43. 神話
ハンバーグ(ドイツ、ハンブルク由来)、腸詰肉フランクフルト(ドイツの都市由来)、人名アーサー(イギリスの伝説由来)、人名マイケル(天使ミカエル由来)など、現実の地名・聖人由来の物、名前などはかなりある。そのような記述をどこまで異世界で避けるかについては、作者ごとに線引きの位置がことなるだろう。
そのなかでも神話については、特に異世界・ファンタジー世界風VRMMOでは現実とは異なる世界の成り立ち、神々が存在しているだろうと考えられ、避けられる傾向が強い。
名前だけ借用したり、現実の神話の神々が皆登場するような作品もある。
作者ごとに、オリジナルの神話を作ってみるのもいいだろう。神話は魔法の属性や各種スキル、神殿、宗教などに深くかかわってくるので、直接本編とは関係なくても、設定の下地として、割と必要になってくる。
たとえば、神様の誕生日を祝う日でお祭りがあったり復活祭などで登場する。
ファンタジーのモンスター、神獣、武器名は神話由来の物も多く存在する。ほかのものも伝承などの由来が多数を占めるので、それを地球の神話由来だから使用しないというは若干きついことになる。
古めのヨーロッパ語族では、男性名詞、女性名詞のようにあらゆるものが男女に分けられている。神々も、男性、女性とだいたい設定されていて、誰と誰の子のような関係もある。
◆現実の神話・伝説類
有名どころの、よく出てくる単語を列挙する。
旧約聖書由来のもの、アダム、イブ、楽園、エデン、知恵の実、禁断の果実、バベルの塔、ノアの箱舟、カインとアベル、モーセ、十戒、ダビデ王、ソロモン王、ベヒモス、リヴァイアサンなど。
新約聖書由来のもの、マリア、イエス・キリスト、最後の晩餐、十字架、ロンギヌスの槍、使徒など。
古事記、日本書紀などに由来のもの、アマテラス、スサノオ、イザナギ、イザナミ、アメノウズメ、ヤマタノオロチ、草薙の剣、勾玉、鏡、三種の神器、天岩戸(あまのいわと)、高天原(たかまがはら)、黄泉(よみ)、因幡の白兎、八咫烏(やたがらす)、天狗、九尾の狐など。
北欧神話由来のもの、トール、オーディン、フレイ、スレイプニル、フェンリル、ミョルニル、ヴァルハラ、ヴァルキリー、ラグナロク、アースガルズ、ヨトゥンヘイム等の世界、世界樹ユグドラシル、ルーン文字など。
ギリシャ神話由来のもの、カオス、オリンポス十二神、ゼウス、ヘラ、アテネ、アテナ、アポロン、アプロディテ、アレス、アルテミス、ヘファイストス、ヘルメス、ポセイドン、ヘスティア、ハデス、クロノス、ティターン、ニンフ、メデューサ、ハーピー、ガイア、サイクロプス、ケルベロス、ヒュドラ、キメラ、ラミア、セイレーン、グリフォン、ペガサス、パンドラ、プロメテウス、ミノタウロス、ケンタウロス、アルテミス、セレーネ、トロイの木馬、アキレス腱、ヘラクレス、イージスの盾など。
ローマ神話由来のもの、ジュピター、ジュノー、ミネルバ、アポロ、マーズ、ヴィーナス、マーキュリー、ネプチューン、ケレス、バルカン、ベスタ、ルナなど。
その他インドなどから、ソーマ、アムリタ、バハムート、ジズなど。
エジプト関連からナイル、ピラミッド、スフィンクス、ヒエログリフ、ロゼッタ・ストーン、ファラオ、ツタンカーメン、クフ、ラムセス、クレオパトラなど。
神話ではないが、いくつかの話も、よく題材として利用されている。
アーサー王伝説から、アーサー王、円卓の騎士、魔術師マーリン、ランスロット、ガウェイン、パーシヴァル、ガラハド、ボールス、ケイ、ベディヴィア、モルドレッド、トリスタン、エクスカリバー、グィネヴィア、ヴィヴィアン、マビノギオンなど。
不思議の国のアリスから、アリス・リデル、チェシャ猫、ハートの女王、トランプ兵、白ウサギ、三月ウサギ、帽子屋、ハンプティ・ダンプティ、お茶会、チェス、大きくなる薬、小さくなる薬など。
指輪物語から、ミスリル、エルフ、ドワーフ、オーク、ホビット、ゴブリン、トロール、エントなど。
西遊記、ジャックと豆の木、ウサギとカメ、アリとキリギリス、北風と太陽、すっぱいブドウ、三匹の子ブタ、赤ずきんちゃん、ロミオとジュリエット、浦島太郎、桃太郎、竹取物語、一寸法師、金太郎などもネタ元としてたまに使用される。
◆クトゥルフ神話
クトゥルフ神話の原作は、かなり古くバプリックドメインになっているため、小説家になろうでも書くことができるとされている。
一方、派生作品で設定されたものの多くは、その著作権が切れていないものもある。なろうでは特別に厳しく規制しているわけではないが、その取扱いは注意を要する。
また「クトゥルフ神話TRPG」は現代の商品であり、その著作権を販売元が所有していて、小説家になろうではそれのTRPGリプレイなどを書くことができない点にも注意が必要とされる。
なろうでは過去、このTRPGものについて、権利者削除をされたことがあると伝聞ではあるが聞いたことがある。
基本的に、この「ファンタジー初心者用語」ではクトゥルフ神話は取り扱わない。
◆属性と月、曜日
地球では太陽系の惑星名は、神話の神または女神の名前を付けることになっている。
また日本の曜日は、属性の名前のようにも見える。
曜日は惑星の名前を使用していて、属性名=惑星名=神の名前なので、各曜日に神が割り当てられていることになる。
異世界でも、曜日、月などに、属性や曜日が割り当てられる可能性は高い。
曜日、月ごとに、その属性魔法や運勢などが強弱するという設定も面白いだろう。
太陰暦を採用するような場合、満月の日15日は、月の力が強くなり、月末は太陽の力が強くなるから回復魔法は満月が強いみたいな設定でもいいと思う。
◆神様の種類
何かを司る神様という設定が多い。何かの化身とか何かの守護者などだ。
なによりも、始まりの神様というのがだいたいいる。創生神で始祖とか全知全能とかだ。太陽神を兼ねていることもある。
時空神というものもいる。その名の通り、時間と空間を司っている。魔法でいう所のワープ、ジャンプ、バリアー、転移、帰還、結界、スロウ、時間遡りなど。
そして太陽と月の神様がいる。これは陰陽の関係にもなっていたり、光と闇、白と黒、正義と悪、聖と邪、暖と冷などの関係になっていることもある。
そして、基本属性、火水土風などを司る神様がいて、各属性を支えている。
冒険者、鍛冶、生産など職業を割り当てられていることもある。
獣、魚、植物、鉱物など資源を割り当てられていることもある。
土属性と鍛冶と鉱物を司る神様のように、それぞれの関係が近い種類をまとめて司っていることが多い。
属性などに合わせて、特定の色をパーソナルカラーにしている場合もある。
各神様には、もちろん個性もある。性別、見た目年齢、実年齢、性格、髪の毛、体型、好物、他の神との関係など設定してもいいだろう。
だいたい偉い神様は色々なものを司っている一方、下級神は特定の物事のみを対象にしている。
◆神様に貰えるもの
神様が「降臨」して神と出あうと色々な特典が貰える。姿を現す場合もあれば、声だけの場合もある。異空間に呼び出されてそこで出会うこともある。
神から与えられる装備、神器がある。
神から与えらえる称号「○○の加護」類のもの。上位に「祝福」「寵愛」など、他に恩恵とか。
神から忠告、予告などをしてもらえる神託。
神から与えらえる試練、ゲーム風にクエストといったり、神託の一部とすることもある。
神から与えらえる食べ物「神のニンジン」みたいに、神っぽい名前が付いていたりする。
ペットっぽい神獣などを貰えることもある。
◆異世界の神話と伝承
神話や伝承は長い年月のなかで、失われたり、間違って伝えられたり、禁書庫の中でしか記載がなかったりする。
また、その時代の宗教・世論により、神話をゆがめて伝えたり、真実は秘密にしたりすることもあるかもしれない。
他の伝承と混ざってしまい、区別されなくなることもあるだろう。
一部の神が実在する一方で、宗教により後で作られた話や神様がいて、それらは実在しないなどの展開もあるかもしれない。
神の存在はあやふやで、信仰そのものが神を作ることもある。
そうして新しい神が生まれる一方で、忘れられた結果、力を弱める神がいることもある。
◆邪神、邪教
敵として、よく邪神、邪教がでてくる。
邪神のみを崇拝し、他の神をすべて否定する宗教国家や邪教集団だ。
邪神を筆頭に、悪魔、魔族、魔獣などが集まっていることもある。
それらは、あやしい暗黒術などを使い、主人公たちを攻撃してくる。
既存の国の中枢に入り込んで暗躍したり、ダンジョンで待ち構えていたり、色々な方法で世界征服を企んでいる。
◆聖人由来の名前
欧米では、聖人、天使などの名前を人の名前につけることがある。
特にアメリカでは黒人奴隷に聖人の名前をつけるのが推奨されたらしく、現在でも黒人に多いらしい。
日本ではそのようなことは稀だが、皇室で女性の名前に「子」をつけるところから、一般に広まったように、偉い人の名前の付け方を一般人が真似ることもある。
異世界ではどうか。NPC、現地の住人は、そういう異世界の聖人の名前を付けやすいのもあるだろう。
例えば「ヴェルシェル」という神がいるため「ヴェルーチェ」という女性名が多いとか、そういう設定も面白いかもしれない。
真名は秘密にされ、それとは別に普段呼ぶ名前がある設定も多い。
洗礼名のように、宗教によりつけられたミドルネームなどがある場合もある。
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