第440話  今度は、なに?

 すると…凄まじい閃光が、その穴からあふれ、キィ~ッと音を立てて、

部屋全体が動き始めた。

「なに、これ?」

壁際にある、バードマンの彫刻が、一斉にこちらを向く。

金の玉座が、ゆっくりと沈み始めた。

壁がズーンと音を立てて、沈み始めると、ポッカリと大きな窓が現れる。

プシュー

鳥かごがそこに向かって、ベルトコンベアーに乗せられたように、そこに

向かって進む。

まるで、花びらが開くように、柵が変幻自在に変化して動いている。

裕太もジュンペイも…ただただ、その様をポカンとして、見守るだけだ。


「よし!準備が出来たな!」

 ショーンが立ち上がり、大きく翼を広げる。

プシュー

下の方から、水が吹き上がってくるのが見える。

こんなところから、水が?

水気がないはずなのに、何でなのだろう…

すると、バサバサ…と翼の音が聞こえる。

「えっ、誰?」

感覚が麻痺したのか、裕太はさほど驚いたりはしない。

だが!

一気に水が押し寄せて、部屋全体が湖のようになった。

「大丈夫か?」

「おまえ、泳げるか?」

ジュンペイが、裕太に声をかけた時…

「いいから、早くつかまれ!」

ジュンペイが、裕太に向かって叫んだ。

 その後…津波のように、大きな波が裕太目掛けて押し寄せた時、

思い切って、ショーンの腕に飛び付いた。

ペッペッ!

鼻にも、喉にも、耳にも、穴という穴に、水が入ったけれど…

「ジュンペイは?」

裕太はショーンに向かって、自分の相棒のことを聞いた。

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