サキアの休日…25
「それはねぇ~手っ取り早く、あそこ!」
サキアは、最近大々的に宣伝している、あの場所へ挑もう…
と、考えているのだ。
「えっ、なに?
それって、どこ?
また、会えなくなるのよ」
いつもは穏やかな顔つきのキヨラだが、その顔はますます蒼ざめて、
病人のように見える。
「それはほら、ここよ!」
これ以上黙っていても、例えウソをついたとしても、いつかはバレる
時が来る。
「ここだけの話ね」
誰にも言わないでね、と何度も繰り返し、先日拾ったチラシを、
キヨラに指し示した。
『あなたも、億万長者に?
挑戦者求む!
真の勇者は、誰だ!』
何だか、どこぞのアミューズメントパークのうたい文句か、というような
文面が、大きくおどっている。
「なぁに、これ」
キヨラは一気に、眉をしかめる。
「だから、運試しよ!」
サキアは、ニカッと笑う。
まるで胡散臭いものを見るように、キヨラは顔をしかめたまま、その文字を
見つめる。
「それって、ホントに、大丈夫なの?」
あそこでは、あまりいい噂を聞かない…と、キヨラは思う。
そんな怪し気な所へ行って、無事にすむものかどうか。
「だって…生きて出る人は、ほぼ1%にも満たない、というでしょ?」
あなたのことが、心配なのよ…
キヨラは、サキアの腕をつかんだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます