2. 職業、ジョブ、クラス

 主人公が主につく職業について記載する。

 一般人のつく職業については「15. 職業EX」も参考のこと。


 異世界でステータス系では、目で見える「職業」が存在することがある。

 職業により、取得可能スキルやステータスの伸びが変化する設定になっている。

 複数の職業につけたり、上位職などがあるケースもある。

 神殿や特定イベント発生で転職や職業を得ることがある。

 ステータスを見れる「石」や転職用の「石」などが設定される場合もある。


 現実のゲームでは、特定の一つの職業をメイン職として選べることが多い。

 転職するには、転職クエスト、転職試験などを受けなければならないこともある。

 スキルツリーのように、職種ツリー、樹形図があったりする。

 上位職は、二次職、三次職のように呼ばれ、ものによっては転生後になれるなど制限がある。

 職業は「職種」「ジョブ」のほかにTRPG、RPG用語でロールプレイの役割、できる能力を表す「クラス」と呼ばれることもある。

 また育成する種類ごとに設定されている場合「近接タイプ」「回避タイプ」「補助タイプ」などから選ぶものもある。

 役割という意味ではRPGのR、ロールプレイではお馴染みの「ロール」という用語も使われる。タンク、アタッカー、ヒーラーなどを指す。


◆勇者、ヒーロー(男)、ヒロイン(女)、ブレイバー

 ヒーロー、ヒロインは厳密に言えば、主人公、英雄のこと。

 ヒロインは元々はヒーローの女性形だけど、ヒーローに救い出されたり、ヒーローと結婚する女性を指す場合のほうが多い。

 一応女性勇者はヒロインと呼ばれるがあまり勇者感はない。

 ゲームでは、剣士と魔法使いを足して二で割ったような便利なスキルを持っていることがある。主人公は、村人の子供だったり異世界から召喚または転生してきたりする。父親が元勇者でその子孫というパターンもある。魔王を倒すために王に任命される。


◆冒険者、(アドベンチャラー)、エクスプローラー

 探検家、探検者。探索者。類似でレンジャー。狩人ハンター。近いものに傭兵。

 勇者が全く小説として受けなくなってから代替的に用いられる主人公の職業。

 RPGではプレイヤーはもれなく冒険者で職業ではなく身分的なものだったりする。

 その実、戦士だったり、魔法使い、錬金術師、テイマーなどの特定職だったりする。

 ようはフリーター、自由業、日雇労働などの立場的なものを表している。

 しかしなろう異世界小説ではAランクやSランクともなれば、一目置かれるようになる。


◆戦士、ファイター

 主に剣を持って戦う。片手剣使いは盾も装備することがある。剣さえあれば誰でもなれるので職業人口が多いとされることが多い。

 剣以外の物理武器、槍戦士、斧戦士などもある。


◆闘士、ウォーリア

 闘う人。野蛮な傭兵的ニュアンスがちょっとある。


◆剣士、ソードファイター

 戦士、闘士が戦闘職全般で主に物理職を指すのに対し「剣使い」を剣士と呼んだりする。

 ポリコレ前は「ソードマン」とも言った。

 剣士→騎士→聖騎士系というふうに上位職になっていることがよくある。


◆騎士、ナイト

 国王、領主に忠誠を誓い、騎士爵の称号を持つ。

 全身鎧に片手剣に盾を装備し前衛で敵の攻撃を受けもつ盾役になる。

 騎兵でもあり、鎧装備に剣や馬上槍を装備する。


◆剣闘士、グラディエーター

 闘技場コロシアムで戦う人。

 猛獣やモンスターを相手にすることもある。

 奴隷だったり専門職だったり、大会で参加する人だったりする。


◆魔法使い、マジシャン、ウィザード、メイジ

 マジックユーザー、魔女ウィッチ、魔術師ウォーロック(男)、魔法少女マジカルガール、魔女っ子リトルウィッチ。

 ソーサラー、ソーサレス(女)などもいる。

 精霊使い、元素使いエレメンタラーもある。

 また魔法を唱えるのを「キャストする」というためマジック・キャスターともいう。

 魔法は詠唱中に無防備になるので後衛職。前衛に守ってもらうことが多い。

 範囲魔法や威力の高い属性魔法で、敵に大ダメージを与える火力担当だ。

 装備は、杖を持つことが多く、ローブなどの軽い服装のイメージが強い。杖で殴ることもある。

 魔法使いは素質が必要とされなれる人が少ないようだ。

 攻撃魔法職を黒魔法使い、回復などを白魔法使いとされることもある。

 魔女は教会に弾圧されていることもある。


◆魔法剣士、魔法戦士、マジック・ソードファイター

 剣士と魔法使いの中間のような存在。

 勇者がそのポジションに近いこともある。

 剣とともに魔法も使える万能キャラだが、器用貧乏の場合も多い。

 魔法剣が使えることもある。


◆[槍刀斧槌鎚棍杖棒鎌鉾矛戟鞭盾]使い

 その武器の専門職。ソードの剣使いに相当する。

 特に槍使いランサー、細剣使いフェンサー、(弓使いアーチャー)あたりが有名。

 英語では「○○(武器名)ユーザー」という。マジックユーザー=魔法使いはこの系統。


◆弓使い、アーチャー

 主に弓を使う。魔法使いが少ない世界などでは軍の遠距離攻撃の主力になったりする。しかし矢の数に問題があるので、長期の戦闘に向かないなど小説で活かしづらい職業。もっとも魔法の矢であれば数の問題がある程度解決する。他にはアイテムボックスに大量に矢を入れておくこともできる。


◆銃士、銃使い、ガンナー、スナイパー、ガンマン、シューター

 銃または魔法銃を使う。

 銃にはガン、ピストル、リボルバー、ライフル、マシンガン、ショットガン、ハンドガン、ハンドキャノンなどがある。

 スナイパーは遠くからじっくり狙って標的を打つ「狙撃手」のこと。主にスナイパーライフルを使う。

 ガンナーはどちらかというと「砲手」で大砲を打つ人のことだが異世界では銃使いにも使われる。

 スナイパー、シューターなどは厳密な定義はともかく弓使いのことを指すこともできる。


◆竜騎兵、ドラグーン

 竜騎士、ドラグーンナイト。

 「地球では」マスケット銃を持った騎兵のこと。

 異世界ではドラゴンやワイバーンに騎乗する騎士のことを指すことも多い。


◆侍、武士、サムライ

 MMORPGでよくある、なんちゃって日本風、和風職業。

 刀剣の中でも武器に片刃曲刀の「刀」を用いる。

 本来なら「太刀」「小太刀」「脇差」などに別れているが、ゲームや小説では曖昧だったりする。

 二刀流もあるかもしれない。

 分類的には、戦士、剣士に近い。


◆忍者、ニンジャ

 MMORPGでよくある、なんちゃって日本風、和風職業。

 手裏剣、クナイ、忍刀、鎌、煙幕、爆弾などを用いる。

 アメコミ風であれば、ヌンチャク、トンファー、連接棍、フレイルなどを使うことがある。

 だいたいあの黒い頭巾の忍者衣装、黒装束をしている。

 女忍者は「くノ一」「くのいち」と呼ばれる。こちらは赤頭巾の場合がある。

 分類的には、シーフ、アサシン、斥候に近い。

 アイエエエ、ニンジャ、ニンジャナンデ!!


◆盗賊、シーフ

 日本語では犯罪者っぽい名称だがファンタジー用語的には少し違う。ダンジョンで地図作製、罠発見、宝箱の鍵を開けるなどのスキルを持つことが多い。回避、素早さが特徴で、ナイフなどの短剣を装備する。


◆暗殺者、暗器使い、アサシン

 人殺し。闇ギルドに所属していて違法な依頼を受けて人殺しなどをする。

 逆に他の組織のアサシンから貴人を守るための護衛をすることもある。

 密偵、尾行、聞き込み、ヤラセ、世論誘導、毒殺などを得意とする。


◆回復職、ヒーラー

 回復系キャラクター。聖属性とされることもある。

 聖職者、聖女(聖人セイント)、教皇ポープ、女教皇ハイプリエステス、枢機卿カーディナル、総大司教、大司教アークビショップ、司教ビショップ、司祭プリースト(男)、助祭、侍祭アコライト、修道士ブラザー、修道女シスター、神父ファーザー、大神官、神官(プリースト)、牧師クレリック、宣教師、女神官プリーステス、僧、僧侶モンク、巫女、かんなぎ、尼、神子、神主、宮司、禰宜、権禰宜、氏子、坊主、お坊さん、和尚、ドルイド、神学者、白魔法使い、白魔法士、白魔法師、白魔術師、聖魔術師、治療士、治療術師、治癒士、治癒術師など。


 白魔法使い系としては、ローブなどの軽鎧に、ロッドやメイスを主に装備する。

 僧では、少林寺のような格闘家だったりもする。男性の場合、褐色の坊主で筋肉マッチョという場合も多い。

 聖騎士、神殿騎士などのタイプでは、全身鎧に大盾、大剣など重武装になる。

 聖職者系では、布の服系の法衣に法具などの金ぴか装備などもある。

 巫女、聖女系であれば、巫女服やドレスアーマーに剣、杖、錫杖、聖杯、法具、聖具など特殊装備を持つことも多い。


 アンデッドや幽霊系魔物に対して高い攻撃力を持つことが多い。魔法使い同様、素質が必要とされる。大抵の場合、神殿・教会に所属していて結婚が許されない。僧侶をやめることを還俗げんぞくと言い、還俗すると結婚できるようになる。

 巫女などは神の神託を受け、神の言葉を伝えることができる。


◆付与術師、エンチャンター、バッファー、デバッファー

 補助魔法、付与魔法を専門とする魔法職。

 バフ、デバフなどステータス上昇・減少、拘束、毒などを付与する。


◆商人、マーチャント

 行商人はペドラー。

 ゲームではお店の商品が安く買え、高く売れる、多くの荷物を持てるなどの特徴がある。

 ファンタジー世界では、お店を持っている人よりも、露天商、行商人などが多い。

 都市でのお店持ちは大抵大金持ちだ。算術が得意で、契約の魔法が使えたりする。算術自体も魔法の場合もある。魔法の鞄がなければ、荷物持ちも重要だ。

 なろう小説では奴隷の専門店である「奴隷商人」もよく登場する。


◆錬金術師、アルケミスト

 回復薬などのポーションを生産することができる。不老不死の研究をしたり賢者の石を使ったり人工生命体のホムンクルスを作ったりする。

 錬金術で魔力を使うという設定がよくあり、魔力が少なかったり制御が下手だと錬金術師になれない。ちょっと怪しい職業なので、裏路地などに居を構えることが多い。

 本人はあまり戦闘に向かないが、薬でブーストしたり、ホムンクルスに戦わせたりできる。

 「薬師くすし」「調薬師」「調合師」「薬剤師」なども関連職業になる。

 道具、手段として「錬金釜」「錬金炉」による「錬金」の他に「合成釜」「合成の布」などによる「合成」がある。

 それから鍋やフラスコ、ビーカーなどによる「調薬」ももちろんある。


◆斥候、スカウト

 先に敵を見に行って偵察をする職業。パトロール。攻撃力はそれほどでもないが索敵スキルが高かったり、馬に乗っていたりする。

 斥候はシーフがすることも多い。


◆荷物持ち、ポーター

 ダンジョンの荷物持ちの専門職をこういう。

 子供や弱小種族などがよくこの職に就く。


◆テイマー、魔物使い、猛獣使い、トレーナー

 魔物使いはモンスターテイマー、猛獣使いはビーストテイマーと呼ばれる。

 一応テイマーそのものの訳語は「調教師」だが、なろう小説はじめファンタジー界ではモンスターの使役に対して調教師の語が使わることはあまりなく、もっぱらテイマーか魔物使いと書く。

 むしろエッチな小説などで奴隷に対して調教師という語は多く使われる。

 ポケモン、ウマ娘をはじめより一般的な語の「トレーナー」と呼称することがある。英語のトレーナーにも訓練師、(ペットや動物の)調教師の意味がある。

 魔物や動物を捕獲(テイム)して、自分の配下にし戦闘や労働をさせる。ドラゴン乗りが最強だ。

 テイマー、テイムは馴らす人、馴らすことなので、野生の特定のモンスターを飼いならすことを指す。そのため出てきた敵を捕まえて利用する。

 なぜかなろう小説では、モンスターを出し入れ可能すなわち召喚できることがあるがそれだとサモナーのような気もする。ポケモンの影響かもしれない。

 なろう小説ではモフモフ天国に一定の需要がある。


◆召喚士、サモナー

 モンスターや死霊、悪魔、動物、召喚獣を呼び出して戦わせる職業。

 死霊術師ネクロマンサーや悪魔召喚などもある。

 テイマーと違い、必ずしも敵を捕まえる必要はなく、呼び出して初めて会うということのほうが多い。


◆踊り子、ダンサー

 ドラクエによく出てくる、紐水着みたいな服に細い金のチェーンなどをつけた格好の褐色の美少女。

 MMO的ゲーム世界では踊りによるバフ効果がある。


◆トリックスター

 神話などで秩序を破り物語を進める人物のこと。いたずら好きらしい。

 突飛なことをする人。

 しばしば遊び人系、盗賊系ジョブとされる。


◆聖女、セイント

 [せいじょ]。よく小説に登場するヒロインの職業のような何か。

 一般的には教会が聖人の女性、聖女認定した人物をそう呼ぶ。

 だいたいはヒーラー的ポジションもしくは巫女であることが多い。

 セイントにはウェイター、ウェイトレスのような女性形がなく、正確には聖女または聖人を指す。


◆賢者、セージ、ワイズマン

 [けんじゃ]。知識人っぽい何か。大賢者。

 錬金術師に似ていたり、教師先生的であったりする。

 RPG的には剣と魔法両方使ったり、よくわからない感じの人が多い。

 なろう的にはすべての魔法を扱える大魔法使いのようなものも多い。


◆剣聖、ソードマスター

 [けんせい]。卓越した剣技を持ち、なんかとにかく強い。


◆姫騎士、プリンセス・ナイト

 [ひめきし]。王様の娘、お姫様が騎士をしている。場合によってはお姫様専属の女性騎士をそう呼ぶ。

 小説ではよくエッチな目にあう定番職。


◆戦姫、バトル・プリンセス

 [せんき]。戦う姫。別に王の娘以外でも女性であればこう呼ぶことがある。


◆戦乙女、バルキリー、ワルキューレ

 [いくさおとめ]。戦姫みたいな何か。

 英語がvalkyrie/バルキリー、ドイツ語がワルキューレ。

 ワルキューレは戦場で死んだ人をValhalla(バルハラ/天国)に連れていく天使のような女性のこと。


◆クルセイダー

 十字軍兵。騎士と聖職者を兼ねたような職業。

 剣と盾、鎧を装備し、かつ聖魔法による回復魔法や奇跡っぽい魔法が使えたりする。


◆パラディン

 聖騎士。近衛騎士。

 やっぱり剣と盾、鎧を装備し、かつ聖魔法による回復魔法や奇跡っぽい魔法が使えたりする。


◆テンプル・ナイト

 テンプル騎士団兵。修道騎士。神殿騎士。

 テンプル騎士団という固有名詞の修道会の騎士。十字軍の遠征などに参加した。


◆ロイヤルガード

 近衛兵。パラディンに似ている。


◆インペリアルガード

 帝国の近衛兵。


◆○○士

現代で言えば弁護士、公認会計士、行政書士、弁理士、救急救命士、栄養士などのこと。

「士業」のこと。「さむらいぎょう」ともいい、元々は士農工商の「士」階級の事だと思われる。

資格を必要とされる職業に多い。

語源的には「男性」を指すことがある若干ある。

しかし「保育士」などは現代では割と男女平等語として使用されている。


◆○○師、○○術師

現代では「看護婦」「看護士」を合わせて「看護師」とするなど、男女平等の資格を有する仕事を指すことがある。

「師範」「師弟」「師匠」とくに「教師」など「師」は「先生」(ドクター)的な意味合いを持つ。

医療関係の職業に多く使われる。


◆○○遣い、○○使い

一応区分としては名詞には「遣い」→「仮名遣い」、動詞には「使い」を使うということが多い。

しかし「xxx user」「xxxer」といった「魔法使い」「槍使い」などには「使い」を使うことが一般的。

ただし『魔法遣いに大切なこと』のように固有名詞的に「遣い」を使うことも間違いではない。

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