第445話 あの山のてっぺんで…

 おもむろにジュンペイは、

「これ、何だかわかる?」と粒々の石を、裕太に放り投げる。

「何するんだよ!」

危ないなぁ~

反射的に、裕太はひょいっとよける。

「ここは…あの山のてっぺんだ」

「あの山?」

あの山って、なんだ?

裕太は、ボンヤリとする。

「あの山といったら、あそこしかないだろ」

分かんないかなぁ~

ジュンペイは、やや焦れたように足をバタバタさせる。

「えぇっ?」

「噴火口だ」

裕太を見かねて、ショーンが重ねて言う。


 フンカコウ?

「えっ、ちょっと待って!

 そんな所にいても、大丈夫なのか?」

 裕太にとって、噴火口といったら…

テレビのニュースとかで見る、活火山の黒い煙や、飛んで来る石や、

マグマでドロドロとしたイメージだ。

今にも噴火して…熱風で、喉がただれてしまったら?

そんな思いで、急に怖じ気づいた。

「なんで、ここに?」

裕太の質問に、ショーンはトオの方を振り返ると

「それは…ここが、聖なる山だからだ」

そう答えた。

「なんで、そんな所に来たの?」

 ボクたち、帰るんじゃあないのか?

 まさか、また…マリさんたちに、会いに行くのか?

そう思うけれども。

「ここからしか、行けないんだ」

なぜか、ショーンがそう言う。

「なんで?」

「この中に…通路があるんだ」




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