第459話 謎の地響き

 ガタン!

銅像がわずかに揺れて…

キキィ…

何かがきしむ音がする。

そうしてピタリと、揺れが止まった。


 呆気に取られて、裕太は呆然と、まだショーンにしがみついていた。

だが…石になったショーンは、もう裕太に向かって、口をきいてくれる

わけでも、動いて外に連れ出してくれるわけでもない。

まるで…以前からそうであったかのように、物言わぬ石の像になって

いた。


「ジュンペイ?大丈夫か?」

 ようやく手を離すと、自分の相棒が無事かどうか、気になる。

「大丈夫だ」

ジュンペイも、どこかにつかまって、無事だったようで…

下の方から、声が聞こえてきた。

「ジュンペイ~どこにいるんだ?」

そろりそろりと、石になったショーンから離れて、洞窟の中を

慎重に移動する。

先ほどの揺れのせいなのか…

どん詰まりに、ぽっかりと穴が開いている。

赤い目の像は、穴のすぐ脇にかろうじて立っている。


 ファルコンは、どこ?

 もしかして…下に落ちたのか?

「ジュンペイ?」

あわてて穴の側まで、近付いてみる。

崩れた像や、石の破片、壁の一部などがゴロゴロ転がっている。

「ゆうたぁ~ここだよ!」

こっち、こっち!

下の方から、声がした。

「えっ?」

見下ろすと…崖の下に、ジュンペイが座り込んでいるのが見える。

「どうして、そこに?」

気を付けて、穴から下を見下ろすと

「これだよぉ」

ジュンペイが、自分のお尻の下を指差した。

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