36. 貴族社会

 貴族社会がある。だいたいは貴族が土地を治めていて封建制だ。

 貴族は爵位を持っている。位が高いほうから、大公、公爵、侯爵、辺境伯、伯爵、子爵、男爵。公侯伯子男、あわせて五爵、五等爵という。

 他にあれば、准男爵、男爵の女性形の女男爵、女准男爵など。

 あまりナーロッパでは見かけないが王爵、帝爵、と呼ぶ場合もある。

 「上級貴族(上位貴族)」「下級貴族(下位貴族)」のように、同じ貴族と呼ばれるものでも、上下関係がはっきりしている。

 多大な功績を残したものが爵位を受けることができる。基本的に爵位は王家が授けるものだ。

 名誉爵位は一代のみで「一代貴族」「名誉貴族」という。一代貴族の爵位はイギリスでは男爵だが、なろう小説では准男爵が多かったりする。そのへんの細かい部分はリアルの国どうしでも異なることがある。

 普通の爵位は世襲で継ぐことが多いようだ。こちらは「世襲貴族」という。

 男系のみ継ぐ場合と、男女問わず子孫が継承権を持つことがある。

 また、第一夫人の子と第二夫人や妾の子では、継承権の順位が異なる。


 公爵には、PrinceとDukeがある。Princeは国王の血縁者などを指す。Dukeは諸侯であまり王家とは無関係に、位が高い人たちを指すが、日本語では一緒くたになっている。

 Prince公爵は王家の子のうち王にならない人に与えられ、すなわち継承権を放棄することを意味しているらしい。

 公爵と侯爵は、ややこしいが読みが同じだ。たまに誤字って間違っていることがあるので、要注意。

 辺境伯は、国境を接する重要地域を防衛する。辺境伯は田舎者として馬鹿にされたりするのもテンプレだけれども、地位は実は高い。また地方を事実上牛耳っているので「公国」に近い場合もある。王都周辺の諸侯よりも広大な土地を支配下に治めている。


 称号としては「騎士爵/ナイト」もある。「士爵」「勲功爵」「勲爵士」「剣爵」などとも書かれる。

 こちらはイギリスの場合、貴族には含まれない。貴族院議員でもない。フランスの騎士シュバリエは貴族であるらしい。イギリスでは准男爵も地位は貴族だが敬称や議員ではないなど貴族としての働きはないらしい。異世界ではまた違うこともあるだろう。


 土地を持っていなくて、国などの要職を勤めている貴族をナーロッパでは「法衣貴族」と呼んだりする。リアルでは「法服貴族」と呼ぶことが多いっぽい。この人たちはようするに、国家公務員といったところだ。


◆貴族一覧


 君主 ロード load

  皇爵 皇帝/女帝 エンペラー/エンプレス emperor/empress

   (カイザー[独]、カイゼル髭)

  王爵 王/女王 キング/クイーン king/queen

 王族 ロイヤル・ファミリー

  公爵 プリンス/プリンセス prince/princess (王子/王女,妃)

 領主 リージ・ロード liege load

 貴族 ノーブル noble

  大公 グランド・デューク grand duke (グランデューク)

  公爵 デューク duke

  侯爵 マーキス marquess, marquis

  辺境伯 マルグレイブ/マーグレイブ markgraf[独]/margrave[英]

  伯爵 アール earl (count/countess)

  子爵 バイカウント viscount (ヴィカウント)

  男爵/女男爵 バロン/バロネス baron/baroness

 準貴族

  準男爵/女準男爵 バロネット/バロネテス baronet/baronetess

  騎士爵 ナイト/デイム knight/dame


 earlに女性形はなく、countessが使われる。

 公侯伯子などにも英語で女性形が存在し、女公爵、女侯爵、女伯爵、女子爵という風に言い表すことができるが、少なくとも男性向けナーロッパではあまり使われていない。

 女性向け異世界恋愛では、ちょっと使われている。

 同様にデイムもナーロッパでは見かけない。

 女男爵、女準男爵は稀に見かける。

 男爵と女男爵が単なる性別を区別する単語上の違いに過ぎず、完全に同じ身分であるかについては、その世界観による。


◆各種貴族

 王侯貴族

  王家および諸侯の貴族。

 世襲貴族、永代貴族

  世襲により爵位を継ぐ貴族。

 一代貴族、名誉貴族

  名誉爵位により世襲しない一代限りの貴族。

 準貴族

  準男爵、騎士爵などの貴族に準じる爵位。

 領主貴族、在地貴族、領地貴族

  領地を持っている貴族←→法衣貴族。

 法衣貴族、宮廷貴族

  宮廷の官僚系貴族。

 王国貴族、帝国貴族、連邦貴族

  王国、帝国、連邦のそれぞれの貴族。

 上位貴族、上級貴族、上流貴族

  爵位が高い貴族。

 下位貴族、下級貴族、下流貴族

  爵位が低い貴族。

 中位貴族、中級貴族、中流貴族

  伯爵、子爵くらいの貴族。

 門閥もんばつ貴族、伝統貴族、名門貴族

  古い家柄の貴族。

 中央貴族

  王都近郊に住んでいる貴族。

 地方貴族、田舎貴族、周辺貴族

  辺境に住んでいる貴族。

 大貴族、有力貴族

  偉い貴族。

 筆頭貴族

  派閥のリーダー的貴族。

 中小貴族、小貴族

  偉くない貴族、下級貴族。

 零細貴族、弱小貴族。

  小さい貴族

 新興貴族、新貴族

  爵位を授与されて新しく興った貴族。

 貧乏貴族

  貧乏な貴族。

 独身貴族

  独身の貴族。

 没落貴族

  地位が著しく落ちた貴族。

  もしくは貴族から追放された平民。

 元貴族、旧貴族

  昔は貴族家だった人、家系。

 豚貴族

  デブとか私腹を肥やす貴族。

 馬鹿貴族

  おかわいそうに。


 直系、本家

  その家系を正式に継いでいる血筋。

 傍流ぼうりゅう、分家

  次男、三男およびそれらが存続した家系など。


◆爵位の変更

 あまり使わないけど、一応それぞれの専門用語もある。


 叙爵じょしゃく

  爵位を授ける。

 授爵じゅしゃく

  爵位を新しく授けるまたは授けられる。

  体感では授爵よりは叙爵が多く使われる。

 封爵ほうしゃく

  領地にふうじて、爵位を授けること。

 陞爵しょうしゃく、昇爵

  爵位が上がる。

  昇爵は公知「同音の漢字による書きかえ」による。

 降爵こうしゃく

  爵位が下がる。

 褫爵ちしゃく奪爵だっしゃく、失爵

  爵位を剥奪する。

 廃爵

  爵位が廃止になる。

 襲爵しゅうしゃく

  親などから継ぐ。

 無爵

  そもそもが爵位がない。


 刑が軽ければ貴族籍と領地を剥奪されても、家そのものは継続したりする。いわゆる「元貴族」で平民というものになる。

 犯罪行為などで一族郎党処刑されると家系そのものが潰されることになり「お家取り潰し」という。

 貴族の令嬢令息などが問題行動を起こした場合は、よく「貴族籍からの除籍」というものになる。以降貴族の令嬢と名乗ることを禁止される。実家に住み続けるか、家からも追放、離縁されて、どこかへ捨てられる。


◆本宅と別邸

 タウンハウス

  地方貴族の王都にある別邸のこと。

 カントリーハウス

  地方の領地にある本宅のこと。

 別荘

  避暑地、避寒地などに設置される別邸。

 領主館

  領主の館、本宅。

 領都

  領地のうち、領主の館が置かれる地方都市。

 代官

  領地を管理するため領主館に置いてくる代理。

 直轄領

  地方のうち王家などが直接治めている土地。普通は代官がいる。


 地方貴族は土地と中央政府両方に関わることがあり、王都と地方領都を往復する。

 世界観によっては、社交シーズンや冬籠りが設定されていて、決まった季節に移動する風習のある場合がある。

 新年度は春からで4月に新年の挨拶まわりやパーティーをしたりといった具合だ。冬の間は領地にいて地方行政をしつつ冬を過ごす。

 王立学園などでも、春秋の社交シーズンに授業があり、冬休み、夏休みを設定して時期を合わせるなどの工夫がされている場合もある。


◆勲章

 叙爵のほかに勲章制度があるのが普通。しかしなろう小説では叙爵ばかりで勲章はあまり見かけない。

 騎士団勲章、十字勲章、メダル授与、などがある。日本では花の名前をつけた名称をよく用いる。

 固有名詞の付いたいろいろなオリジナル勲章を作るのもいいと思う。

 昔はよく「勲一等ものだ」とか言った。

 よく左胸につける。

 副賞として金一封などをもらうこともある。

 名誉としては、楯、杯|(カップ)などをもらうこともある。


◆生活

 貴族の子供たちは政略結婚が多いとされる。子供は家庭教師をつけて個人的に勉強することが多いか、裕福な子しか入れない国立学校などに入学して勉強をする。

 魔法使いや騎士の家は、王家の近衛兵や王宮の騎士団、魔術師団に所属している。


 貴族は館に住んでいる。誕生パーティーをはじめとする各種晩餐会ばんさんかいを行うので、メイドや執事をたくさん雇っている。中には奴隷を買うことも多い。

 お風呂やシャワーは貴族の家にしかないという設定がよくある。

 館には家族の寝室の他、執務室、書斎、書庫、食堂、厨房、控室、客間・客室、貴賓室、応接室・談話室|(サロン)、パーティーホール、庭、厩、馬車置き場などがある。住み込みのメイドは付属の宿舎に住んでいたりする。

 本宅のほか王都の別邸、避暑地の別荘などを持っていることもある。

 移動用の馬車と馬を持っていることが多い。馬車は豪華なもので、家の紋章などが入っている。お忍びでの移動用には紋章が入っていない馬車も別に所有していたりする。


 貴族の収入源は、領地の税金や、貴族所有の畑でとれる作物や、事業での収入である。

 国によって貴族院のような議会がある場合がある。


 城門を優先して通過できるなど、優先権が与えられる。商売でも口利きなどで有利に立てる。


◆家具などの名前

 天蓋てんがい

  「天蓋付きのベッド」。いわゆるお姫様ベッド。

  四隅の柱と屋根部分がついていてレースなどで飾られている。

 シャンデリア

  豪華なものはガラス玉などで装飾された天井から吊るすロウソク立て。

  異世界ではロウソクではなく魔道具かもしれない。

  ロウソクの点火と消灯は長い棒を使っていた。

  ロウソクの場合は吊っている鎖の長さが釣り竿のように変えられるようになっていて、ロウソクの交換には器具を下まで降ろすようになっている。

 ロウソク立て

  ロウソクを立てる家具。テーブルなどに置いて使う。持ち手がだいたいついている。

 燭台しょくだい

  ロウソク立て。3連式などが多い。食卓のテーブルなどに置いて使う。

 ノッカー

  ドアについているノック用の金具。

 ドアベル

  ドアの上についているドアを開けたことまたは来客を知らせるためのベル。

 猫足ねこあし

  主にバスタブ、椅子、テーブルに使う。

  猫のように先が湾曲していて、横を向いていて丸くなっている脚型の装飾。

 オマル

  「御丸」。独立した移動できる便器。

  日本では古くから和式で汲み取り式のぼっとん便所があった。

  ヨーロッパでは古代ローマには水洗トイレもあったらしいが、中世ごろだと個室のトイレがほぼなくオマルだったらしい。汚物はそのまま窓から捨てられた。

  ナーロッパではほとんどトイレに関する公言がないか、あるとしたらスライムによる下水道の普及くらいとなっている。トイレがどのような方式なのかはほとんど明言されない。

  オマルであるのなら個室のトイレに移動する必要がなく部屋ですればいい。

 エクステリア

  ベンチやフェンスなど野外に置く器具のこと。

 温室

  地球での歴史はかなり古い。

  南国や暖かい地方の植物などを育てる。貴族の家の庭園によくあるやつ。

 ケーキスタンド

  お茶会で使う主に1段式のホールケーキ置きの食器をさす。2、3段式のものも含む場合がある。

 アフタヌーン・ティー・スタンド

  主に3段式のケーキスタンド。

  下から1段目にサンドイッチ、2段目にフルーツやケーキ、3段目にスコーンなどを乗せる。

 カトラリー

  ナイフ、スプーン、フォークなどの総称。

  貴族は自分たちの専用のカトラリーを持ち、外食するときも持ち歩いて使用するらしい。

  ただし日本のように個人ごとの食器ではなく家全体で共有する。

  よく毒に反応するとされる銀のカトラリーを好む。

 フィンガーボウル

  フルコースとか食べるときに出てくる手を洗うための水が入ったボウル。

  主に手掴みで直接食べる料理が出たときに使う。

  よくこの水を飲んでしまうというネタがある。

 ロータリー

  現代では十字路や駅前に多い。

  馬車は車より小回りがきかずバックとかもできないので豪邸の正面玄関前に設置されていることがよくある。

  この場合、いわゆる「車寄せ」がある。


◆夜会、晩餐会、舞踏会、パーティー

 社交界の夜の集まりは、夜会、晩餐会、パーティー、イブニングパーティー、舞踏会、ダンスパーティーなどと呼ぶ。

 貴族同士の付き合いというのも大変だ。パーティーでは爵位の位で挨拶する順番などの決まりがある。

 会場入りは位の低いものから順番に入場する。よくあるのは最後に入場するのはいつもプリンセスだ。しかし挨拶は反対に、主催者に対しては位の高い人から順番というのが普通らしい。

 出席者は「エスコート」と言って女性を男性が先導してペアで出席、入場する。若い令嬢などは父兄がエスコートすることもある。エスコートの多くは夫婦、婚約者であるが、婚約前は恋人を連れてくることもある。エスコートしてきた相手は事実上の親公認の相手とみなされる場合もある。

 貴族はその当主のみが、その地位にある。貴族の息子や令嬢は、当主よりも下の位とみなされる。侯爵の息子と、伯爵の当主ではどちらが上かなど、複雑な上下関係が存在するらしい。

 人の多いパーティーは立食形式だったりして、場合によってはダンスをする。

 フルコースが出る座って食べるパーティーもあるだろう。テーブルマナーが必須だ。

 パーティーで着る服にも気を付ける必要がある。主賓より豪華や目立つ服装は好まれないが、質素すぎるのも良くないのである程度華やかな格好をする。

 男性はスーツ系、女性はイブニングドレスなどを着る。

 ドレスやスーツのフォーマルな服装を必須とする制度をドレスコードという。

 礼装、礼服といい、スーツの他、タキシード・燕尾服、昼間ならモーニングコートなどを着る。

 社交界に最初に出る舞踏会のことを「デビュタント」という。「デビュー」の関連語だ。

 デビュタント以降、結婚の対象とみなされる。舞踏会は社交界、政治的側面の他に、婚活パーティー的な性質を持っている。


◆お茶会、サロン、ティーパーティー

 昼間にするものを主に「お茶会」と称する。

 女性のみの集まりであることも多いが、男性が参加することもある。

 噂好きの貴族の令嬢たちやマダムたちが集まる。

 女性のお茶会による「裏の政治」の舞台でもある。

 夜会が比較的大規模であるのに対して、お茶会は小規模だと思われる。

 談話室サロンでやる場合と、貴族の邸宅の庭で開かれるガーデンパーティーの場合もある。

 お茶とお茶菓子が出されるのが定番だ。

 サロンはもともとは談話室のことで、お茶会との違いはよく分からない。イギリスはお茶会、フランスはサロンなのかもしれない。


◆クラブ、裏クラブ、秘密クラブ

 夜会やお茶会以外にも、クラブなどがある。

 中には夜間に男性だけの秘密会員制クラブなどがあった。

 ちょっとエッチなやつとか、秘密結社的なもの、反社会的なものなど。


◆挨拶

 貴族はその爵位で専用の敬称があったりする。例えばナイトと準男爵の男性は「サー・○○」という。

 公爵は他の爵位とは異なり「閣下」「ユアー・グレース」と呼ぶ。

 侯伯子男爵の貴族は「ロード・○○」というが日本語訳では「○○きょう」になる。または五爵とも「○○閣下」と呼ぶ。

 貴族の妻や娘は「レディ○○」と呼ぶらしい。日本語では妻は侯爵を例にすると「○○侯爵夫人」のようにすることが多い。

 娘は「○○侯爵令嬢」、息子は「○○侯爵子息」と呼ぶ。

 なおナーロッパの悪役令嬢界隈では子息ではなく「令息」という言い方が多い。

 大公は「○○大公」、公爵は「○○公」、侯爵は「○○侯」、伯爵は「○○伯」と呼んだりする。

 しかし子爵、男爵を「○○子」「○○男」と呼ぶことはないらしい。


 女性の挨拶は「カーテシー」と呼ばれる方法をとる。

 スカートであれば、両手でスカートの左右を摘まみ少し持ち上げ、片足を後ろ側に引いて、もう片方の足をまげて腰を落とす感じ。

 軍だけでなく城門の兵士や騎士団などでも敬礼が使われると思われる。

 敬礼は、軍により作法が若干異なるものの、基本的に右手で行う。一般的には左手で行うのは不敬だとされることがある。もっとも右手がない、右手が離せないなど例外を除く。右手が使えない場合は、左敬礼ではなく、頭を下げるとする規定の国もあるらしい。


◆貴族名

 イギリスの貴族の名称は土地の名前であることが多く、苗字ではなかったりするので、名前が別に存在する。

 語弊があるかもしれないが、これは苗字呼びではない「ヤマナシ県知事」のような感じに近いと思う。

 しかしナーロッパでは苗字=土地=領都の名前でだいたい統一されている。

 いくつかのナーロッパでは領地が広がったり移動しても、貴族名がそのままで「土地のほうの名前が変わる」という例も多い。

 一方イギリスなどでは土地の名前が固定で、領地を新しくもらうと、それぞれを土地の貴族名を襲名することになり、複数の名前を持つようになる。

 譬えるなら「ハジメ・スズキ」氏なら「ハジメ・ヤマナシ県知事」と「ハジメ・ナガノ県知事」のように名前のほうが増える。

 よく「アリス・フォン・タンデード(適当な名前)」のように、真ん中にドイツ語っぽく「フォン」をつける作品もある。

 名前が長くなると「ボブ・クライスラー・フォン・タンデード(適当な名前)」のようにフォンは後ろから2番目に位置して、2つ目の名前を前から2番目に挿入する。


◆おしるし

 貴族、特に王家の人間には、それぞれを象徴する「色」や「動物」「花」「木」などが決められていることがある。

 魔法のあるナーロッパなら「魔法属性」もあるかもしれない。

 魔法属性には文化的な象徴色、意匠などが付随する。

 生誕時に風習として決められる場合と、その人の好みにより本人が指定するものがある。

 特別な贈り物の場合は、それらを意識したデザインにしたり、その人のパーティーでは他の人はその色を避けたドレスを着たりする。

 カラフルなナーロッパでは「髪の色」「目の色」を意識することもある。


◆手紙

 古くは羊皮紙が使われ手紙ではなく、巻物すなわちスクロールだった。

 その後、洋紙が普及すると封筒と手紙の形に替わるらしい。

 羊皮紙は厚いので手紙封筒のように折りたたむのには向いていないと思われる。

 たまにナーロッパでは羊皮紙の世界なのに封筒だったりすることもあるが、それが問題ないかはよくわからない。


 ヨーロッパではスクロールや封筒に封をするのに、封蝋シーリングワックスというものを使う。

 封をするのをシールという。

 よくある絵では赤い色をしている蜜蝋ワックスが使われる。

 蜜蝋もロウなので、火を着けたロウソクの炎などで、棒状の蜜蝋の先をあぶって溶かし、それを垂らして使う。

 そこに印璽いんじシーリングスタンプという個人または家名を表すハンコを押す。印璽の台座はだいたい丸型をしている。

 この封蝋は誰からの手紙か証明して、また開けていないことの証明でもある。

 封蝋自体は封をする力はそれほどないので、別途で糊などで先に封はするもののようだ。

 なお貴族に限らず商人などにも適用されるだろう。

 ただし最近のなろう小説ではこの辺の話はすべて省略されて、いきなり手紙を書いたとだけで終わったり、開けて読んだりすることも多い。


◆税金と給金

 国が税金を一括で管理しているケースでは、貴族には「年金」のような給金制度があったりする。とくに領土ではなく役職がある場合には、役職手当的な給料制度があるだろう。

 逆に税金は貴族が領土から徴収して、国にそのうちの何割かを収める、上納金のような制度もある。こういう時、よく地方の悪い貴族が税金をちょろまかしていて問題になったりする。


◆教育、趣味

 男女共通では語学、国と領地の歴史、数学、ダンス、マナーなどだろう。

 男子は、経営学、剣術、魔法、乗馬などを覚える。

 女子は、刺繍、歌唱、楽器、衣服装飾品のセンスと流行などがある。

 マナーには食事、パーティー、歩き、立ち、挨拶などがある。

 爵位による上下関係、メイドと雇用主の関係などのマナーもある。

 ヨーロッパっぽい世界では貴族は馬車に乗るものなので、女子は乗馬をしないかもしれない。スカートで乗馬をするのも「またがる」のも男性用とされるズボンを穿くのも、全部はしたないとされる。自転車、バイクも同様。しかしナーロッパではあまり気にされていない。

 男女同権に近く、ともに学園生活で戦闘訓練をするなら、女子も剣術、魔法、乗馬などを習ってもおかしくはない。

 料理やお菓子作りは料理人の仕事なので、マイナー趣味かもしれない。

 ガーデニングも庭師の領分なので同様。

 錬金術、調合、医療、回復魔法などの分野は特別な家や特殊な趣味に分類されるかもしれない。

 読書が趣味でかつ書籍が高価という設定も多い。

 髪の毛を伸ばすのも、櫛やお風呂、シャワー、鏡などを必要とするので、貴族特有のものとされることがある。

 ガラスや鏡は世界の技術水準によっては高価だと思われる。もっとも魔法で安価につくれることもあるので、設定次第だ。


◆皇族、王族

 皇族は天皇、皇帝。

 王室は王様。

 敬称は王、正妃、その親は「陛下」。

 それ以外は基本的に「殿下」と呼ばれる。

 正妃が陛下なのに対し例外的に皇配、王配は「殿下」と呼ばれる。


 皇帝 エンペラー、カイザー

  帝国の君主、基本的には男性。「陛下」「皇帝陛下」。

 女帝 エンプレス

  帝国の君主、女性の場合。「陛下」。

 皇族 インペリアル・ファミリー

  皇帝の親族。皇帝は含まない。

 皇室 インペリアル・ファミリー

  皇帝および皇族。

 皇妃、皇后 エンプレス

  皇帝の妻。「皇后陛下」。

  皇帝と皇后合わせて「両陛下」「皇帝皇后両陛下」。

 皇配

  女帝の夫。※「殿下」。

 上皇

  皇帝を退いた前皇帝。「上皇陛下」。

 上皇后

  皇帝を退いた前皇帝の妻。

  「上皇后陛下」合わせて「上皇上皇后両陛下」。

 皇太子 クラウン・プリンス

  皇位継承権の第一位を持つ人でかつ皇帝の息子。

 皇太子妃 クラウン・プリンセス

  皇太子の妃。

 皇子 プリンス

  皇帝の男性の子供、息子。

 皇子妃 プリンセス

  皇子の妃。

 皇嗣こうし

  皇位継承権第一位の人。皇弟など。

 皇女 プリンセス、お姫様

  皇帝の女性の子供、娘。

 皇太弟、太弟

  皇位継承権の第一位を持つ人が弟の場合。

 皇兄

  皇帝の兄。

 皇弟

  皇帝の弟。

 皇姉

  皇帝の姉。

 皇妹

  皇帝の妹。


 先帝

  前のおよびそれ以前の皇帝。「先帝陛下」。

 皇太后

  皇帝の母親。先帝の妻。「皇太后陛下」。

 太皇太后

  皇帝の祖母。先帝の先帝の妻。「太皇太后陛下」。


 親王

  皇帝・王の息子、男性の孫、兄弟などをさす。

  皇帝一家でも親皇とは言わないらしい。

 内親王

  皇帝・王の娘、女性の孫、姉妹などをさす。

 親王妃

  親王の妃。


 王 キング

  王国の君主、男性。「王様」「陛下」「国王陛下」。

 女王 クイーン

  王国の君主、女性。「陛下」。

 王族 ロイヤル・ファミリー

  王様の親族、王様は含まない。

 王室 ロイヤル・ファミリー

  王様と王族。

 王妃、后 クイーン

  王の妻。正妃は地位が高い。「陛下」。

 王配

  女王の夫。※「殿下」。

 王太子 クラウン・プリンス

  王位継承権第一位の王の息子。だいたい王の長男。

 王太子妃 クラウン・プリンセス

  王太子の妃。

 王子 プリンス

  王の息子。

 王子妃 プリンセス

  王子の妃。

 きさき プリンセス

  王、王太子、王子などの妻。

  敬称とする場合は「○○」。

 王女 プリンセス、お姫様

  王の娘。

 王太弟

  王位継承権第一位が弟の場合。「殿下」。


 王兄おうけい

  王様の兄。よく「公爵」や「大公」だったりする。

 王弟おうてい

  王様の弟。同様。

 王姉おうし

  王様の姉。同様。既婚なら「夫人」とも。

 王妹おうまい

  王様の妹。同様。既婚なら「夫人」とも。


 先王

  前のおよびそれ以前の国王。「先王陛下」。

 王太后

  国王の母親。先王の妻。「王太后陛下」。

 太王太后

  国王の祖母。先王の先王の妻。「太王太后陛下」。


 国母

  皇后、妃、など。


 大公

  大公国の国主。大公というのはGrand duke等と呼ばれる大公爵。「閣下」「殿下」。

  他の王国、帝国から大公爵の位をもらっている。

 公

  公国の国主。dukeだったりprinceだったりする公爵。「閣下」「殿下」。

  他の王国、帝国から公爵の位をもらっている。

 侯

  侯国の国主。侯爵。「閣下」「殿下」。

  他の王国、帝国から侯爵の位をもらっている。


◆政治

 宰相さいしょう

  家臣のうち政務、国政の長を務めるものの役職。

  なぜかナーロッパではよく悪事を働いたり、国王派、宰相派のように対立している。

 摂政せっしょう

  国王、皇帝が若年、女性、病気などのために政治活動が困難な場合に設けられる補助職。

  傀儡政権となり事実上の国王以外の最上位職でたまに政権を牛耳る悪い人もいる。

 執政しっせい、執政官

  国王などに代わり政治をする人、家系。または古代ローマのような制度。

  例えば帝国から属国へ帝国人の執政官を派遣して王の権限を取り上げる等。

  政治をするニュートラルな人も指す。複数人いることもある。

 侍従長じじゅうちょう

  国王の身の回りの世話をする人の長。

 近衛このえ騎士団長

  王族の護衛などを担当する。騎士団の長。

 宮廷魔術師

  宮廷に仕える魔術師。なんかえらい。主治医をしていることもある。

 主治医

  王並びに王家の主治医。

 大臣

  主要な家臣をさす。主に各機関の長のこと。

  内務大臣、外務大臣、国防大臣、大蔵大臣など。

 宮廷きゅうてい、朝廷

  国王、皇帝が指揮する国政をする集団のこと。

 朝議

  朝廷で主要な国王、皇帝、大臣などが集まる会議。

 朝儀

  朝廷で行う儀式のこと。

 宮中きゅうちゅう

  宮廷の中、事務、王族の家事などをさす。

 後宮こうきゅう

  后妃が住む場所。大奥やハーレムなど。

 宦官かんがん

  不貞を働かないように去勢された男性が後宮でつく役職。

 女官にょかん

  後宮などで働く女性。


 寄親よりおや

  下位貴族のお世話をする上位貴族。

  派閥などの親。

  義理の親子関係をいう。

 寄子よりこ

  上位貴族にお世話をされる下位貴族のこと。


 大使

  外交官のその外国のうちのトップ。

  国王の代理である全権大使もある。

 外交官

  外交のため他国に駐在する官職。

 領事

  外国で自国民や相手国の国民などにサービスを提供したりする職業。


 衛兵

  警備などをする兵。

 番兵

  倉庫や部屋などを見張る兵。見張り番。

 歩哨

  哨戒をする兵。≒衛兵。よく城壁の上や街中にいる。

 門番

  門を守る兵士。

 衛生兵

  けが人を運んだり世話をする専門の兵。やや近代的。


◆貴族の家

 日本語対応、明治期のアレコレなども含め適当に。


 家令かれい スチュワード

  貴族の館でえらい人。

 筆頭執事、執事長 メジャードーモ

  執事のまとめ役。家令と兼任が多い。

 執事 バトラー

  仕事の管理とかをしてくれる人。男性。上級使用人。

 従者じゅうしゃ ヴァレット

  一日中主人に付き従う人。

 メイド長

  メイドがしら。メイドをまとめるえらい人。女性。ハウスキーパー家政婦。侍女長。本人はメイドに含まれない。

 メイド 侍女じじょ

  女性使用人。

  主に家事、主人一家のお世話を担当する。

  ヨーロッパ、ナーロッパでは貴族の未婚の女性が他家に奉公に出された。

  ナーロッパでも下級貴族の令嬢が上級貴族の家に働きに出ていたりする。

  未婚の女性をメイデン、乙女、処女といいそれがメイドになった。

  一方アメリカでは黒人女性奴隷のことを指すことが多い。

 乳母うば

  母親の代わりに乳児におっぱいをあげる仕事。子供の世話、躾をする。

 料理長 シェフ

  料理を作る人でえらい人。

 料理人 コック

  料理を作る人。この下にさらに雑用係がいる。

 庭師 ガーデナー

  庭の手入れをする人。

 使用人、召使い サーバント

  色々する人。

 馭者ぎょしゃ、御者 コーチマン

  馬車の運転手。

  昭和以前から両方の表記が使われているが、当用漢字の「同音の漢字による書きかえ」により現代では馭者よりも御者と書く。

 馬丁ばてい

  馬の世話をする人。馬子まご厩番うまやばん

 下働き

  使用人未満の仕事をする人。

 小間使い

  使い走り。

  古典的には女性を指す。

 下僕げぼく従僕じゅうぼく、フットマン

  男の召使い、家事労働者。

 ポリコレ的に現代ではあまり使わなくなった表現

  下男げなん下女げじょ女中じょちゅう、奴隷、僕(ぼく、しもべ)。


 家来けらい

  領主などに従っている人。または家庭内使用人。

 家臣かしん

  領主などに従っている人。

 家庭教師、先生

  子供たちの教育係。


 忠臣ちゅうしん

  忠義に篤い家臣。

 奸臣かんしん

  邪悪な心を持った家臣、家来。


家督かとくの継承

 少なくともイギリスでは爵位の継承はほとんど死亡時らしい。

 しかしナーロッパでは広く生前退位、生前相続が広く行われている。

 もしくは祖父がほとんど登場せず父親が貴族であることが多い。


 王位継承権

  王様を継ぐ権利。

 王位継承権第一位

  王様を継ぐ権利の一番目。第n位と続く。

 皇位継承権

  皇帝を継ぐ権利。

 爵位継承

  貴族の場合。

 継承けいしょう(する)

  権利を譲り受けて受け継ぐこと。家督を継ぐこと。

 家督

  相続する跡取り。

 即位

  天皇、国王、教皇などがその位に着くこと。

  貴族の爵位継承には用いられない。

 退位

  生前退位。位を退くこと。国王を辞めること。

 崩御

  天皇、皇帝が死亡すること。

 血筋

  男系、女系など血縁関係があること。

 血統

  特に貴族や皇族のやんごとなき血筋を血統という。

 玉座、王座

  王の椅子を指すけど、普通はその地位をいう。

 持参金

  結婚または婚約時、配偶者の家に支払うお金または資産。

  結納制度がある世界なら持参金は女性側が男性側に払うものを指すらしい。

  両方が払ったら意味ないのではと思うが、ケースによりどちらがどれだけ払うか異なる。

  また支払ったお金が実家のものになるか妻個人の資産になるかなど違いもある。

 結納金

  結婚または結婚時、夫側が妻側に支払うお金または資産。

 婚約

  結婚の約束をすること。婚約した相手は婚約者。

 許嫁いいなずけ

  幼い頃に婚約した相手。

  ちなみに現代仮名遣いでは「いいなけ」で「づ」ではないっぽい。

 婚約破棄

  ナーロッパで流行っている例のアレ。

  慰謝料が発生するとされる。

 簒奪さんだつ

  特に王位、皇位を盗むこと、簒奪側から見れば革命。

 お世継ぎ争い

  お世継ぎ問題。爵位、王位継承権争い。

  継承権一位のものが絶対的優位でない場合に、二位以下と争いになる。

  一位のものが問題児だったり、二位以下が優秀、武勲を立てた、人格者だった等。

 派閥

  特に王位継承権一位、二位の家臣団による派閥争いがある。

  元々派閥があり、それぞれの派閥が自分たちを優位にするために違う王子を推薦するため、起こるべくして起こる。

 降嫁こうか

  皇族、王族の娘が家臣の貴族に嫁ぐこと。


 嫡男ちゃくなん

  家督を継ぐ男子。

  通常は正妻の最初に生まれた男子。

 嫡女ちゃくじょ

  家督を継ぐ女子。

 嫡子、嫡嗣ちゃくし

  家督を継ぐ子供。

 正嫡

  正妻が生んだ嫡子。

  正妻、正室。

 嫡孫ちゃくそん

  嫡子の嫡子。

 廃嫡

  家督から除外されること。

 庶子しょし

  嫡子ではない子。

 長男

  男子のうち最初に生まれた子。

  正室、側室を合わせてカウントするらしい。

 次男、二男

  男子のうち二番目に生まれた子。

 三男、四男、五男、六男、etc

  男子のうちn番目に生まれた子。

 長女

  女子のうち最初に生まれた子。

 次女、二女

  女子のうち二番目に生まれた子。

 三女、四女、五女、六女、etc

  女子のうちn番目に生まれた子。

 嫡出子

  現代表現。実の子。実子じっし。戸籍上の夫婦の子。

 養子

  家族以外からの子を自分の家の子として扱うこと。

  王侯貴族では親戚筋の継承権、血筋がつながっている子を本家の正室の子として迎えることがよくある。

 非嫡出子

  現代表現。嫡出子以外。いわゆる妾の子。私生児。

 正妃

  正式な妃。王妃、皇妃、皇后。

 正室

  正式な妻、本妻。一人のみ。嫡妻。

 側妃

  側室的な妃。第二王妃、第二妃、第三妃、etc。

  なろう的側室のような何か。中国の后妃妻などには位がありあまり正しくはないらしい。

  詳細は n8775fl/2/ が詳しいのでおすすめです。

 側室

  一夫多妻制において、2番目以降の妻。

  正妻が男子を生まなかった場合など、側室の子が継承することもある。

  正室と側室の子は「腹違いの子」と呼ばれる。

 前妻ぜんさい

  前の妻。通常は離婚したまたはすでに死亡している。

  一夫多妻制では先に結婚した妻も表すが悪役令嬢モノではほぼその用途では使われない。

 後妻ごさい

  前妻の後に妻になったもの。

 本妻ほんさい

  一夫多妻制などで王家でいう正室に当たるもの。第一婦人。

 継母(ままはは/けいぼ)

  自分の実の母以外にあたる父親の妻。

 めかけ

  その世界によるが側室に近いもの。「二号さん」以降のこと。

  ニュアンス的には側室は正式なもので妾は認知しつつも非公認かもしれない。


 三男二女

  子供が男3人、女子が2人という意味。

 一姫二太郎

  一番上の子が女子で二番目が男子の姉弟だと楽という諺。

 三兄弟

  3人の兄弟。ただし字面通り男子だけとは限らない。

 三姉妹、三人姉妹

  女子のみ3人の姉妹。

 四人兄弟、四兄弟、四兄妹、四姉弟、四姉妹

  組み合わせによるけど4人の兄弟姉妹。


◆華族

 明治大正戦前時代、日本での貴族制度を華族といった。

 大正ロマンなどを舞台にするなら使うかもしれない。

 ヨーロッパ、ナーロッパでは通常は登場しない。


 皇族

  天皇家の人々。

 華族

  公侯伯子男の五等爵。

 士族

  華族に入らなかった江戸の武士階級。

  戸籍に記載されていた。


◆軍隊

 一応現代的な、階級制度についてあげる。

 一番上に「元帥」などがいる。あとは王族とかになる。

 将官だと思うが「大将軍」「将軍」と呼ぶ場合もある。

 だいたい、将官、佐官、尉官が「士官」で指揮する位になる。

  将官位……大将、中将、少将、准将。

  佐官位……大佐、中佐、少佐。

  尉官位……大尉、中尉、少尉、准尉。

 自衛隊では「大中小」はそれぞれ「一二三」になっている。

 この下は「下士官」と呼ばれて、一部隊のチームリーダーなどの役職になる。

  陸軍では、曹長、軍曹、伍長または兵曹。

  海軍では、上等兵曹、一等兵曹、二等兵曹。

 単なる「兵」にも位がある。

  陸軍では、兵長、上等兵、一等兵、二等兵。

  海軍では、水兵長、上等水兵、一等水兵、二等水兵。


◆軍隊の組織

 かなり適当に。


 総軍、総隊

 方面軍

 軍団

 師団、方面隊

 旅団、団、群

  機動部隊、空挺団

 連隊

 大隊

 中隊

 小隊

 分隊

 班


 ちなみにガンダムではMS3機で小隊を編成し、それがだいたい最小構成の活動単位になる。

 小隊長は少尉程度の位のものがなる。中隊長などを兼ねているなら、それ以上の場合ももちろんある。

 少尉以上は軍学校などを卒業したエリートの士官だが、新米少尉殿の下に歴戦のベテラン軍曹殿がつく場合などもある。

 機械化部隊は、歩兵より少ない人員で一個小隊などを編成する。

 人間の歩兵の場合は、50人程度が小隊を作る。

 「大中小隊」は「一個大隊」「三個中隊」「九個小隊」という風に数える。

 固有の名前がないのなら「第一小隊」「第二小隊」「第二中隊」のように「第」をつけて個別を呼ぶ。「個」と「第」で「何個」と「何番目」を間違えないように区別する目的があるらしい。


◆宗教

 宗教の役職のうち上位のものは爵位相当の扱いを受けたりするが、なろう小説ではその辺の描写はあまり見かけないかもしれない。

 宗教の階位で爵位相当のものは上から、教皇、枢機卿、総司教、大司教、司教などがある。その下に平民相当の司祭、助祭などがある。

 プロテスタント系では、牧師などがいる。

 また外国へ布教活動などをする人を宣教師という。

 ナーロッパでは、巫女、聖女なども爵位相当の高位とされることが多い。


 英語などラテン系では、タロットで有名な女教皇ハイプリーステスをはじめとして女性形があるので、「女司祭プリーステス/プリエステス=女神官」などの言い方がある。

 ただし現実のキリスト教では女性は司祭になれなかった。

 ファンタジーでは頻繁にプリーステスが登場する。


 普通の宗教施設とは別に修道院にも独自の階級があったりする。

 修道院は修道会、例えば「フェニエスト会(適当な名前)」のような会に所属している。

 修道院では修道院長が爵位相当、司教相当でその下に普通の修道士がいる。

 女子修道院では女子修道院長が爵位相当でその下に修道女がいる。

 大司教や修道院長は院だけでなく周辺の土地も治めていたので、名実ともに貴族相当の封建領主の扱いを受けた。

 もっともキリスト教でも東西、時代で色々違うらしい。


 いわゆる宗教的な役職としての治療師ヒーラーはヨーロッパにはいないのでナーロッパではその辺の考慮も必要かもしれない。


◆チェス

 チェスのコマはヨーロッパのこの辺の階級のものが多い。


 キング 王

 クイーン 女王

 ルーク 城、戦車

 ビショップ 司教

 ナイト 騎士

 ポーン 歩兵

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