第445話 あの山のてっぺんで…
おもむろにジュンペイは、
「これ、何だかわかる?」と粒々の石を、裕太に放り投げる。
「何するんだよ!」
危ないなぁ~
反射的に、裕太はひょいっとよける。
「ここは…あの山のてっぺんだ」
「あの山?」
あの山って、なんだ?
裕太は、ボンヤリとする。
「あの山といったら、あそこしかないだろ」
分かんないかなぁ~
ジュンペイは、やや焦れたように足をバタバタさせる。
「えぇっ?」
「噴火口だ」
裕太を見かねて、ショーンが重ねて言う。
フンカコウ?
「えっ、ちょっと待って!
そんな所にいても、大丈夫なのか?」
裕太にとって、噴火口といったら…
テレビのニュースとかで見る、活火山の黒い煙や、飛んで来る石や、
マグマでドロドロとしたイメージだ。
今にも噴火して…熱風で、喉がただれてしまったら?
そんな思いで、急に怖じ気づいた。
「なんで、ここに?」
裕太の質問に、ショーンはトオの方を振り返ると
「それは…ここが、聖なる山だからだ」
そう答えた。
「なんで、そんな所に来たの?」
ボクたち、帰るんじゃあないのか?
まさか、また…マリさんたちに、会いに行くのか?
そう思うけれども。
「ここからしか、行けないんだ」
なぜか、ショーンがそう言う。
「なんで?」
「この中に…通路があるんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます