07.俺、仲間を作る?


 これは、隊に入ったときに配布された。




 これめっちゃ便利で、昔のスマートフォンみたいな機能は


 さらに、ワープ能力やら護身用の弱いビームを出せたりもできる。




 他にも色々とできるらしいけど、もう機能ありすぎて覚えてない。


 だって、糸を無限に伸ばす能力とかあるんだよ?


 何に使うんだよ。


 今から隊を脱退するからもう使えないんだけどね……




 まあそんなことは置いといて、体調に電話かけますか。




 ―――♪




 「如月だ、どうした?何かあったのか?」




 隊長の優しい言葉が心にくる。


 やめて!それ以上は俺の良心が!




 「は、はい。えーっとですね。俺、兵士やめます。」




 俺はやめたいという理由をできるだけ詳しく言った。




 「そうか……わかった。」




 え?




 「お前がやめたいんだろ?俺もその気持ちはわかるからな。」




 え?マジですか?




 「だがこれだけは言いたい。本当にそれで良いのか?と。お前がやることは能力者への反逆だ。別にお前が非能力者に味方しても勝つことはほぼないに等しい。恐らく非能力者は上層部の判断で根絶させられるだろう。その時はお前も一緒に死ぬことになる。それでもお前はやるのか?それに、お前は反逆者として能力者に狙われる可能性もある。」




 先輩は真剣にそう言ってきた。


 本当に俺のことを心配してくれてることが伝わってくる。 


 でも―――




 「それでも、俺はやります。俺がやらないと、この状況は一切変わらない。それに、友達とかに死んだら嫌じゃないですか。」




 先輩は笑った。




 「そうか、お前らしいな。そうか……」


 「そうです。」


 「わかった。それじゃあ、俺から一つ特例措置をとってやろう。」


 「なんですか?お金でももらえるんですか?」


 「バカ言え。そんなこと俺がするわけ無いだろ。」




 そうっすか。


 期待はしてなかったけどそうやって言われたら、なんか……なんか……。




 「お前が隊を脱退するのではなく、非能力者区画への任務ということにしておいてやろう。」


 「え?ということは?」


 「お前は、まだその通信機も使えるし上層部から狙われることもないだろう。」




 せ、先輩!


 あんた神ですか?神なんですか?




 「よし、話はこれだけか?それじゃ行って来い。もう帰ってくるなよ?」




 なんか、王道青春小説みたいなこと言ってらっしゃるのがちょっと残念だけど有り難い。




 「はい。わかりました。隊長もお元気で。」




 そして俺の能力者としていきるのが終わった。












 さて、隊も脱退したし仲間を探しますか。


 流石に俺一人じゃ能力者一人にも勝てるかわかんないからね。




 えーっと?とりあえずここの常識とか生き方とかを学びますかね。


 じゃないと、非能力の人たちに私刑に処される可能性があるしさ。


 てことで、まずは空から透明になって色々と生活をのぞいていきますか。




 




 




 はい。3日くらい生活を見てみてわかったこと。


 なんか昭和っぽくね?




 だって、家とかも粗末だし電波とかもないし、ビルとかもない。


 俺、昭和のことはよくわからないけどなんとなくそんな感じがした。




 で、俺は裏世界と呼ばれる場所に行った。


 なんで来たのかって?


 なんか、今の俺って無敵だし今まで見ることのできなかった世界とかも見てみたいじゃん?


 だからです。はい。




 それでそこにある掲示板に暗号でこんなことが書かれていた。


 解読すると、




 『この状況に不満を持つ諸君。こんな世界を変えたいと思わないか?変えたいと思った少年少女よ、〇〇に明日来い。』




 って書かれていた。


 いや、ね?


 あのー、なんでこんな書かれている口調まで昭和っぽく書かれてるんだよ!


 意味分かんない。




 これ書いた人がおじいちゃんとかなんだろうか?




 そう思い、書いた人の情報を見てみた。




 『17歳、女』




 はい、本当によくわかんない。


 ……まあとりあえず、俺の考え方にもあってるしここに行ってみますかね。




 




 




 はい、やってまいりました。


 やってきたはいいんだけど、ここ核爆弾が落ちたところじゃねーか。


 本当にどこに集めてんだよ……。




 で、今俺は透明化して空にいるんだけどそれっぽい女の人は……いた!




 そこには、なにもない場所に一人の女の人がいた。




 これは……行ったほうが良い?


 行っても良いんだけど、さすがにこんな何もないところで透明化とか空飛んでいるのとか解除したら怪しまれまくられて、話すどころじゃなくなる。




 はい、完全にミスりました。


 すいません。














 えっと、瑠衣野さんとまた色々と考えていたら私と同じくらいの歳の男の人が訪ねてきた。


 しかもめっちゃ怪しい。


 なんか、能力者だけど仲間に入れてほしいって言ってるんだよね。




 怪しいんだけど、嘘をついているようには見えない。


 だけど、肩書だけ見たら怪しさの塊なんだよなー。




 でももし、本当に私達の仲間になってくれるんだったらとても大きな戦力になる。




 さーってどうしたものか……


 よし、瑠衣野さんに聞いてみますか。




 ってことで、瑠衣野さんにここまでの内容を話した。




 「そうですね。とりあえず、盗聴器を使ってみれば良いのではないでしょうか?」




 瑠衣野さんには、私の手の内はすべて話してある。


 だから私が盗聴器を作れることも知ってる。


 まあ、手の内全部瑠衣野さんに握られてるからもし裏切られたら大変なことになっちゃうけど、ここまで瑠衣野さんと一緒に活動してきて瑠衣野さんが能力者の回し者だって可能性は私の中ではなくなったからいいんだけどさ。




 流石にここまで一緒にいて何も生活に変化ないって瑠衣野さんがスパイだったらありえないって。




 で?なんだっけ?


 ……あ、そうだった、盗聴器仕掛けろって話だった。


 まあ、それが安定択ではあるし、仕掛けますかね。




 ってことで、男の人には明日また来て下さいっていうことにしておいて盗聴器を仕掛けておいた。


 これでどんな情報が出てきますかね?


 しっかりみせてくれよ? 


 うっへっへ。




 あ、名前聞くの忘れてた。




 




 








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る