17. 宗教

 ざっくばらんに、キリスト教を中心に応用できそうな単語、よく目にする単語を並べた。


◆神

 宗教といえば、まず神仏だ。

 宗教で、特定の神のみを信じるものを唯一神、一神教という。

 八百万(やおよろず)の神がいることもあるが、神社にも、それぞれ祭っている特定の神様がいる。


◆自然崇拝・自然信仰

 天空、湖、木、森、石、火、太陽、月など、自然を神格化して信仰すること。

 古くからある宗教であることが多い。

 ヨーロッパでももともとは自然崇拝があり、その後キリスト教の普及で衰退したらしい。


◆偶像崇拝

 神像や仏像を崇拝する行為。十字架も偶像崇拝である。ご神体などもそうかもしれない。


◆専門職

 宗教ごと、男女別などで色々な呼び名がある。

 聖職者、坊主、神父、牧師、シャーマン、僧侶、神官、神主、修道士、宣教師、伝道師、シスター、スール、修道女、巫女、主教、大主教、助祭、司祭、大司祭、枢機卿など。

 修道士(女)は、禁欲的な生活を男女別に集団で修道院にて生活している。


◆施設名

 神道は神社、仏教はお寺、寺院、キリスト教は教会、修道院、聖堂、教会堂、礼拝堂、チャーチ、チャペル。

 他に神殿、祠など。


 施設名は宗教名の代名詞としても用いられる。

 現実の宗教観を回避したい場合には、比較的マイナーな用語を使うこともできる。

 しかし、そこそこ特定の宗教等で使われているものもあるので、確認をオススメします。

 [聖堂]、神堂、教堂、聖殿、[神殿]、教殿。

 聖院、神院、教院、聖寺、神寺、教寺。

 聖社、[神社]、教社、聖会、神会、[教会]。

 聖学校、[神学校]、教学校。聖校、神校、教校。

 聖舎、神舎、教舎、聖塾、神塾、教塾。

 聖祠、(神祠)、教祠、聖廟、神廟、教廟。

 [礼拝堂]、礼拝殿、礼拝祠、礼拝廟。

 礼堂、礼殿、礼院、礼寺、礼祠、礼廟。

 拝堂、拝殿、拝院、拝寺、拝祠、拝廟。

 祭堂、祭殿、祭院、祭寺、祭祠、祭廟。


 精霊、妖精、祖先の霊を祭っているというなら以下もあり。

 霊堂、霊殿、霊院、霊寺、霊祠、霊廟。


◆お祈り、礼拝

 手を合わせるとは限らないが、何らかのジェスチャーがある。

 そして、特定の決まりの言葉がある。

 代表的なのは、ご飯を食べるときのお祈りなど。朝、昼、夜の挨拶などもある。

 聖職者などは、毎日祈りをささげる時間があり、繰り返し、祈りをささげる。


◆参拝

 外部の人が礼拝しに行くのを「参拝」という。

 神仏の場合、参堂するといい、お賽銭箱がある。

 御殿などへ行くのは参殿という。


◆数珠、ロザリオ

 お祈りの数を数えるための玉が連なって輪っか状になったもの。

 玉の間を指で挟んで数を数え、一周させて回数を数える。


◆冠婚葬祭

 成人の儀式(元服)、結婚、葬式、祭礼などの宗教行為の事。

 冠は現代でも「弱冠」という表現に残っている。


◆お墓

 十字架が建っていたり、墓標があったりする。

 宗教により火葬や土葬などの決まりがある。

 王族などの墓はとても大きいのがよくある。


 なおファンタジーではゾンビ化するために、土葬を嫌う場合もある。

 しかし逆説的には土葬しているからゾンビの概念があるともいう。


◆洗礼

 身体を水に浸して罪を清めること。

 洗礼を終えると、洗礼名をつけてもらえる。

 外国人のミドルネームは洗礼名のこともある。

 赤ちゃんの時の洗礼を、幼児洗礼という。

 洗礼を受けると、正式に信者として迎えられる。


◆巡礼

 聖地などを巡って訪ねること。

 複数の目的地をめぐる場合と、特定の一か所に向かう道を訪ねる場合とがある。


◆喜捨、お布施

 または献金、寄付、寄進など。

 お金や物を寄付すること。宗教ではよくある行為。


◆国教

 国が特定の宗教を信仰するように定めている時の宗教。

 複数の宗教から、選んで選択しなければならない国や、宗教が自由な国も存在する。

 特定の宗教を信仰することを禁止することもある。


◆邪教

 国教とは逆に、邪(よこしま)な宗教とされ弾圧されることもある。

 悪魔崇拝などの本当に邪なものと、外国から来た異教なだけな場合とに分かれるかもしれない。


◆聖典、経典、バイブル

 宗教の重要なことが書いてある本。複数あることもある。


◆教義

 宗教の教えの内容のこと。


◆戒律

 守らなければならない規則のこと。法律の宗教版のようなもの。


◆暦

 暦(こよみ)も宗教と密接な関係がある。

 年号、月、曜日、どれも宗教と関連している。


◆祝日

 毎週の休みや、特定の祝日を宗教で決める。


◆祭日、ホリデー

 宗教儀式、お祭りをする日。

 戦前日本では「新嘗祭(にいなめさい)」など祝日=祭日、だっだが、戦後宗教分離の建前上、分離された。


◆安息日、サバト

 何もしてはらない日。曜日。現代ではだいたい土曜日。


◆断食

 昼間一切食べない場合や、肉を食べない期間などがある。

 誤解されがちだけど、24時間数日間以上に渡って「ずっと全く口にしない」わけではない。死んじゃうので。


◆啓示

 神の啓示など。神様によって、何か教えてもらうこと。


◆神託、オラクル

 神から託されたお願いごと。

 神の伝えられた言葉。


◆天地創造

 神が天空から地上まですべてを作ったとする話の事。


◆殉教

 信仰のために死ぬこと。


◆天国

 ヘブン。生前よい行いをした人が死後に行く世界。

 天使などがいたりする場所。

 類似は仏教の極楽浄土。


◆地獄

 ヘル。厳密には同じではないけど、ゲヘナ、ハデス、冥府、黄泉。

 生前悪い行いをすると、死後に行くとされる場所。

 地獄に落とされるという。


◆楽園

 パラダイス。元はアダムとイブが最初に住んでいたエデンの園のこと。

 ユートピアは理想郷。


◆主

 神の事。名前や神様と直接呼ばずに、わがしゅと間接的に呼ぶ。「あるじ」ではなくだいたい「しゅ」と読む。


◆使徒

 十二使徒。キリストが選んだ弟子の事。


◆天使

 エンジェル。神の使いのこと。使徒と違い人間ではない。

 ○○エルのような名前で呼ばれる。

 エルはヘブライ語で神や光の意味なので、天使も神の一部とみなされるだろう。


◆悪魔

 悪の性質を持つ天使の反対の性質の者。

 天使が悪魔に落とされて堕天使になった者もいる。


◆聖○

 聖地、聖者、聖人、聖女、聖戦、聖域、聖遺物、聖杯、聖書、聖母。

 聖別、聖槍、聖体、聖餅、聖絶、聖化、聖伝、聖隷、聖洗、聖座、聖霊、聖神、聖骸布、聖櫃、聖変化、聖性、聖句、聖爵、聖釘、聖約。

 聖剣、聖獣、聖国、聖都、聖銀。


◆聖歌、讃美歌

 教会で歌う歌。宗教歌。


◆聖印

 聖なる印のこと。キリスト教の場合の十字を切る動作を「聖印を切る」と言って十字以外の動作を包括的に呼ぶときに便利である。

 OKサインとか、人差し指と同じ手の中指をクロスさせるとか、オリジナル宗教での動作を示すことができる。

 日本でも、手を合わせるとか、相撲で手刀で「立心」を書く動作などがある。

 盾などにマークを書く場合も聖印と呼ばれる。


◆聖痕、スティグマ

 聖なる傷跡。なんだかの現れた証とかなんとか。

 勇者の聖痕、聖女の聖痕などが定番。

 原義的にはいわゆる奴隷紋、淫紋のこともスティグマという。


◆神の血、神の肉

 「肉と血」は「パンとワイン」のこと。


◆背信、背信行為

 信頼されているものから背く行い。

 ビジネス的なものから宗教的なものまで。


◆異端、異端審問

 宗教の道から外れた行いをする人のこと。

 異端審問はその裁判のようなもの。

 異端と認定されると、火あぶりにされたりする。

 魔女狩り。魔女裁判。


◆隠れ信者

 法などにより特定の宗教を禁止されていて、隠れて宗教を信仰することがある。


◆免罪符

 罪を免除するお札のこと。

 現代では慣用句として用いられることが多い。

 宗教上では実際に、特例や利権として免罪符が発行されえる。


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