第444話 ここは、どこだ?

 白い煙を、わずかにあげている噴火口に、ショーンは勢いよく

ダイブする。

もう、おしまいだぁ~

裕太が絶望に駆られていると…風の抵抗が、ふっとなくなった。

ユラユラとパラシュートに揺られているような、ゆっくりとした

感じで、徐々に下に下りて行くのを感じる…

「もう、目をあけてもいいぞ」

頭の上で、ショーンの声がする。

裕太はギュッとつむっていたまぶたを、思い切って開いてみた。

どこかに着地したようだ。

バサッと翼を揺らす音がする。

おそるおそる裕太を目を見開く。

目の前には、ショーンがこちらをのぞき込んでいる。


「やっと来たか!」

 声のする方を目で探すと、少し先の方で、ジュンペイがニヤニヤ

しながら、こちらを向いている。

そうしてその傍らには、ファルコンも長い尾を揺らして、じぃっと

こちらを見ていた。

「ここは、どこ?」

かすかに、硫黄のようなにおいがする。

「ここ?ここはね、あの山だよ」

ショーンが、裕太の隣に立って、そう告げた。

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