10.仲間増えた。嬉しい。
はいっ、朝になりました!
俺ね、実際に野宿してみたら案外悪くないのかもしれないって思えてきたんですよ。
熱くもなく寒くもない丁度いい温度で、灯りもなにもなくて空気も澄んでいるから夜景も綺麗。
朝は小鳥の鳴き声で起きる。
まじで最高!
……まあ、その分虫も多いから結局50/50だけどね。
あ、通信機みたらもう10時じゃん。
めっちゃねたな。
それじゃ、あの女の人の家に行きますかね。
―――あ。あの機械の部品忘れてた。
はいっおはようございます!
さて、あの能力者の男の人が来ますよ。
……それにしてもなー来るのは良いんだけど本当にどうする?
主に仲間にするのかに関して。
だって、盗聴器で何も聞けないし言動とかがどことなく怪しいし、能力者だし―――
まじで、昨日の夜とかにずっとどうするか考えてたんだよね。
まあ、その結果なにも得られなかったんですけどね!
私悪くない。
ダンダンッ
お?きたかな?
外に出ると昨日の男がいた。
「おはようございます。」
「あ、はい。おはようございます。……それじゃ家の中に入って下さい。」
……話が続かねーー!
これ後一時間くらい面接みたいのする予定だけど大丈夫か?
部屋に入ってもらうと家の中を観察しているような動きをしていた。
うん。怪しすぎんだろ。
「まずお名前は?」
「えっと、山本響です。」
山本響?どっかで聞いた時あるような……気のせいか。
「それじゃあなんで私のところにいらっしゃったのでしょうか。」
「そうですね…………特に理由はないんですよね。」
「は?はぁ……」
「でも、強いて言うなら文章の威圧感ですかね。」
あ、そういや私なんか人の目を引くような文面にしようと思って、教科書で見た昭和のときの雑誌みたいな感じにして書いたんだった。
忘れてたわ。
その後20分くらいいろいろと聞いた後にこの質問をした。
「あなたの能力はなんですか?」
「えーっと、俺の能力はですね。えーっと……通話ですね。」
その後通話についての一連の説明を受けた。
「それじゃ、その通話を私にやってみてくださいよ。」
「それは無理なんですよね。なぜかあなたに能力を使おうとしたときだけ能力がはじきかえされるんですよ。」
弾き返される?
どゆこと?
「どういうことですか?」
「そのままの意味ですよ。最初に会った時にあなたの心を読もうと思って通話をしたんですよ。そしたら、あの……表現するのは難しいんですけど、弾き返されたみたいな感触を感じて能力を発動できなかったんですよね。」
「それは他の人には出来たんですか?」
「はい。」
うーん?
意味分かんない。
私に特別な力があるってこと?
んーーーでもこの人、怪しいけど嘘ついてるようには感じないんだよな。
初対面でいきなり能力使おうとしたのは許さないけどな!
「それじゃあ一応確認のためにもう少しで瑠衣野さんって言う人が来るからその人の心を読んで下さい。それが実際に出来たら仲間として一緒に活動をしましょう。」
「っ!はいっ!」
ここまで来てわかった。
この人絶対嘘ついてねーわ。
根拠?
感だよカン。
女の人の家に行くと家の中に通された。
……いくらなんでも危機感無さ過ぎでは?
俺がなにかするとか思わないのか?
家の中は、ほんとに電気設備も何もなくて、一応長時間電池みたいのがあり、それはテレビに繋いであった。
そのテレビにファミコンが繋いである件について……
あ、なんか女の人が俺の方を訝しげな目で見てるわ。
すいません。
その後、いろいろと俺の情報を聞かれた。
で、20分くらい経った頃に一番大事な質問をしてきた。
「あなたの能力はなんですか?」
「え?えーっと、俺の能力は通話ですね。」
いきなりでびっくりしたわ。
まあ、基本機能についていろいろと説明した。
そしたら、私にやってみてみたいなことを言われた。
それで出来ない理由を説明したらなんか、むしろ信頼?された気がした。
なんで?
もしかして特殊性h……ゴホンゴホンッ。
危ない危ない。
仲間にしてもらおうとしてるところのリーダーに特殊性癖なんてあるわけないよね?
ないよね!
……きっと。
まあ、茶番はさておきその後に瑠衣野さんっていう人の心を読めって言われた。
一応確認のためらしい。
そりゃ、一人一個しか能力持てないんだからそうやって能力を特定するわな。
でもさ、なんかさ。
仲間を売るリーダーってさ?
それってさ……
うんやっぱコレもやめとこ。
あーやばい。
なんか俺の中であの女の人の評価が下がりまくっていく。
ガシャッ
「こんにちはー。」
お?誰か来た。
瑠衣野さんか?
それから5分後
「―――ってことで、この山本くんに心の声を聞いてもらいたいんだよ。」
「……え?あの?いきなり過ぎませんかね?」
「大丈夫。大丈夫。なんとかなるって。」
この女の人、怖っ。
瑠衣野さん驚きすぎて固まってるよ?
ほんとに大丈夫?
「あ、山本くん、好きなだけ聞いちゃっていいよ。」
「え?ほんとに大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫大丈夫。やっちゃってよ。」
このリーダー怖い。
なんかこの状況を楽しんでない?
しかもキャラ変わってない?
怖いですよ?
まあ今のうちに聞いときますか。
―――瑠衣野さんに意識を強く向けて心の声を聴く準備はできた。
あとはタイミングだけど……
『えーえーっと、こんにちは?名前、名前は瑠衣野 咲です。』
うん。変なこと聞こえてこなくて良かった。
「あ、はい。一応聴きました。」
「あ、そう?じゃあなんて言ってたの?」
「えーっとですね。こんにちはって言ってたのと名前の紹介をされてました。」
「そうなの?瑠衣野さん?」
「あ、は、はい。」
「へー、こうやって実際に能力を使ってもらったら面白いね。もっと面白いこと考えてんのかなーって思ってんだけど……」
ふー、なんとか第一印象は悪くはなかったみたいだ。
良かったーー。
それにしてもこのリーダー……怖い。
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