12. 装備、武器、防具、アクセサリー

◇武器


◆剣

 ソード。片手剣は片手で持てる軽い物、両手剣は長い剣。短剣はダガーのようなものをいう。基本的には両刃(諸刃)で直刀だが、広義には片刃も含む。

 いにしえのTRPG時代には"スウォード"と言った。

 英語ではswordのwは発音しないので特殊表記を避けているわけではなく単純に発音としてもソードのほうが原音に近い。

 エストックは細い刺す剣、レイピアは護衛・決闘用の細い片手剣。

 ショートソード小剣とは本来は歩兵が使う片手剣のこと。

 ロングソード長剣は本来は騎兵が使う剣のことでやや長めの片手剣。もう片方の手で手綱を握る。またはバスタードソードなどを含む単に長めの剣の総称。

 ツーハンデッドソードは両手剣のこと。

 バスタードソードは「片手半剣」とも呼ばれ、本来は片手でも両手でも持てる長さの剣のこと。剣のイメージが大剣の「バスターソード」になっている場合があるが誤用。

 バスターソードは『FF7 ファイナルファンタジーVII』のクラウドが装備している幅が30センチくらいある大剣のこと【固有名詞】なので使用はあまりよくない。バスタードソードとの誤記が多いので注意を要する。

 グレートソードまたはグレイトソードは大きな剣、大剣のこと。史実では単に大きな剣を指すが、創作では特に大きなバスターソードのようなものを指すことが多い。

 斬馬刀は創作では幅広のグレートソード似の大剣のことをだいたいいう。これには『るろうに剣心』の相楽左之助のイメージが先行している。

 スモールソードはレイピアの発展系で近代18世紀ごろの小さめの片手剣。レイピア同様ナックルガードが特徴的。

 ブロードソードはレイピアと比べて幅広の近代の片手剣、やはりたぶんナックルガード付き。

 ブレードソード、ブレイドソード。不明→もしかしてブロードソード。ブレード自体は刀身という意味。アイスブレードやファイアブレードなどはありだろう。


◆刀

 刀は片方に刃がある。日本刀は多少湾曲している。サーベル(セイバー)はヨーロッパの刀。

 ナイフは短刀をさすことが多い。


◆槍

 スピア。柄の部分が長く穂先に刃が付いている。馬に対して効果が高い。衛兵や門番は槍を持つことが多い。ランスは馬上槍、パイクはスピアを改良した長い槍。パイクは迷宮の通路で振り回すには長すぎるように思う。ジャベリンは投げ槍。


◆斧

 アックス。アクス。柄の先の片方向(横)に刃があるものと両方に刃があるものがある。

 片方に刃、反対側がハンマーやスパイクのものもある。

 農業用などと区別してバトルアックス戦斧せんぷと書くこともある。

 柄が短いものを手斧ハンドアックスともいう。

 ゲームでは両手斧、片手斧に分かれていることがある。


◆槍斧

 ポールアックス。長い柄の先に斧がついたもの。

 棒または槍状のものをポールウェポンという。


◆ハルバード

 槍と斧の中間の形状。ポールアックスの一種で先に槍っぽい穂先もついている。

 ハルバートともいう。


◆弓

 弓矢。ボウ。あんまり言わないけどアーチ。弓に弦を張り手で引いて矢を撃つ。

 ショートボウ短弓たんきゅう、ロングボウ長弓きょうきゅうなどがある。

 やや近代化すると複合弓ふくごうきゅうコンポジットボウ(合成弓ごうせいきゅう)が出てくる。


◆クロスボウ

 弩(おおゆみ)、ど、いしゆみ、石弓。バネの力で矢を弦にセットする。引き金がある。弓部分は横向きにするようだ。普通の弓より矢が短い。

 なお「ボウガン」とよく書かれるがこれは現代日本のものでボウガン社の製品名なので必要がなければクロスボウという表記をおすすめする。

 マスコミでは「ボーガン」という表記も近年見かける。

 魔法でおなじみのボルトともいう。


◆銃

 異世界ではマイナーなことが多い。魔法銃のような物もある。


◆杖

 魔法の杖。指揮棒のようなタイプ(タクト)と老人用の杖のようなタイプがある。バトン、メイス、ワンド、ロッド、ステッキ、スタッフなどと呼ぶが違いは曖昧なこともある。上の部分に魔法石などが付いている物もある。また杖で殴ったり剣を受け止めたりすることがある。


◆鈍器

 殴りつけるための武器。ウォーハンマー戦鎚、バトルメイス戦棍、クラブ棍棒、モーニングスターが有名。メイスは先端が重いだけで刃などはなく多少尖っている程度。フレイルは鎖で先端部と柄の部分が分かれている。

 ハンマーのツチ/ツイには、「槌」と「鎚」の字があり、こだわる作者は偏の通り木と金属で書き分けることがある。

 ポールハンマー槍鎚/槍槌/棒鎚/棒槌なんかもある。


◆ナックル

 ナックルダスターの略。メリケンサック。指にはめて打撃を強化する武器。


◆クロー、クロウ

 爪状の武器。手首あたりに固定して手の甲に金属の爪が突き出ているような武器。


◆糸

 たぶんファンタジー武器。

 切断するほど鋭い糸を張り、相手を切り刻む。


◆バリスタ

 2メートル程度の大きさの巨大な弓矢。要塞の防御用などで使う。

 クロスボウのように弓を横向きに設置する。


◆カタパルト、投石機

 石を投げる兵器。城攻めや戦争で使用する。大きいものを主にさす。

 城攻めで使用する兵器を攻城兵器と呼ぶ。


◆トレビュシェット

 大型の攻城兵器、投石器。平衡錘投石機。


◆投石器、スリングショット、パチンコ

 Y字型になっていてゴムを張ってそこに石を置いて伸ばして投げる武器。

 普通の石、鉄の玉、火が着いた木の玉などを投げる。


◆投石器、スリング

 縄跳びみたいになっていて真ん中に石を置く場所がある紐。

 紐の両側を片手で持ち、二つ折りにして石をその真ん中に置き振り回して、紐の片方を放すことで投げることができる。


◆投擲武器、火炎瓶、爆弾(手榴弾)

 石や投げナイフを投げる。チャクラム、斧のトマホーク、槍のジャベリン、ブーメランなども投げる。

 火炎瓶はビンが割れて中の油が飛び散り周りに火を広げる。

 手榴弾は安全ピンを抜き投げると、数秒後に爆発する近代の投擲武器。


◆農具

 一揆などで武器にした。

 シャベル、スコップ、鍬(くわ)、鉈(なた)、鎌(かま)、フォーク、鋤(すき)、鋏(はさみ)、ツルハシ、ジョレン、ノコギリなど。

 柄の先に金属の部品が付いている物が多く、それらは斧のように使用可能だ。

 農具などから発展した武器には、バトルアックス(戦斧)、ウォーハンマー(戦槌)、ウォーピック、鶴嘴(ツルハシ)などがある。


◆調理器具・食器

 主にネタ装備。武器または、シールド系防具として活用している。

 包丁、フライパン、鍋蓋、まな板、フライ返し、お玉、フォーク、スプーン、お皿など。


◆ホウキ、箒

 ファンタジー装備。魔女の通常装備。乗って空も飛べる。

 武器としてどのように使うか良く分からないが、おそらく魔法の杖のような感じだろう。


◆本

 ファンタジー装備。魔術書。魔法書。スペルブック。魔導書グリモワール。


◆水晶、クリスタル

 ファンタジー装備。占い師が使うような水晶。


◆オーブ、法具

 なんかよくわからない形の魔法具。


◆バールのようなもの

 ネタ装備だが侮れない「バールのようなもの」。バールはエル字型のくぎ抜きみたいなもの。



◇防具


◆盾

 シールド。防御用の板。シールドバッシュという技で相手を盾で吹き飛ばすこともできる。

 漢字では「木の盾」を意味するらしい「楯」という字もあり、表記ゆれがある。

 「矛盾」⇔「矛楯」、「盾突く」⇔「楯突く」など。

 大きい盾を大盾、小さいのを小盾のように呼び分ける場合もある。

 木盾、鉄盾のように素材名でも呼ぶ。

 小型の丸盾をバックラーと呼ぶ。

 丸い盾をラウンドシールドと呼ぶ。

 大きい盾をタワーシールドと呼ぶ。

 やや大きめの西洋風の凧型のカイトシールドというものもある。


◆鎧[よろい]

 アーマー。体全体用の防具。


●金属鎧、重鎧/ヘビーアーマー

 全金属のものは重鎧と言ったりする。

 金属板のものをプレートアーマー、全部金属板のものをフルプレートアーマーと呼ぶ。

 銃から守る胴体のみ金属板のものをハーフアーマーと呼ぶ。

 胸当てだけ金属で他が布のような防具をブレストプレートという。

 鎖でできている物をチェインメイルという。

 鱗状の金属板や竜の鱗をつなぎ合わせてつくったものをスケイルアーマーという。今日では間違いといわれているがスケイルメイルと表記することもある。

 ファンタジーではビキニ風のものをビキニアーマーという。

 胸部のみのようなものを、部分鎧という。


●軽鎧/ライトアーマー、革鎧、布鎧

 革鎧。レザーアーマー。軽鎧などと言ったりする。

 革鎧にも柔革鎧ソフトレザーアーマーと硬革鎧ハードレザーアーマーとに別れていることがある。

 ローブ。魔法使いがよく着ている。フードつきのことが多い。なぜかフードの下は全裸だったりすることもある。

 布の服。柔道着、忍者服、聖女服、シスター服、メイド服、闘衣、巫女服、作務衣、襦袢、踊り子の服、あぶないみずぎ、など職業の正装など。


●鎧+ドレス

 姫騎士、女騎士、戦乙女とかが着ている例のあれ。

 布と金属の合成鎧でドレス、スカート風のものを「ドレスアーマー」と呼んだりする。

 pixiv百科事典では「鎧ドレス」という記事があるが、ドレスアーマーの記事はない。

 なろう及びツイッターではドレスアーマーのほうが優勢のようだ。

 広く一般になんと呼ばれているかはよく分からない。

 その他「スカートアーマー」というのがあるかと思いきや、こちらは主にガンダムのMSのスカート部分の装甲板を指す。MS以外でも、ひらひらスカートではなく、硬質でフィンファンネル風のスカートを指すことが多い。


●奴隷服

 いわゆる「貫頭衣かんとうい」。

 麻などの粗末な一枚布に首を通す穴をあけ、前後に布を垂らして、腰ひもを結ぶようなもの。ノースリーブ。布の長さは太もも丈。脇と腰の横は肌が見えている。

 布の色は、そのまんま薄い茶色の麻色。

 だいたいは首輪をされ、さらに場合により鎖につながれている。手足に枷があることも。足は裸足。


◆兜[かぶと]

 ヘルム。頭にかぶる防具。ヘルメットの親戚。顔を隠す部分が上げられるようになっている物もある。

 顔の前面をすべて隠すようなものは、フルフェイスヘルムなどと呼ぶ。


◆籠手[こて]

 ガントレット。手の甲、手首、上腕部分を守る防具。手袋はグローブと呼ぶ。他にミトン、ミットなど。

 ちなみにgauntlet、gantletなので「ガントレッド」は誤記。

 「籠手」と「篭手」の表記ゆれがある。「籠」が2010年から新常用漢字なのでこちらを推奨。


◆靴

 異世界の冒険者ではだいたいブーツ。RPGでは靴で足が速くなったりするので重要アイテム。

 靴類にはシューズ、サンダル、ローファー、ヒール、ミュール、スニーカー、パンプス、トゥシューズ、ズック、革靴、布靴、木靴などがある。

 脛あてをグリーブという。鎧ではブーツとグリーブの一体型などがある。


◆マント、外套[がいとう]

 貴族の場合、紋章などを描くこともある。

 現実世界では防御力はあまり期待できないが、金属鎧が日差しで熱くなる時に日光を遮る役割をすることもある。

 背中装備としては、ファンタジーでは鞄類、羽装備、シールド・剣、旗を背負う。


◆ベルト

 腰に巻く革の紐。

 冒険者、錬金術師などはベルトにポーチなどを付けることがある。

 またポーションなどをストックしておくことも多い。

 闘技場などではチャンピオンベルトなんかもある。


◇アクセサリー


◆ピアス、イヤリング

 耳飾り。ピアスは「穴」イヤリングは「耳環」の意。

 ピアスは耳に穴を空けてそこに引っ掛ける。イヤリングはネジで耳を挟むものを言う。ピアスは耳以外の場所にも着けることがある。


◆指輪、リング

 魔法の力がある宝石が付いているものが多い。もちろん金の指輪のように宝石がない物もある。


◆ネックレス

 首飾り。首に緩くチェーンが垂れるように付ける宝飾品。


◆ブローチ

 襟止め。襟や胸のところなど衣服につける宝飾品。


◆ペンダント

 ネックレスなどに付いているぶら下がった部分。ペンダントトップ。


◆首輪

 異世界では奴隷が主につける。

 日本語(カタカナ語)のイメージとはちょっと違うけど首輪は英語でカラー。

 首に巻く紐はチョーカー。


◆ブレスレット、腕輪

 腕につける輪っか。装飾品。布とゴムでできている輪っかをシュシュと日本では呼ぶ。

 類似にバングルがある。


◆サークレット

 おでこを通るように頭につける輪状の金属の装飾品。


◆アンクレット

 足首につける装飾品。


◆アミュレット

 護符。お守り。魔除け。形状はさまざまだが、腕輪や指輪、ペンダント状の物が多い。

 金属や宝石が付いているものが多いようだ。


◆タリスマン

 お守り。アミュレットは悪いことを避ける的なもので、タリスマンは良い効果があるようなものを指すようだ。


◆チャーム

 ここではペンダントや指輪の小さな飾りを言う。

 魔力のこもったお守りの装身具、装飾品のことも言う。

 ちなみに魅了の魔法(呪文)のこともチャームと呼ぶ。


◆ミサンガ

 手首や足首につける紐。自然に切れると願い事が叶うとされる。


◆髪飾り

 髪の毛につける。

 ヘアピン、リボン、シュシュ、バレッタ、カチューシャ、ヘッドドレス、ヘアバンド、ホワイトブリム、カチューム、キャップ、ナイトキャップ、シニオンカバーなど。


◆ティアラ、クラウン

 王女様とか姫が頭につける宝飾品。王冠はクラウン。


◆ロザリオ

 キリスト教で使う数珠の一種。祈りの回数を数えるために珠がついている。通常首には掛けないらしい。



◇聖剣、魔剣、聖槍など

 なるべく有名っぽいものを、ちょろっとだけ。


◆エクスカリバー

 イギリス、アーサー王伝説に登場する聖剣。


◆レーヴァテイン

 北欧神話に登場する聖剣。

 害や裏切りの杖のような意味だという。


◆デュランダル

 フランスの叙事詩「ローランの歌」に登場する聖剣。


◆カラドボルグ

 ケルト神話に登場する聖剣。


◆グラム

 北欧神話に登場する聖剣。


◆ロンギヌスの槍

 イエスキリストを磔にしたあと刺した槍。

 ロンギヌスは槍を持っていたローマ兵の名前。


◆グングニル

 北欧神話の神オーディンの槍。


◆ゲイボルグ

 アイルランドの話に登場するクー・フーリンの持つ槍。


◆ブリューナク

 ケルト神話に登場する槍の日本独自の呼称。


◆ミョルニル/トールハンマー

 北欧神話の神トールが持つ鎚。


◆イージスの盾

 ギリシャ神話に登場する鉄壁の盾。

 なおメデューサ討伐後、その頭を追加装備して石化能力を得て最強になる。


◆デスサイズ

 死神デスが持ってる鎌。


◆ドラゴンキラー

 ドラゴン殺し。


◆天叢雲剣(あまのむらくものつるぎ)/草薙の剣

 日本神話に登場した、ヤマタノオロチから出てきた剣。

 熱田神宮、天皇家などに伝わる三種の神器の一つ。


◆蜻蛉切(とんぼきり)

 日本の槍。トンボが穂先に止まったときに、あまりの鋭さに切れてしまったという逸話から。


◆矛盾(むじゅん)

 中国故事。どんな盾も貫く矛(ホコ)と、どんな矛からも防ぐ盾。

 辻褄が合わないことのたとえ。


◆村正(むらまさ)

 日本の名刀として有名。村正は刀鍛冶師の名前で襲名されている。

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