第453話 行くぞ!

「わかった」

 そう言うと、裕太はファルコンの胴に、腕をぐっと回す。

ウロコに足を引っかけるようにして、その背にまたがる。

ジュンペイも同じように、しがみついているのだろう。

確かめる余裕もなく…ぐっと身体をくっ付ける。


「行くぞ!」

 ショーンが叫ぶと、津波のように、ドーンと水が押し寄せて

きた。

「ヒャア~」

 ジュンペイの叫び声が聞こえる。

裕太は、頭をしっかりとファルコンに押し付け、目をぐっと閉じる。

そうでもしないと、目が開けていられないくらいの水圧なのだ。

ゴボゴボと、耳や鼻や口にも、水が入ってくる。

「よし、もぐるぞ!

 なるべく息を止めるんだ」

ショーンも近くにいるのだろう。

翼が濡れたら、どうなるのだろう?

裕太はふいに、気になっている。

 大量の水に、キリモミされるように、振り回され、ぐるぐると

アリ地獄のように、吸い込まれる感覚がする。

ドーン!

衝撃が、身体全体に伝わってきて、一体何が起こっているのか、

今、どういう状況なのか…

目を閉じているため、何もわからなかった。

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