第3話

ゲーム開始


新町東署の田口はテレビを見ていた。


18:00になり、番組は始まった。

「本日で6回目になります、脱獄ゲームの時間がやって来ました。」

「それでは参加者の紹介になります。」

「山崎佳奈さん、22歳 自衛隊 …」

次から次へと参加者が紹介された。


「先ずは、第一トラップです。」

牢獄から表まで一本道の通路がある。

そこを走り抜ける競技である。

距離は150mくらいか。障害物が5箇所と弓矢のトラップが3箇所ある。

「本物なの?」弓矢は見た感じは本物だ。

「第一走者 西条美雪さん。」

「はい」美雪は位置についた。

「位置について、よーいドン」

美雪は障害物を飛び越えた。

その時、弓矢が飛んできた。慌てて、弓矢をかわす美雪!

スパッ!腹に何かが掠めた。タンクトップの上着が切れていた。「本物?」

考えてる暇はない。

次から次トラップをかわしてゴールへ向かった。


他の4人も無事にゴール出来た。

現場は拍手喝采だ。

「あの弓矢は本物じゃないの?」美雪、佳奈、美嘉は抗議した。

「まさか、違いますよ。」とディレクターは言った。


「次に第二トラップです。」

牢獄の塀の上を走って向こうまで行く競技である。狙撃手は三名。バンバン撃ってくる弾を避けてゴールすればいいのだ。

「次の第一走者は、知覧美嘉さん。」

美嘉は位置についた。

「よーいドン」美嘉は走った。塀の上は細い。

バン、バン ライフルは容赦なく撃ってくる。

美嘉は重心を崩した。

バン!弾が美嘉の腹に当たった。

「きやあああ」血が舞った。


放送は中断された。

美嘉に当たった弾は貫通していたが、幸い腹の横だったため、そんなに深い傷ではなかった。


「お前ら、もっと運動神経良いと思ってたんだけどな。」と笑いながらディレクターは言った。そして、

「そろそろ、殺人ゲームを始めましょうか。」

と言い、合図をした。


放送は再開された。

「全国民の皆さん。大変、お見苦しい所をお見せしました。」


「私たちは今、5人の人質を取っております。政府に身代金を要求します。金額は200億円です。安いもんでしょ。」


本当のゲームが始まった。


田口は、唾を飲み込んだ。

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