第450話  洞窟の中…

 自信満々で、ショーンが言うけれど…それは、本当なのだろうか?

裕太はとても、不安になってきた。

狭い洞窟の中を、また入って行く。

(出たり入ったり、忙しいなぁ~)

ファルコンは、ついて来ているのだろうか?

振り向くと、彼は器用に、身体を滑らせるようにして、洞窟を

進んでいる。

だがここは、地下の回廊のように、きれいに整備されているわけ

ではない。

どちらかというと、自然に出来た洞窟に、手を加えただけのように

見える。

(おそらくは、あまり人が通らないのだろう)

多少においがするし、火口の近くでは蒸気のようなものが出ていて、

かなり熱いのもあり…

あまり長くいるのは、よくないのかもしれない。


「ショーンは、ここに来たことがあるの?」

一応聞いてみる。

ショーンの背中が、ピクリと止まり、

「そうだなぁ~まだ、人間だった頃に、来たことがある…」

そうひと言だけ、言った。

 人間?

ショーンはやはり…もとは翼がなかった、ということなのか?

「それって、ドクターのせいってこと?」

やや引き気味で、そう聞くけれど…

ショーンはもう、何も答えなかった。

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