35. 奴隷制度

 公式な奴隷制度と違法な奴隷というパターンがある。

 制度がある場合、国家間での取引や共通の制度があったりする。

 犯罪奴隷や普通奴隷、一般奴隷、家事奴隷、性奴隷、戦闘奴隷、労働奴隷のように用途別に呼び分けられ、種類によって制度が異なることも多い。

 制度の奴隷になるには16歳以上のような年齢制限がよくある。

 借金で奴隷になる人がいる。しかも借金は本人よりも親が借金をして子供が奴隷として売られてくることが多い。


◆制約


 魔法の道具の隷属の首輪や魔法の契約で、主人に逆らえないようになっていることもある。主人に順従になり逆らうような考えをしなくなったり、逆らうと苦しくなってしまうようにされている。

 逆に契約で主人が奴隷に命令できないことを定めることもある。例えば、死ぬ命令や性的な奉仕の強制などを禁止する契約にする。逆に、奴隷は物であり生死を含む一切が主人の自由という場合もある。奴隷の衣食住の保証などの権利があり違反すると主人が違法となることもある。

 魔法契約では主人が死ぬと奴隷も一緒に死んだりする。

 首輪やピアスや指輪などの装備、裸などの服装、入れ墨などを奴隷に強制する制度がある。人頭税や奴隷を売買した時の税金などの制度がたまにある。

 奴隷に課される約束事として、外では鎖につないでおかなければいけない、主人の後ろを歩かせる、食事は主人と一緒にとれない、席に座ってはいけない、ベッドで寝られない、通常は宿の部屋で寝泊まりができない、勝手に口を聞いてはいけない、馬車に乗ってはいけない、挨拶は土下座、足にキスをする、主人の命令には基本的に「はい」のみ答えて拒否できない、など様々な社会的・文化的制約がある。


◆所有


 奴隷になった段階で名前を捨てられて、主人に再度名付けられることもある。名前は変わらないが、貴族の苗字などは名乗れなくなるのが一般的なようだ。

 奴隷商が扱っている時点で名前がない場合、管理番号で呼ばれるのが普通だ。

 ステータスが表示される世界では、奴隷の主人のステータスに所有物として表示されることがある。また、職業が奴隷になったりする。

 家族や貴族などが奴隷の代金を支払うことや、主人に仕え長年経過することで奴隷から解放されることもある。

 貴族の当主に特別に気に入られた奴隷は、正妻や妾になれることがある。通常は奴隷の子供は奴隷である。基本的には奴隷の子供は当主の財産として管理されるが、売られることもある。

 主人が殺されたりして奴隷だけ生き残った場合、ものとして奴隷を拾った人に権利が移る制度のこともある。

 主人を変更できるなら、奴隷を転売することがある。また奴隷商に戻されることを「出戻り」と呼び、値段が下がる原因になる。


◆値段


 王族、お姫様や有力者の親族、貴族の家系などの奴隷は高く取引される。

 獣人は安い傾向があり、エルフなど希少な種族は高くなる傾向がある。

 性奴隷は他の奴隷よりたいてい高い。処女か若いか容姿端麗であるかなどが値段に反映される。礼儀作法、性技能なども査定の対象になる。

 教養、読み書きができる、計算ができる等は家事奴隷において値段が高くなる。

 魔法が使える場合は、特別な扱いを受け高価で売買される。

 戦闘奴隷は、スキル、戦闘技能、体力、体格などが基準になるだろう。

 不健康、部位欠損、顔のアザ、失明、精神を病んでいる、反抗的などの要素はかなりのマイナス要素で、主人公が処分されそうになっている奴隷を買ってきて癒してあげるような話も見かける。

 外国人または大陸外の人で会話が通じず、安く評価される場合もある。


◆奴隷商人


 奴隷を専門に扱う人を奴隷商人・奴隷商と呼ぶ。

 まず、借金での身売りや親に売られた子や犯罪で国から仕入れてくる。

 奴隷商は奴隷商館やテントで奴隷を鎖につないだり牢屋や独房に入れて逃げられないようにしている。

 簡易な服や裸のまま鎖につなぐのが定番である。

 奴隷商は奴隷としての礼儀作法や様々な技能・知識を習得させ、奴隷としての商品価値を上げる場合がある。

 奴隷の価値に合わせた食事・部屋を与える。悪い奴隷商はご飯もあまり食べさせない。

 奴隷商は、商品が逃げたり盗まれたりしないように用心棒やガードマンを雇うことが多い。

 優秀な奴隷を自分で雇用したりすることもある。


◆顧客


 顧客から見学費用を取ったりする。頭金とローンのような形で売却することもある。その場合は契約上の主人を変更しないままにして、貸出の形になり、全額支払いで主人の名義変更を行うことになる。

 世界観によっては一般奴隷は会社員に近い存在になっている。

 奴隷を主に買うのは、王宮、裕福な商人・冒険者、娼館、そして貴族だ。安い奴隷の最終的な行き場所は炭鉱・鉱山などの重労働である。


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