サキアの休日…33

 どうやら、サキアの決意は固いようだ。

ミナトは返す言葉が、見つからない…

困り果てている彼を見ると、

「それよりも、ミナトはどうなの?」

いきなりサキアが、切り返した。

「どうって、何が?」

サキアの矛先が、自分に切り替わり、ミナトは動揺を隠せない。

「別に…何も」

「あら、そう?」

サキアの漆黒の瞳が、キラリと光る。

「せっかく、セッティングしてあげたのに…あなたってば!」

 ホント、つまんない男ねぇ~

サキアは、フン!とソッポを向いた。


 それは、昨夜のこと…

心置きなく、この地を離れよう…

そう決意して、サキアはある画策をしていた。

最後に話がある、と二人を別々に、呼び出していたのだ。

その場所は、あの聖なる山にある、誓いのほこらの側だ。

「必ず、来てよ。

 来なかったら、もう一生…あなたに会わない」

各々に、そう脅して…

「なんで?

 今、言えばいいじゃないの」

 変なサキア!

不思議がるキヨラに向かい、

「それはねぇ、やっぱり昼間には言えないことだって、あるのよ」

 わかんないわよね?

そう言い張る。

「じゃ、ワタシ、マリさんに呼ばれているから」

そう言い捨てると、さっさと帰って行った。

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