第447話 これって、ホンモノ?

 ここは以前、トオに渡る時に来たのとは、また別の場所のようだ。

目に入る景色が、まったく違う。

まさかここは、巨人の家の時のように、作り物なのだろうか?

地下に住む、ミナトたちは、どこにいるのだろう?

思わず裕太は、確かめようとして、自分の傍らにある岩に、手を

触れようとすると…

「おい、危ない!さわるな!」

いきなり、ショーンが叫ぶ。

「やけどをしたら、どうするんだ?」

「えっ?」

「だから、ここは、ホンモノの火山なんだ」

「えぇっ?」

 とにかく何があるかわからないから、むやみやたらに触らない方がいい…

キッパリと、ショーンが言う。


「そうだなぁ」

 先ほどから、ジュンペイがクンクンと犬のように、鼻をヒクヒクとさせて、

裕太を突っつく。

「なんだか…この穴から、においがする。

 きっと触ると、大ヤケドをするぞ」

ショーンの隣に立つと、ジュンペイも急に重々しい顔をする。

(何だよぉ~犬みたいなマネをして)

そう笑い飛ばしたいけれども。

でも、二人の真剣な顔を見ると、さすがに裕太はあきらめる。

ほぃっ!

だがすぐに、ジュンペイがふざけて、裕太の身体を押す。

「おい、止めろよ!」

さっき、自分が言ったことを忘れたのか?

思わず裕太は、反射的にひょいっと身をかわす。

「そう!その調子で、気をつけるんだ」

ショーンは真顔でうなづくと、

「こっちだ」

今度は大きな穴を迂回して、脇道の方へと向かった。


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