サキアの休日…6
どれだけ人が、集まったのだろう?
ワクワクしながら、指定した場所へと向かう。
「なんだ、これだけ?」
サキアを待ちかまえていたのは、二人の男女だった。
「サキアさーん、遅いよぉ」
「こっち、こっち!」
無邪気に手を振るのは、サキアの命の恩人、地下の町の最年長
である、マリさんだ。
その側に立つのは、その孫と言ってもいいくらいの若い青年、
ミナトだった。
「あら?私…時間を間違えたのかしらねぇ」
おっとりとした口調で、マリさんが言う。
「いいえ、そんなことはありませんよ」
間違えてはいません…
サキアは、正直に返すけれど、実のところ、ガッカリしていたのだ。
「ねぇ、ミナト~ちゃんとみんなに、伝えてくれた?」
まさか、伝達ミスということは、ないだろうか?
するとミナトは、腕組みをしたまま、
「そんなことは、ないです。
みんな、何だか、都合が悪いって…」
気まずそうな顔をして、目をそらす。
「おやおや~?」
マリさんは、サキアをからかうようにして、二人を見比べる。
「私って…みんなに、嫌われているのかしらね?」
初めてサキアは、弱気なことを口にした。
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