第455話 ここは、どこだ?

「あぁ、もう着いた」

「えっ?」

 あっけなく、ショーンにそう告げられ、裕太は肩すかしを

くらったような、気分を味わう。

「え~っ、ここ?」

ジュンペイの声もするので、あわてて目を開けると…

そこは、見覚えのある場所だった。

「えっ、ここか?」

先にジュンペイが、スルリとファルコンから降りて、素っ頓狂な

声を上げる。

「そうかぁ、やっぱり、ここだったんだなぁ」

そう言うショーンは、洞窟の端にある、あの不思議な像の前に

立っている。

「えぇっ?」

なんで、この像がここにあるんだ?

「どうして、ここに?」

 思わず裕太は、棒立ちになる。

それは…まぎれもなく、あの赤い目の銅像だ…

よく見ると、元の世界のあの洞窟と、微妙に配置が違う。

なので、自分たちのいたあの島ではない、というわかる。

だが、確かに…

あの像と、寸分たがわぬ姿で、そこに立っていた。


「なんで?」

 じぃ~っと立ち尽くす、裕太を見ると、

「さぁ、ボクたちは、ここまでだ」

なぜかショーンは、キッパリとそう言う。

何が何だか、よくわからない…

裕太の頭は、ショート寸前だ。

「ね、ここはどこ?

 海は?

 山は、どうなったの?」

半分パニック状態の裕太は、ショーンをすがりつくような

目で見る。

こんな所で、置いてきぼりはないでしょ?と…

するとショーンは、優しく微笑むと

「大丈夫だ」

裕太とジュンペイに向かって、そう言った。

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