第446話 聖なる山

「ここが…聖なる山?」

 なんで?

裕太は奇妙に思う。

「でも、キヨラさんのいた…地下の神殿とは、また違うんでしょ?」

あそこも竜を祀っていた。

何だか、ずいぶん昔のことのような気がするけれど…

だけど、そう遠い昔ではないはずだ。

だがショーンは、驚いたように目を見開き、

「キミたち…あそこへ行ったの?」

意外そうな顔をする。

「うん、まぁ~」

もっとも…ミナトたちに助けられた時に、行っただけなのだが…

「ふぅーん、そうなんだ」

何か言いたそうな顔をしたけれど、

「ここから行く所は、そことは、また別の場所だ」

ショーンがサラリと言う。


「そうなんだ…」

 この頃から、そんな場所に繋がっているとは、とても思えないけれど…

パッと見る限り、そんな道があるようには見えない。

「ねぇ、ここから遠いの?」

ジュンペイも、これからどこへ行くんだ、と興味津々の顏で、ショーンを

見あげる。

「いや、遠くはない。すぐ近くだ」

きっぱりとそう言い切るけれど…

それは、ホントか?

疑うようなまなざしで、ショーンを見る。

「まぁ、そのうち、わかるさ」

ショーンはそれには答えず、ニヤリと笑ってみせた。

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