サキアの休日…13
マリさんは嬉しそうに、鼻歌を歌っている。
楽しそうなのは、いいけれど…
本当に、これでいいのだろうか?
サキアは迷っている。
普段は冷静沈着で、感情をあまり表には出さない彼女なのだが…
人に指示するのには、慣れているサキアも、幼い頃から親代わり
になってもらっている、マリさんに対しては…
さすがに強気には出られない。
(どうしよう?
本当に、これでいいのかなぁ?)
珍しく弱気でいると、
「どうした?何かあったか?」
先ほどから、なぜか目を合わせないミナトが、こちらをうかがう
ようにして見ていることに、気が付いた。
他の人には、ミナトのことが、嫌いなのか?
もしくは苦手なのか、と思われがちのサキアだ。
だがむしろ、その反対だ。
意識し過ぎて、逆に話しかけられないのだ。
うまく誤魔化しているつもりでも、こんなことを、周りの人に
知られたら、何と言われるだろう…
そんなことを考えるだけで、サキアは憂鬱になるのだ。
(もしもあの子たちに、見られたら!)
大人しくはしなかったことだろう…
(ホント、無事に帰ってくれて、よかった!)
あらためて、ホッと胸を撫でおろすのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます