第6話
松頭三次
田口は渋川課長から尋ねられた。
「お前、松頭三次って知ってるか。」
「あの経済界を裏で操ってるって謎の人物ですか。夜しか行動しないって噂ですが。」
「おお、そうだ。今夜、松頭の一族150人程が脱獄島に向かう予定だ。」
「え。」田口は驚いた。そんな事は聞いてない。
「そうだ。政府の上層部も関わってると言う事だ。」
「では、次に行きましょうか。」
本山知子が選ばれた。
「まだ、カードが残ってるので「王様ゲーム」でいいですか。」
「若い女の子には大変ですが。」と笑いながら言った。
松頭三次は昨日の事を思い出していた。
「代表、あの娘、西条美雪のDNAも一致しました。これで5人揃いましたね。」
「そうか。よくやった。」
思えば、長い日々だった。この日が来るのをどれほど待ちわびたろう。これで我ら一族は無敵になる。あと、1ヶ月後には…
「要は、そのDNAを持つ女と交われば無敵になるんですね。」
「うん。日に当たっても死ななくなるよ。」神崎博士は言った。「ただし、5人一度に交わらなければ効果はない。たて続けにだ。」
その後に博士は続けて言った。
「ただし、一度バンパイアが交わった女は、その日しか効力がない。」
「と言う事は、女たちはその日のうちに我ら一族全てと交わらなければいけないのですか。」
「そうだ。」
そして、今日 事態は急変した。
「代表、ロシアの組織が壊滅しました。」
蛇✖の連中の仕業だ。松頭の一族を日本に集めているうちに裏をかかれた。
「事を早く進めないとな。」
無敵になれば問題はない。
「計画変更だ。」
「番組内で、事故死を装うんじゃなかったんですか。」
「いや、今日中に無敵のバンパイアになりたいんだ。でも、まだ用意が出来てない。時間稼ぎをしてくれ。」
田口は船に乗り込んだ。
急遽、出港させる為に慌てて集めたアルバイトに紛れたのだ。
船は脱獄島へと向かった。
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