第452話 みんな、気をつけろ!

 ずいぶん変わった所へ、行くんだなぁ~

内心、そう思っていると…

突然、ドドドドド…

鉄砲水が、背後から押し寄せてきた。

「みんな、気をつけろ!」

いち早く、ショーンの声が響く。

その時!

ドーン!

何かが激しくぶつかる音がして、あっという間に、濁流が

裕太目掛けて襲い掛かってきた。

「うわぁ~」

ショーン、助けて!

ファルコン!!!

声を限りに、裕太は叫ぶ。

みんなは、どこだ?

ショーンは?

ジュンペイは?

突然のことだったので、裕太の頭は真っ白になる。

すると…

「いいから、ファルコンにつかまれ!」

ショーンの声が、響く。

押し流され、流れに飲み込まれそうになり…

どこにショーンがいるのか、ファルコンがいるのか、

わからない。

とにかく足をバタバタさせて、何とか顔を水の上に出そう…と

頑張る。

 その時、フワッと、自分の身体が浮き上がるのを感じた。

「あっ、この感じ…前にもあった」

裕太はふと思う。

『しっかり、つかまれよ』

ファルコンの声が、裕太の頭に響いてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る