第429話 ついに、お宝発見?

「あっ!」

 ジュンペイは思わず声をもらす。

すかさず鳥かごのすき間に、手を突っ込む。

「おい、何をしているんだ?」

ようやくガイコツが、気が付いたようだ。

「ううん…何も」

あわてて裕太が、ヘラヘラとごまかし笑いを浮かべて、頭を振る。

「ふーん?」

二人の様子が変なのは、気が付いたようなのだが、まだそれが何なのか

は、わかってはいないようだ。

「お前たちも、おとなしく…降参することだな」

ドクロの声が響く。

ショーンは、フェニックスをかばって、矢を放とうとすると…

天井から、何かが舞い降りてくるのが、目に入った。


 今だ!

身体を半分、柵の中に突っ込むと、ジュンペイは思いっきり手を伸ばす。

そうしてワラの中に、何かが転がっているのを見付けた。

それは…七色の光を放ち、ジュンペイの手をすり抜けて、鳥かごの外へと

転がり落ちた。

「うわ、何だ、あれ?」

「あっ!あれは…卵?」

 ジュンペイはあわてて、その卵を追いかける。

丸い物体は、キラキラと光りながら、床を転がる。

「なんだか、とってもきれい…宝石?」

ジュンペイの目の色が、瞬時に変わる。

すっかりその物体に、目を奪われて…

他のことには、目がいかないようだ。

それよりも…ショーンは?

ガイコツも、さすがに気が付いた?

「ジュンペイ、ちょっと!」

危ないだろ?

また…ジュンペイの嫌な癖が出て来たようだ。

裕太は、ジュンペイに教えたことを、少し後悔していた。

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