サキアの休日…25

「それはねぇ~手っ取り早く、あそこ!」

 サキアは、最近大々的に宣伝している、あの場所へ挑もう…

と、考えているのだ。

「えっ、なに?

 それって、どこ?

 また、会えなくなるのよ」

いつもは穏やかな顔つきのキヨラだが、その顔はますます蒼ざめて、

病人のように見える。

「それはほら、ここよ!」

 これ以上黙っていても、例えウソをついたとしても、いつかはバレる

時が来る。

「ここだけの話ね」

誰にも言わないでね、と何度も繰り返し、先日拾ったチラシを、

キヨラに指し示した。


『あなたも、億万長者に?

 挑戦者求む!

 真の勇者は、誰だ!』

 何だか、どこぞのアミューズメントパークのうたい文句か、というような

文面が、大きくおどっている。

「なぁに、これ」

キヨラは一気に、眉をしかめる。

「だから、運試しよ!」

サキアは、ニカッと笑う。

まるで胡散臭いものを見るように、キヨラは顔をしかめたまま、その文字を

見つめる。

「それって、ホントに、大丈夫なの?」

あそこでは、あまりいい噂を聞かない…と、キヨラは思う。

そんな怪し気な所へ行って、無事にすむものかどうか。

「だって…生きて出る人は、ほぼ1%にも満たない、というでしょ?」

あなたのことが、心配なのよ…

キヨラは、サキアの腕をつかんだ。

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