サキアの休日…19

「じゃあ、いつ…ミナトは私を見たの?」

 サキアには、心当たりがない。

やはり自分が知らない…というのは、どうも気になるものだ。

「そうだなぁ~サキアさんは、マリさんと一緒にいたよ」

「マリさんと?」

 それって、いつだろう?

サキアは、忙しく考える。

何しろ気が付いたらいつも、マリさんが側にいた…

黙り込むサキアを見て、ミナトはさらに、付け足すように言う。

「あの時は、大変だったもんな。

 両親が亡くなって、一人ぼっちになって…

 生まれて初めてのお葬式なんて…」

「あっ」

淡々と続けるミナトを見ると、ようやくサキアはひらめいた。

「もしかして…あの時の?」

マリさんを振り向く。

彼女も、驚いた顔をしている。


「やっと…思い出してくれた?」

 フフッと、ミナトが笑う。

「えっ…」

あの時の、男の子?

確かに…あれは、お葬式だった。

マリさんに連れられて、どこかの部屋の椅子に座っていたら…

確か、自分と同じくらいの男の子がいた…というのを、かろうじて

思い出していた。

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