サキアの休日…5

「つまんない男は、もてないわよ!」

 悔しまぎれに、サキアが捨て台詞を言うと…

ボディーガードは、えっ?という顔をして、楽しそうにニヤリと

笑う。

(まるで、子供扱い?)

サキアは何だか、バツの悪い思いがする。

「いいわよぉ~好きにすれば?

 ついでに、あなたも…その日は仕事は休みね!

 自由に過ごしたら?」

フンという顔をして、サキアは言い捨てる。

「えっ」

聞き間違いではないよな?

ボディーガードは、サキアの顔色をうかがう。

「いいんですか?」

思いの外、彼が嬉しそうにしているので…

サキアはちょっと意外に思う。

「えっ?えぇ…」

言い出したことは、さすがに引っ込められない…と、戸惑いがちに

うなづく。


(なんだ?この人…

 いつも澄ました顔をしているくせに、言うことは言うんだ…)

 いつもは寡黙なミスターのことを、サキアは驚いて見つめる。

こんな風に、取り乱した表情を見せるのは、初めてかもしれない。

この人って、本当は何を考えているのか?

ひそかに、そう思っていた。

「それじゃあ、決まりね!

 この日は、あなたも仕事はしない。お休み!」

これでおしまい、とサキアはパンパンと手を叩いた。

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