第448話 トオは生きている?
一体、どこへ連れて行ってくれるのだろう?
やはり裕太は、ワキワクする気持ちを押さえられない。
背を向ける瞬間、チラリとトオのてっぺんが光ったのが見えた。
てっきり、崩れ落ちたかと思ったのだけれど…
ここから見るかぎり、まったく変わりのない姿で、立っている。
ただ…不思議なことに、さっき見た時とは、形が違うような気がする。
どこが変わったのか、と聞かれても、どこがどうとはわからない。
ただ、わずかに変化しているように見えるのだ。
「あのトオは、生きている」
いきなりファルコンの声が、頭に響く。
ハッとして振り返ると、竜の静かな瞳が、こちらを向いているのに、
裕太は気が付く。
「トオが…生きているの?」
思わず裕太が、口に出してそう言うと、
「そうだ。人間の欲望を食べて、成長をしているんだ」
ショーンがこちらを向いて、そう言った。
「生きて帰ることを許さないが、もし生きてそこを出ることが出来たなら、
何かを失う代わりに、力を得て帰ることになるんだ」
ショーンの言葉は、裕太にとって、どうもピンとこなかったけれども。
それでも何となく、わかるような気がする。
「あのね、ボクたち…ここへ来て、どのくらい時間がたったの?」
裕太は一番気になっていることを、思い切って口にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます