サキアの休日…13

 マリさんは嬉しそうに、鼻歌を歌っている。

楽しそうなのは、いいけれど…

本当に、これでいいのだろうか?

 サキアは迷っている。

普段は冷静沈着で、感情をあまり表には出さない彼女なのだが…

人に指示するのには、慣れているサキアも、幼い頃から親代わり

になってもらっている、マリさんに対しては…

さすがに強気には出られない。

(どうしよう?

 本当に、これでいいのかなぁ?)

珍しく弱気でいると、

「どうした?何かあったか?」

先ほどから、なぜか目を合わせないミナトが、こちらをうかがう

ようにして見ていることに、気が付いた。


 他の人には、ミナトのことが、嫌いなのか?

もしくは苦手なのか、と思われがちのサキアだ。

だがむしろ、その反対だ。

意識し過ぎて、逆に話しかけられないのだ。

うまく誤魔化しているつもりでも、こんなことを、周りの人に

知られたら、何と言われるだろう…

そんなことを考えるだけで、サキアは憂鬱になるのだ。

(もしもあの子たちに、見られたら!)

大人しくはしなかったことだろう…

(ホント、無事に帰ってくれて、よかった!)

あらためて、ホッと胸を撫でおろすのだった。

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