25. ステータス

 ゲームで出てくるステータスのパラメーターについて、だいたいで説明する。

 詳細に関しては、ゲームによりそこそこ違いがある。

 経験値、スキル、HP、MP、称号、アビリティ、などの基本値は「ゲーム的世界観」の説明も参照のこと。

 近年のゲームでは、そもそも面倒くさい狭義のステータスをほぼ省略したようなゲームも存在していて、細かいステータスは古いゲーム概念になるかもしれない。



◇キャラ属性


◆名前

 キャラクター名。フルネームの場合がほとんどだが、苗字が別で設定できるゲームもある。

 普通、ゲーム内においてユニーク(重複がない)である。

 また改名はサーバー統合などがない限りできないのが一般的だが、課金アイテムで名称変更できるゲームもある。


 ケータイ系ゲームやカードゲームなどの流れをくむものだと、IDと名前は別のものという場合があり、そのときは「名前」はユニークではない。ユニークなのは見えないIDとなる。

 IDすらもログイン用IDと内部ID番号が別になっていることもある。これは他人にIDが知られてしまうと、不正ログインなどの問題が出てくるからだと思われる。

 また名前を頻繁に変更しても問題ないような実装になっている。

 そのため「あいちゃん@失恋中」みたいに状態を書いたりする人も出てくる。


◆種族

 「種族」ページ参照。人間、天使、悪魔、エルフ、妖精、獣人などを選ぶ。

 見た目が違うのが良く分かる違いだが、ステータス特性が異なることが多い。

 パラメーターの基礎値や成長特性、適性などが種族により異なる。

 ゲーム内で固定職がなく、種族で武器や戦い方が固定のゲームも存在する。


◆性別

 普通は男性、女性の二種類のみ。

 「機械種」みたいなものは性別がない可能性もある。


◆年齢

 年齢が設定され、リアル時間に依存してゲーム内で成長するゲームも存在する。

 年齢により各ステータスの伸びかたに変化がある場合もある。例えば子供はINTがあがりやすく大人はSTRが伸びやすい。


◆Lv/Level(EX)

 レベル。基礎レベル。ベースレベル。レベルが高いほうが強い。

 ゲームでは敵とのレベル差があると、攻撃が当たらなかったりする。

 逆に自分のLvが高すぎると、ドロップがなかったり、経験値がほぼ0のような仕様だったりすることもある。


◆HP(EX)

 Hit Point。ヒットポイント。

 ゲームによってはLP、Life Point|(ライフポイント)、Health Point|(ヘルスポイント)などとも呼ばれる。

 MMORPGではまずないものの、HPが0~5などの少ない数の場合や「残機」を意味する場合は、単に「ライフ」と呼ぶこともある。


◆スタミナ

 またはSP[エスピー]。

 走ったりジャンプすると消費する。

 スタミナが回復するまで走れなくなる。

 物理職が攻撃の際にMPのように消費する場合もある。


◆満腹度

 別名「空腹度」。お腹がすく。

 満腹で食べられない値というより、空腹で死亡するかペナルティがある。

 MMOではあまり見かけないが、ローグライクRPGのころから存在する。

 ペットにはMMOでもよくある。


◆性向

 善悪の指数がある。

 0が初期でPKをするとマイナスになりレッドプレイヤーになる。


◆信頼度・貢献度

 クエストなどをこなすと増える。

 信頼度が増えると新たなクエストを受注可能になったり、名声や称号を取得できる。


◆名声、名声値

 名声は数値で表されていることが多い。どれくらいいい意味での有名かという基準値だが、信頼度や貢献度との違いはよくわからない。どちらの値も両方あることがある。


◆合計プレイ時間

 何の役に立つか分からないがプレイ時間を記録していることもよくある。

 年齢があるゲームなら、プレイ時間で年齢が上がるだろう。


◆死亡回数

 一部RPGでは、記録されていることがある。


◆戦闘力、総合戦闘力

 比較的新しいゲームでは、ステータス及び、装備の補正値をすべて合算した数値を表すものを「戦闘力」などと呼んで、システムで確認できるゲームもある。

 これは攻撃力、防御力両方を考慮した値になる。

 一方、時間当たりの攻撃力はDPSを参考にすることが多い。

 この戦闘力で、クエストやインスタンスダンジョンの入場制限をするようなゲームもある。


◆ステータス(狭義)

 次の項目群のSTR,VIT,DEX,INT,AGIなどが狭義のステータスだ。

 狭義の方は、戦闘や生産の各要素を決定するためのパラメーターとなる。

 名前類、種族、アイテム、装備などを含むのが広義のステータスである。

 キャラのステータス系と装備のステータス系で、それぞれ異なる名称のパラメーターが設定されることがある。

 これはキャラSTR+5、武器:攻撃力+3で、計算式で5+3*1.5=9.5ダメージ力。のように、キャラと装備でそれぞれ異なる計算式にすることができる。

 なろう系MMOでは、そういう難しいことはせず、キャラと装備が同じ基準のパラメーターになっていることが多い。

 実際のゲームでは、かなり複雑な計算式であることが少なくない。


 なお3文字略語をどのように発音するかは諸説ある。



◇キャラパラメーター


◆STR/Strength

 (力の)強さ。これが高いと筋肉ムキムキ。

 一般に、物理攻撃の攻撃力に影響する。

 STR値が低いと、重い武器を持つことができない。

 所持可能アイテムの総重量に影響することがある。


◆DEX/Dexterity

 器用さ。一般に命中力を表す。

 弓矢や銃はDEXが攻撃力に影響する場合がある。

 命中力が低いと、攻撃が当たらないので、使い物にならない。

 またクリティカル補正に影響することもある。


◆VIT/Vitality

 丈夫さ、持久力を表す。

 物理攻撃全般の防御力を表す。

 厳密にいえば防御力ではなく最大HPの増加効果となっている作品もある。

 盾職の人が伸ばすパラメーター。

 これが低いと紙装甲とよばれる。

 STR同様、荷物の最大重量に影響されることもある。どちらが重視されるかはゲームデザイナーによる。

 VITの代わりにDEF(Defense)が防御力として設定されるゲームもある。


 VITとMNDのように物理、魔法値が分かれている場合「VIT極」にすると、魔法攻撃にめちゃくちゃ弱いという問題がある。


◆AGI/Agility

 敏捷性を表す。

 回避力に大きな影響を及ぼす。

 クリック型MMOでは自分への攻撃が当たるかの判定の確率の基準値に使われる。

 VRゲームでは身体能力、素早く体を動かすとか速く走れるとかに影響すると思われる。


◆INT/Intelligence

 知力、賢さを表す。

 魔法の攻撃力に影響する。


◆MND/Mind

 精神力。

 魔法防御力に影響する。また回復魔法、補助魔法の強さに影響する。

 ステータス異常系に対するレジスト率や回復までの時間が短くなるなどの影響がある。

 MNDの代わりにMDEF(Magic Defense)が設定される場合もある。


◆LUK/Lucky

 運。遊び人などが高い。

 クリティカル率上昇やドロップアイテムへの補正、生産の確率上昇などがある。

 運は設定されていないゲームもある。


◆CRI/Critical

 クリティカル。

 人に設定するゲームはほぼない。

 アイテム特に武器、アクセサリーにクリティカル補正値がある。


◆CHA/Charisma

 カリスマ。魅力。

 可愛さ、かっこよさ、リーダーシップとかそういうの。

 MMOではあまりメジャーではないがTRPGや一部ゲームには出てくる。

 踊り子、歌い手などの攻撃力になったりすることもある。

 TRPGではカリスマが低いばっかりに何かのイベントなどの行為判定で失敗したりすることもあるような気がする。



◇プレイスタイル


 基礎レベルが上がるとポイントがもらえ、それでステータスに割り振るスタイルのゲームの場合それを「ステ振り」と呼ぶ。

 ゲームによっては再度振りなおすことが可能で「再振り」「再分配」などと呼ぶ。

 避けるか防ぐか攻撃力にどれぐらい振るか運などだけ上げるかなど様々なスタイルが存在する。

 「VIT極」のように何に特化しているかという風に呼ばれる。これを「極振り」と呼ぶ。なお「極」は「ごく」「きょく」「きわみ」、振りも「ふり」「ぶり」など読み方は人による。

 なお筆者は「ごくふり」と読んでいる。

 防振りでは「きょくふり」と呼んでいるようだ。

 平均的に伸ばしているものはバランス型と呼ぶが、あまり強くないのも特徴。


 ステ振り武器スキル選択の構成を「ビルド」という。


◆STR/VIT/DEX型

 物理攻撃、物理防御で、敵と殴り合うスタイル。

 脳筋スタイルだが敵の魔法が珍しい世界ではこれでも結構通用する。

 前衛の剣士などのダメージを与える職に適している。

 敵を選べば回復薬なしで、ただ武器で殴るだけなので、簡単操作である。


◆STR/AGI/DEX型

 こちらは殴り合わず、避けつつ攻撃するスタイル。

 前衛のシーフなどのダメージを与える職に適している。

 回避で魔法も避けられるので、敵を選ばない。

 しかし、VRMMOでは回避にプレイヤースキルを要求されるので、上級者向き。

 また、当たったらダメージがでかいので、何らかの回復手段を併用する必要がある。

 物理攻撃系のソロはこのスタイルが向いていると思う。


◆VIT/MND/STR型

 いわゆるタンク。盾役。攻撃力を下げ、防御に重点を置くスタイル。

 全身鎧や盾を装備する必要がある。

 性能の良い防具を要求されるので、資金が必要であることが多い。


◆INT/DEX/AGI型

 魔法攻撃、回避型。魔法使いスタイル。

 魔法職は一般に、重鎧を装備せずローブ系を装備するので、防御型ではなく回避型にすることが多い。

 ソロでもそこそこ戦える。


◆MND/AGI型

 精神力型。ヒーラーのスタイル。または姫キャラ。

 MNDを上げることにより回復魔法の威力を上げている。

 一般にこのスタイルはパーティー補助専用でソロは向かない。

 STRを上げるとちょっとは攻撃もできるようになる。

 DEFのほうを上げるなら防御特化で生存率の高いキャラになる。

 復活魔法が可能なら、パーティーメンバーが死亡したとしても生き返らすことによりパーティー全滅を防げる。


◆DEX/LUK型

 生産や遊び人専用型。

 狩りをすることはあまり考えていない。



◇アイテム属性


 現代のゲームでは持ち運べるアイテムの種類が限られていてそれを「スロット数」と呼ぶ。

 特に基本無料のゲームでは32個や64個ぐらいしかなく、取捨選択を迫られる。

 そして有料アイテムで鞄拡張のアイテム販売がよくある。

 これは主にサーバーに記録するデータ量の都合だろうから、VRMMO世代ならもっと沢山の種類を持ち歩いても問題ないだろう。


◆名称

 普通、ゲームのアイテム名はシステムが決定する。

 翻訳物のゲームでは、たまに変な名前のアイテムが存在することもある。

 ペットなどは特別に「名前設定」が可能だがそれを悪用する人もいる。

 VRMMOでは生産でオリジナルを作ると命名権が与えられる小説もある。

 鑑定しないと名称以下説明なども表示されないゲームもある。


◆重量

 アイテムには重さが設定されていて、装備の可否や、アイテム所持の全重量制限がある。

 重量が制限以上になると、移動速度が落ちるゲームが多い。


◆スタック数

 同じアイテムは、一つのスロットにまとめることができる。

 そのときいくつまでまとめられるかがスタック数だ。

 99個、999個とかで制限されていることが多い。

 薬草やポーション類、矢や銃弾などがスタック可能だ。

 一般に、固有パラメーターがある装備類はスタックできない。


◆種別

 装備、道具、一般アイテム、素材、料理、種、家具、クエスト専用、課金専用のように大まかな種別が設定されていて、並び替えの参考にされる。

 装備は装備箇所ごとに細分化されている。

 頭(兜)、顔、体、腕、足、背中、指輪、ネックレスなどに分かれている。

 背中はリュックや空を飛べる羽を装備する。


◆レア度

 普通|(コモン)、レア、Sレア、SSレア、SSSレアのように区分されていることが多い。

 枠や名前の色でレア度を表すこともある。

 レア度が高いアイテムは、捨てるときやNPCに売るときに警告が出るゲームもある。


 (ノーマル or)、コモン、アンコモン、レア、エピック、レジェンド(レジェンダリー)などがある。

 アルファベット1、2文字で、N、C、UC、R、E、LおよびSR、SSR、SSSRというふうに表記されることもある。

 固有ではなく珍しいという意味でユニークというクラスが存在することもある。


◆ランク・品質

 小説ではランクが付いていることが多い。

 しかし、現代のMMOでポーションにいちいち5段階とかのランクがあったら、スロットを圧迫してうっとうしいので、2段階程度である。

 装備品に関しては、アイテムごとにパラメーターを持つので強化値として+1や+5のように表記されることはよくある。


◆NPC売値

 ゲーム内での売値が固定のゲームではNPC売値がアイテム情報に記載されていることもある。


◆有効期限

 生鮮食品やランタン、ロウソク類、課金アイテム、イベントアイテムには有効期限が設定されていることがある。

 有効期限が切れると、無価値になったり価値が30%になったり、利用不可になったりする。


◆装備品のパラメーター

 攻撃力や防御力の装備時の補正値パラメーターがある。

 アイテムごとにバラバラの場合と、アイテム種ごとに固定のゲームに分かれる。

 パラメーターを装備ごとランダムだったり強化用アイテムで値を伸ばしたりできるゲームもある。

 アビリティやカード、宝石で装備品を強化するゲームもある。


◆耐久度、耐久値、耐久率

 装備品には耐久力が設定され、攻撃を受けたりデスペナで減る。

 値が減ると「武器が削れた」とか「武器が壊れた」とかいう。

 耐久が0になると、アイテムの効果が無効になったり消滅したりする。

 修理すると回復するのが一般的だが、木の武器など修理不可アイテムも存在する。

 修理という概念がなく武器も消耗品だったり、修理するごとに最大耐久値が減るゲームもある。

 現実のMMOでは見たことがないが、時間経過で回復する「自動修復」がある場合もある。

 特殊な武器などのみ耐久値が無限または無効で「非破壊属性」「破壊不能属性」などと呼ばれている。

 小説のPvPなど対人系では、武器破壊のスキルやテクニックがあることもわりと定番。

 削れやすさの目安の「硬度」「頑丈さ」などが設定されているゲームもある。


◆セット効果

 防具類で、セットで装備すると発揮する効果がある。


◆生産地

 交易で運ぶアイテムでは、生産地が表示されることがある。

 遠くまで運ぶと売値にボーナスが付く。


◆作成者情報

 ユーザーメイドの武器、アイテムには作成者情報を載せることができる。

 しかしランク同様ポーション類まで情報があるとスタックできないので、現代のMMOでは、装備に限定されることが多い。


◆再使用可能時間

 同じアイテムまたは、同系統のアイテムの再使用までの時間が設定されている。

 ポーション系やスキル系で5秒程度のものから、バフ系で30分のようなものまである。


◆譲渡不可・露店禁止・売却禁止・破棄禁止

 ロック設定などと呼ばれる。

 他者に譲ることや露店に登録できない、捨てることができないなどのアイテムがある。

 クエスト報酬や、クエスト専用アイテムなどの特殊アイテムに設定される。

 最近のMMOでは高レアのドロップ装備にも適用されることが多い。

 流通自体は可能だが、装備すると自分専用にロックされるゲームもある。


◆呪い

 MMOではあまり見かけないが、装備が呪われていると外すことができない。


◆見た目装備

 見た目用の装備品が存在する。

 見た目専用装備を「アバター装備」などと呼ぶ。

 ゲームによっては、見た目装備がとても高値で取引される。

 特にエロ系と可愛い系の装備は人気が高い。

 普通の装備だがかっこいい物という扱いの場合と、外見用に普通の装備とは別枠で装備できるゲームもある。

 なぜかその見た目用装備に補正があることも。

 見た目用装備だと現実感のないゲームになってしまうが、変身魔法とかが存在するならあってもいいだろう。


◆隠しパラメーター

 アイテムには、固有の隠しパラメーターがあったりする。

 「マスクデータ」とも呼ばれる。

 現代のMMOではスタックできないアイテムにこのパラメーターがあることが多い。

 未来のVRMMOではスタックできないとは限らないだろう。


◆説明、フレーバーテキスト

 ゲームシステムを真面目に説明する文章または、真面目に説明する気のないこともある「フレーバーテキスト」が見れるゲームもある。

 両者がしっかり別れているゲームもあるがちゃんと別れていないゲームも多い。

 システムとは関係なく、説明文が手動で設定されている場合、説明が間違っているゲームもたまにある。

 フレーバーは世界観の設定でたまに面白い内容のゲームもある。

 両者が別れていない場合「幸運のお守りで運が上昇する」と書かれていても、それが単なるフレーバーなのか実際に運値に影響があるかは分かりにくかったりする。


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