第433話 危険なアイツ

(とんでもない、モンスター?どういうこと?)

 裕太には、フェニックスがそんな風には見えない。

フェニックスがスクッと立ち上がると、初めてガイコツは、

ギョッとした顔になる。

「あれほど、出すな、と言ったのに…」

何だか妙に、焦っている様子だ。

一体、何が起きるというのだ?

裕太は逆に、気にかかる。

何でそこまで、ガイコツがおびえるのか?

その理由が知りたい…とさえ思う。


 目に見えて、ガイコツは落ち着きをなくす。

妙に取り乱しているようだ。

そんな様子を見て、裕太は一歩後ずさりをする。

「おい、その笛を、こっちへよこせ!」

ドクロが叫ぶ。

だが裕太は、それを無視して、もう一度、あらんかぎりの力を込めて、

思いっきり強く吹くと…

ジュンペイの持つ卵が、七色の光を放ち、まぶしく光り出した。

「早く!こっちへよこせ!」

再度、大きな声で、ガイコツが叫ぶ。

その時何を思ったのか、ジュンペイがいきなり

「イヤだ!これは、ボクのだ!」

今度はその卵を、ぐっと胸に抱え込んだ。

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