の棒に巻き付けたハンマーのようなものも使われただろう。

 テントや洞窟で生活して、移動生活をしていたとされる。

 一部の鉱石を使った宝石の装飾品をはじめ、麻の織物や土器などの食器も古くから使用される。

 太さは粗目だが、縫い針や糸もあったようだ。


◆暦

 星の中から、主要なものを選び「星座」としていた。

 古代から一年で、星座が一周することに気がついていて、祭事などが行われていた。

 月の動きにより1月がだいたい決まっていた。

 太陽の位置も一年で元に戻るのが知られている。


◆火打石

 火打石は硬い石と鉄を含む石をぶつけて、火の粉を出し、それを糸くずのような火が付きやすい素材の火口(ほくち)に着火する方法で、ヨーロッパでは1万年以上前から使用されたらしい。

 魔法の着火魔法があれば、別段必要はないものの、魔法が使えない人がいるのなら、異世界の現代になっても使用されるだろう。


◆牧畜民族

 狩猟生活からかわり人が動物を管理してそれを食生活に利用する文化が発生した。

 狭い土地で飼うというよりは、放牧民など移動生活や広い範囲でえさを食べさせるような生活をするようになった。

 「畜産」の始まりと言えるだろう。


◆農耕民族

 「稲作」や「畑」など「農業」を始める。

 自分たちで食べ物を生産できるようになり、飛躍的に食生活がよくなった。

 定住が主流になり、そのため「家」そして「食糧倉庫」いわゆる高床式倉庫を建てたりしている。

 家は木造で屋根はわらぶきのようなものが主流だ。


◆銅の発見・銅器

 銅鉱石の発見により「銅」による剣やホコなどを生産できるようになる。

 金属の錬成は武器の威力が向上して、生活が豊かになるといわれる。

 金なども割合古くから装飾品や祭事に使用されているようだ。


◆青銅の発見・青銅器

 鉄器、銅器とよび「青銅器」という。

 銅に「錫(すず)」を混ぜることにより、銅よりも硬い「青銅」を作る技術ができた。

 金属製の武器を使用した人間同士の戦いが起きると、強い武器を使えるほうが有利である。


◆車輪

 輪っか状のものを装着して地面の抵抗を減らす技術も、重要事項だ。

 車輪がないと神輿(みこし)のように担いで移動する文化が発展したりする。

 車輪でなくても、重量物を移動するのに使う木の棒「コロ」もあったりする。


◆ガラス

 天然ガラスの利用から始まり、原料などにいくつかの種類がある。

 かなり古くから使用されているが、ビーズなどが主で、安い窓ガラスになるのは比較的近年のことだ。

 中世ぐらいまでは教会のステンドグラスなどに限定されていた。


◆鉄器

 鉄は青銅よりも硬く強い武器になる。

 鉄器を作る技術は、大陸では一部の国などで先にもっていたとされ、ほかの民族から恐れられた。


◆文字の発明

 文字が広く使われるようになる。

 葉っぱに書く「パピルス」、薄い木の板に書く「木簡」などが使われる。

 動物の毛皮に書くこともあるだろう。


◆お金の発明

 石のお金、青銅のお金など硬貨が発明される。

 日本では銅貨は銅銭とよばれていた。庶民が大量に使用するものでお財布はなく、紐で腰に吊るして持ち歩くので、穴が開いているのが特徴だ。

 金貨や小判などは、商人やそれ以上の身分の高い人が使用するもので、庶民のものではないだろう。


◆コンクリートの発明

 コンクリートそのものの歴史はかなり古く、ローマ時代の建物が残っている。


◆羊皮紙の発明

 毛皮を発展させて、文字を書くことを主目的にしたものを「羊皮紙」という。

 薬品や皮のなめし作業が必要で、その技術は中世ではギルドの秘密とされたようだ。


◆文房具の発明

 「筆」「墨」「インク」「ペン」などが古くから使われている。

 構造は簡単なので、発明さえされれば技術的な問題は少ないように思う。


◆紙の発明

 木の繊維を水で伸ばし、薄い紙を作ることができるようになる。

 木の繊維がバラバラで長期保存が苦手な「洋紙」と、木の繊維が長めで丈夫な「和紙」がある。


◆木版印刷

 ページごとに版木を作り印刷するのが木版印刷という。

 日本の浮世絵などが有名だ。


◆活版印刷

 1文字ごとに版木を作りそれを組み合わせてページを組んで印刷するのが活版印刷だ。

 木版印刷とは異なり文章ごとにいちいち木を彫る必要がなく、コストが下がるとされる。

 もちろん挿絵や広告などは文字ではないので、そのページだけ版木を作ることになる。

 木版印刷が画像の印刷なら、活版印刷はテキストファイルの印刷に相当する。


◆火薬の発明

 黒色火薬の生成などが発見され、利用されるようになる。

 最初は筒に火薬と鉄の破片を入れてつかう「てつはう」などがある。

 鉄の弾丸を飛ばす「鉄砲」になり「火縄銃」「マスケット銃」「リボルバー」のように進化していく。


◆病気との闘い

 「ワクチン」により「天然痘」を撲滅した。

 他にも黒死病と言われる「ペスト」などが中世では大流行した。

 現代でも「エイズ」「インフルエンザ」などの世界的な流行がある。

 「結核」「コレラ」「赤痢」「梅毒」なども、ひと昔までは危険が高かった。


◆チェインメイル

 時代により、動きやすさや体に合わせやすいなどの理由で、チェーンの塊であるチェインメイルが普及した。


◆プレートアーマー

 防御力が高い全身鎧の鉄製のフルプレートアーマーなどが登場した。

 体に合わせる必要があり、非常に高価らしい。


◆ハーフアーマー

 銃などの火器の普及により、プレートアーマーを貫通してしまうようになった。

 そのため胸などの部分のみを厚い金属で覆うタイプのアーマーが普及する。


◆紙幣の発行

 高価なお金に金属ではなく紙を使用するようになる。

 最初は偽物も多かったようだ。

 現代では紙は複雑にしたりして偽造を防ぐのが主流になった。

 これは国がお金の価値を保証しているからであり、異世界でも強力な国や冒険者ギルドがあれば可能かもしれない。


◆蒸気機関・大量生産

 蒸気機関の発明により、動力が生まれ、工場による大量生産が可能になる。

 また蒸気機関車により鉄道が発明され長距離移動が簡単になる。

 それまでは「家内制手工業」とよばれる、家族単位での専門職や農家の空き時間による手作業が主流だった。

 移動も「馬車」のみから大幅に変わるだろう。もちろん「転移」があるのなら別である。

 地球の蒸気機関は「石炭」によるものだった。


◆新聞の普及

 新聞が発行されるようになる。

 情報の広範囲の伝達、ニュースの共有、広告業などが盛んになる。


◆石油・天然ガス・エンジン・自動車

 石炭に代わり、石油・天然ガスによるエンジンが開発される。

 石炭くべをする必要がなく、煙も少なく使い勝手がいい。

 馬車に代わり、ガソリン・ガス自動車が普及する。


◆電気の普及

 発電機、電線、モーター、ライト・電球、電熱線などにより、動力と明かりと暖房が提供されるようになる。

 さらに電信などで、長距離の素早い通信が一部で可能になる。


◆ラジオの発明

 国内の言語の統一、方言ではなく共通語の普及が進み、ニュースなどがより身近になる。


◆飛行機の発明

 小型飛行機に発達により戦争の仕方、特に海上戦闘に影響を与えた。


◆原子爆弾

 原子爆弾の開発により、大量破壊兵器・核戦争の脅威が生まれ、戦争の一部での抑止効果などが生まれる。


◆大型飛行機による移動・空輸

 大型飛行機が完成したことにより、空で移動することが可能になり、長距離を短時間で移動できるようになった。

 料金は高めだが、物を空輸することもできるようになる。


◆家電の普及

 「冷蔵庫」「洗濯機」「クーラー」などが登場する。

 遅れて「電子レンジ」が登場した。

 日本では「炊飯器」なども重要な家電になっている。


◆テレビの普及

 ラジオ同様に、メディアの発展が進む。

 映像の共有化により、教育などの分野でも影響を与える。


◆電子計算機

 電子計算機すなわちコンピューターにより、電子記録、電子処理などが普及し、IT革命、インターネットの普及などで、情報の伝達が素早く行えるようになる。



◆基礎魔法

 基礎魔法が確立される。


◆魔道具

 魔法陣を道具に刻むなどして、魔道具が開発される。


◆魔法付与物

 魔法をものに付与する技術がある。

 魔道具との境はあいまいだが、魔法陣や魔石などがなく、効果だけ現れることが多い。


◆詠唱の普及

 魔法の発動方法として、特定の詠唱が必要とされたりする。

 しかし技術的に必要なのではなく、文化的に必要だとされていて、主人公は無詠唱が可能というのがある。


◆高等魔術の開発

 偉大な魔術師などが現れて、高度な魔術が使われる。

 技術が定着する場合もあれば、すぐに途絶えたり、禁術に指定されるケースもある。


◆生活魔法の普及

 簡単な魔法は、だれでも使えるくらい普及する。

 その世界では元からなのか、誰かが簡単にした結果普及するものに分かれる。


◆ポーションの開発

 一般的に普及しているポーションが開発される。

 のちにどこの町の薬屋でも取り扱う程度には普及する。


◆錬金術の成立

 基礎的な錬金術などが確立する。

 多くの人の英知によるものだったり、偉大な一人による成果だったりする。

 ホムンクルスやエリクサーなど、強力なものもある。


◆魔法銀ミスリル

 地球ではない金属の精錬方法などが確立する。


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