第8話

最強の敵

美雪は我慢した。

首枷、手枷を付けられ、ローションを塗られ、

次から次へと性器に突っ込まれた。

動けないので、誰が突っ込んでいるのかも分からない。

性器からは精液が溢れた。

意識が朦朧としてきた。


田口の順番となった。田口は密かにタオルに拳銃を忍ばせていた。

「おい、聞いてるか?」田口は自分の物を美雪に入れながら聞いた。

「田口」「シーっ、バレたら不味い」

美雪は固定されていて、相手が見えないが田口と確信した。

「犯人の目的は私たちよ。」「そうだな。」

「私を人質にして…」

田口は、タオルから拳銃を取り出すと上に向かって撃った。


場内が静まりかえった。

「この女は人質だ。殺されたくなかったら、言う事を聞け!」と美雪に銃をあてた。


「やめろ!そいつらは、世界中でたった5人しかいないんだぞ。やめてくれ。」

松頭三次は叫んだ。その時、気づいた。


「何だ、そのカメラは!」

場内の隅からカメラマンは放送を続けていた。

無意味に裸にされ、次から次と犯される5人の女。それを視聴者は見ていたのだ。

「はは、面白いでしょ。松頭さん。」

司会者はマイクを持って笑った。

「あんたらバンパイアは許せないんだよ。これで俺たちが、あんたらに操られていた事も分かるだろう。」


三つ巴の形となった。

「女たちを解放しろ!」女たちは解放された。


警察は動き出した。

松頭三次の顔がテレビに映しだされた。

「警察が加担した事がバレたら困る。彼奴を抹殺しろ。」それが上層部の判断だった。


渋川課長は松頭三次が関わったファイルを見ていた。ふと、持ち上げると写真が一枚落ちた。

「え!不味い」

そこには松頭三次と一緒に写った真崎心がいた。


ガツン!田口は殴られた。

真崎心は倒れた田口を蹴ると、拳銃を奪った。容赦なく、司会者を撃った。司会者は倒れた。

「よくも、私を…」


「おじい様、どういう事なの?」

真崎心は聞いた。

「今頃、気づいたのか。お前は、その5人の1人なんだよ。我々バンパイアが求めていたもの。太陽の光を浴びても死なない身体を手にいれる事。その5人と交わる事が出来れば叶うんだ。」

「孫の私を犠牲にしてまで…」


田口は真崎心の足を取った。

真崎心は倒れた。美雪は銃を拾うと真崎に向けた。「大人しくしてちょうだい。」

美雪は司会者のマイクを奪うと言った。

「早く、誰か助けに来て」


「渋川、テレビに映ってるのは、お前の部下だな。余計な事を…」署長は言った。

「お前も特殊部隊と一緒に脱獄島に行ってこい。生きて帰るなよ。」


テレビは流れている。沈黙の時間が過ぎた。

1時間くらい経った頃、変化は起きた。

「痛い。」美嘉が倒れこんだ。傷が広がっていたのだ。無理もない。

美雪は抱き抱えようとした。

バンバン!銃声が2回聞こえた。

美雪が手に持っていた銃が弾かれた。

それが合図だった。

バンパイアは一斉に襲ってきた。


「もう、朝まで時間がない。」

そう、まだ誰も一人か二人しか交わる事が出来ていなかったのだ。

バンパイア達は焦った。

次から次へと美雪たちは犯されていった。

田口にはどうする事も出来なかった。


日の出まで、後1時間の所で100人のバンパイア達は目的を達成した。


松頭三次は言う。

「我々は無敵のバンパイアになったぞ!」

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