サキアの休日…12
「変わるも何も…こうして、きちんと会うのは、20年ぶりくらいです」
サキアを思ってか、ミナトもハッキリとマリさんに言う。
「20年?」
「違うわよ、15年よ!」
驚くマリさんと、即座に訂正するサキア。
ミナトとサキアの二人を見比べると
「あらぁ、そうなの?」
何だか楽しそうに、マリさんが笑う。
「まぁ、いいわ。
それなら、三人で仲良く、キヨラさんの所へ行きましょ」
せっかくだからね、と穏やかに微笑んだ。
昔と同じだわ、とサキアは思う。
ミナトとケンカをするたびに、マリさんはいつも、こうして間に
立ってくれた。
(でも…あの時を、のぞいてはね)
サキアは心の中で、ひそかにそう呟いていた。
「何だか…懐かしいわねぇ」
マリさんが、サキアの隣に並んで、話しかける。
「えっ、何が?」
何で、こんなことになったんだろう?
サキアは、この三人のメンバーもさりながら、予定外の行動に
少し戸惑っている。
本来ならば、ミナトたちと若い人たちと一緒に、この町で新しく
出来た、評判のお店か…
少し足を伸ばして、お偉方と会食する時に行く、料亭にでも、
連れ出そうか…
それとも、たまには海へ、ドライブをするのもいいなぁ~
などと、のん気にそんなことを考えていたのだ。
そうなると、ミスターを呼び出すことになるか、ホテルのオーナー
にでも、ハイヤーを呼んでもらおうか…
などと、計画していたのだ。
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