第4話

ジャンケン

政府は困惑していた。

金額は、はっきりと提示したにも拘わらず、受け渡しについての連絡がないのだ。


警察と自衛隊は脱獄島を包囲した。

そして、出方を待っていた。


「それでは、全国民の皆さん、最初の犠牲者を決めましょう。Dボタンの用意は出来てますか?」

「怪我をしている知覧さんを除いた4人で決めたいと思います。」

赤 西条美雪

青 山崎佳奈

緑 真崎心

黄 本山知子

振り分けられた。

締切まで5分の時間が与えられた。


緑の真崎心が一番数が多く、選ばれた。

両腕を後ろ手に縛られ、猿轡を噛まされた真崎心がスタジオに連れて来られた。


「最初はジャンケンで行きましょうか。」

と真崎心の後ろ手の縛りを解いた。

「真崎さん、貴方には全国民の皆さんとジャンケンをしてもらいます。3回連続して勝ったら解放しましょう。負けたら一枚ずつ服を脱いでもらいます。そして、脱ぐ物が無くなったら…」

司会者は首を切るマネをした。

赤 グー 青 チョキ 緑 パー だ。


「最初はグー、ジャンケン、ポン」

集計はグルグル回る。赤、グーだ。

「じゃあ、真崎さん出して」

結果を知らない心は、チョキを出した。

彼女はタンクトップを脱いだ。


政府は焦っていた。

犯人は連絡を取ってこない。

なのに、殺人ゲームは始まってしまった。


「あ、せっかく良い所ですが、政府から連絡です。」司会者は言った。

「金の用意は出来た。受け渡し方法は?」

「官房長官、直々ですか。恐れ入ります。」

「まあ、一人位死んでからの方が良くありませんか?」と、軽く言ってのけた。


ゲームは再開した。

何も身につけてない真崎心が、テレビ画面いっぱいに映し出された。

「真崎さん、出して」

彼女は震えながらグーを出した。

「残念です。」司会者は、そう言うと

「さすがに子供にはお見せ出来ませんので」

と真崎心をスタジオから連れ出した。

バン!スタジオに銃声が鳴り響いた。


「それでは、政府の皆さん。受け渡し方法について話し合いましょうか。」

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