第456話 鍵

「ここは、入り口だ。

 キミたちを、無事に送り届けるのが、ボクたちの役目なんだ」

 ショーンはゆっくりと、像に歩み寄る。

赤い目の銅像は、やけに生々しくこちらを向いて、立っている。

まるで目玉が、こちらを見ているようだ。

「ちょっと、待って!

 じゃあ、ボクたち…どうしたらいいの?」

現にまだ、ここはあの場所ではない。

 するとショーンは、クルリと裕太たちの方を振り向くと

「大丈夫!鍵は、キミたちが持っている。

 元にある場所に、戻せばそれでいいんだ」

また…謎めいたことを、口にする。

「カギ?

 カギって、なに?」

なぜだか裕太は、このままショーンがいなくなるのではないか、と

不安になっていた。

それは、この旅の終わりが近い…ということを、意味していた。

すがるような目を、ショーンに向けると、

「大丈夫だ。

 キミは…間違いなく、カギを持っている」

どういうわけだか、ショーンがキッパリと言い切る。

それは、裕太の質問の答えには、少しもなっていない、と思うけれども。

だがショーンは、それには答えず、ゆっくりとその像に歩み寄った。

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