01.なぜ私に能力ないの?

バンッ


 突如目の前がとても大きな音と何も見えなくなるほどの光で包まれた。


 え?

 なに?

 そして目がーっ!


 そして20秒ほどでその光は収まった。


 え? え? ほんとに何? え?

 と、とりあえず落ち着こう。

 深呼吸、スーーハーー。

 よし、少し落ち着けた。


 で? 何?

 とりあえずSNSで情報見てみますか。


 『やばい、なんか目の前に光がw目が潰れるw』


 『え?なんか空飛んでる人いる。何これ?w』


 『なんかいきなり手から炎でたw意味わからん?ww』


 こんな書き込みが大量にあった。

 こういう書き込みが大量にあったから嘘ではないんだろう。


 それにしても……何この状況?

 私、ただ自分の部屋でごろごろしてただけなんだけど……

 何これ?


 ちょっと語彙力下がって来てる。

 やっぱり全然落ち着けてないわ。


 とりあえずテレビつけてみるか。

 もしかしたら、何か安心できる情報があるかもだからね。


 ポチッ


 そこには、信じられない光景が映っていた。

 中継画面に空を飛んでいる人やらビームのようなものを出している人、倒れている人。

 いろんな人がいろんなことをやっていて無法地帯ような状況になっていた。


 テレビ局も状況を把握出来ていないようで、キャスターも誰もいなくてただただ中継が流れていた。


 もうよくわからない。 

 今何が起きてるの?


 とりあえず情報を集めるか。

 そう思い、私は友達に連絡をして色々と話をきいた。 



 その結果どうやら半数くらいが超能力が発現しているようだった。

 どうやって発現したのかがわかったのかは発現したらその能力の種類が心の中に浮き出てきたかららしい。


 そして私は発現しない方の半数に入ってしまいました。はい。

 悲しくないよ?別に全然悲しくないよ?


 うん。これは悪い夢なんだ。

 きっと寝ればこんなの夢だったっていうオチになってるよ。きっと。


 そう思い、若干怖さに支配されながら私はベットに潜り込んだ。


 


 

 おはようございます。

 きっと大丈夫だよね?


 そう思いながらスマホを取り出すと、SNSを見た。


 ……もちろん夢などではなく現実だった。


 あーないわー。

 いや、別にこのカオスな状況に言ってるんじゃないよ? ただ……なんで、私に超能力がないんだよー!


 だってさ、いままで私だってそういうことに憧れあったんだよ?

 だから普通の人よりそういう欲求強いんだよ?

 なのにさ、周りの奴らが勝ち組アピールしてんだよ?

 そりゃ、そんなふうに考えちゃってもしょうがないよ。うん。


 とりあえず今日は学校休もう。

 なんか……もう……今日は……いいかな。


 でも、これからの生活にあんま関わりないでしょ。

 ただ、空飛んでる人とかが日常的に見えるだけだし。


 ……ん?普通に関わりあるな。


 まあ、別にしばらくしたらそれが普通になって慣れるだろうし大丈夫でしょ。

 ……大丈夫。きっと大丈夫。


 その時はまだ知らなかった。

 まさか、能力を持っている人と持っていない人でこんなにも格差が生まれるなんて……


 


 それから3日後、世界ではいろんな事が起こった。


 まず、政権乗っ取り。


 なんか、強い能力を持った人たちが集まって国会を襲撃したり首相を人質に取ったりして政権を乗っ取ったらしい。

 力を持つって怖いんだな。

 まあ、もうこの時点でやばいけど、こんなことではまだまだ終わらない。


 次に、格差社会の発生。


 これは、さっきの政権を乗っ取った奴らが非能力者を排他的に扱うことを推進したことで起こった。

 普通ならこんなことにはならないんだけど、強い能力を持った人が政権乗っ取りに加わって、推進した側についてしまって弱い能力を持った人たちは強い方につくしかなかったらしい。


 そしてが能力者区画と非能力者区画に分かれて生活することになった。

 うん。意味分かんないよね。  

 安心しろ。私も意味分かんない。


 最後に、これは起こったというか必然なんだけど、能力を持たない人が能力者に全てにおいて劣るようになってしまった。


 運動神経を強化したり知能を上げたりする事ができる能力を持っている人もいる。

 で、その能力のせいでそれを極めた運動選手とか学者よりも高い能力を持つことが出来てしまって、もう非能力者のいる必要性がなくなってしまった。


 これらの原因によって、まじで本当に非能力者に人権がなくなってしまった。


 うん。

 おかしいだろーーーー!

 なんでだよ!

 3日でなんでこんなことになってんだよ。

 おかしいだろ。


 はい、今私が住んでいるのはスラム街みたいなところで、周りには他の家がギュウギュウ詰めになっています。

 電波も繋がらなければ清潔な水もないっていうところで、気がついたら私一人でここにいて能力者の人に色々と教えてもらった。 

 多分、転移系の能力でここまで転移させられたんだろう。


 まじでなんなんだよ!


 …………ふう。少し落ち着こう。


 これからどうする?

 もう、スマホも使えないし勉強も受けれないらしい。

 まだ私の知らない情報もまだまだありそうだし……


 別に、仲間を集めて反乱を起こしたりしても良いんだけど、いかんせん相手が強すぎるんだよね。


 普通に戦ったら能力者一人VS非能力者5人でも勝てないらしい。


 しかも、一番強い能力を持ったボスみたいな人はもう、非能力者三分の一で戦っても勝てないらしい。

 要は12億人で戦っても勝てないってことですね。


 ……まじでクソゲーだろ。

 あ、らしいって聞いたように言ってるのは、全部この家に来た時にいた能力者の人からきいた情報だからなんだよね。


 あと、私の家族の状況もわからない。

 もしかしたら家族全員能力を発言している可能性も十分にある。


 まあ、寂しいっちゃ寂しいけど殆どただ一緒に住んでる他人みたいな状況だったから特になんとも思わない。

 一緒に食事したことなんか小学校卒業してからはほとんどなかったしね。

 だからもしここの近くに住んでいたとしても会いにも行かない。

 我ながら親不孝だな。


 まあ、そんな事はおいといて、……ほんとにこの状況ってなんなんだよ!

 いくらなんでもたかが二分の一の確率に当たらなかっただけでこんな扱いを受けるのは流石におかしいと思う。

 まあ、私一人ではなんにも出来ないからこれから能力が発現したりしない限り一生ここで暮らすことになると思う。


 しかも、その一筋の希望でさえ非能力者に中で頭のいい学者の人たちが色々研究したらほとんど起こることはないらしい。


 うん。

 もう私怒らない。

 私強い子。


それにしても能力者さん、非能力者への扱い酷くないですかね?

 ……よし。決めた。苛ついてきたから能力者の伸びまくってる鼻をいつか絶対に折ってやろう!

 なんか、自分たちだけ安全圏でゴロゴロしてるかもしれないって思ったら……ね?


 ってことで、ちょっといろいろ考えて見ますかね。

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