第442話 どこへ?
「いいか?何があっても…驚くんじゃないぞ」
ショーンがいきなりそう言うと、スピードを上げる。
「どういうこと?」
ショーンに向かって、聞くけれども、聞こえていないようだ。
方向感覚には、あまり自信がないのだけれど、おそらくは
ミナトたち地下の人たちのいる、あの山の頂に向かって、
まっすぐに飛んでいる。
(えっ?海じゃないの?)
現実世界の裕太たちは、海の近くにいたはずだ。
だがショーンは、やはり何も言わず、ぐんぐんスピードを上げている。
振り落とされないようにと、裕太もしっかりとしがみついた。
ジュンペイは?
チラリと横に目をやると、相変わらず楽しそうに、ファルコンの背中に
はしゃぎながら、しがみついている。
「ヒャッホー!」
ご機嫌なジュンペイの声が、聞こえる。
ファルコンもスイスイと、宙を身体をくねらせて、飛んでいる。
(一体、どこへ行くんだ?)
裕太はそう思うけれども…
とにかく自分も、振り落とされないようにと、しっかりとショーンに
しがみつく。
高く高く舞い上がると、あっという間に、トオが見えなくなる。
このまま、大気圏に突入して、本物の宇宙にまで飛んで行くのか?
一瞬、そんなことを思っていたのだが…
あの山の頂までやって来ると、まっすぐにある場所を目指して、突っ切って
行くようだ。
「えっ?」
なに、それ?
このままだと、ぶつかってしまうか、落っこちるぞ!
裕太は急におっかなくなり、ショーンに身体を密着させると、キュッと
目をつむった。
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